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テクニカル・イシューは超音速さんがレビューしておられますので、別のほうを。
WWIにはあれほど華やかだったフランス航空が20年の間にどうしてだめになってしまったかというよくある話です。
現在のわれわれからすると、いささか信じがたいことですが、ウィルソンもロイド・ジョージもベルサイユ条約のあと、フランスは軍縮するだろうと考えていたといいます。
なぜかというと、ドイツが軍備制限されたから。
そして、イギリスはワーテルローの戦いが終わったあと、ウェリントンの陸軍を大幅に減らした実績があった。
パーキンソンはイギリス海軍省を観察して、戦時よりも平時のほうが人員が増えることを見出して、「パーキンソンの法則」と導いたけれど、あれは結構トリッキーな「法則」かもしれない。
実際、フランスは大戦で大量の人員と戦費を使ってヘトヘトになっていて、徴兵適齢人口の不足に深刻に悩んでいた。
すでに大戦中に兵力不足を感じていて、ソンム会戦でドイツ軍はザンビアの黒人兵と遭遇して仰天している。
これは不思議ではなく、1863年マネの「オランピア」には黒人のメイドが描かれていて、植民地の労働力を大量に本国へ移送していたことがわかる。
急速に工業化がすすんで、人が足りなかったのですね。
で、フランスが大戦を通じて学んだ、と信じたのは、機関銃と鉄条網と塹壕で構築された陣地は容易に突破できないということ。
航空優勢は、さして戦況には影響しなかった。
ツェッペリン飛行船のロンドン空襲など、イヤガラセ程度の効果しかなく、イギリスが最も脅威を感じたのはUボートだったとチャーチルは回顧している。
だから、マジノ線にこもってじっとしていればよろしい。
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