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現代の戦車には複合装甲というものが用いられていて、これは戦車程度の厚さでも第二次大戦時の戦艦並みの強度と聞いたのですが本当なのでしょうか? また、装甲の面積や厚さが同じとした場合、第二次大戦時の装甲と重さはどれぐらい変わるんでしょうか? オメガルファ |
- 戦艦の装甲並みの強度というのは、HEATやAPFSDSと呼ばれる砲弾に対してです。しかし、これらが開発される以前の徹甲弾に対しては逆に弱くなっているという話もあります。
したがって、前大戦時の装甲と一列に並べえるものではありませんし、装着してもあまり意味はないだろうと思います。
hush
- 適切な例えではありませんが、ケブラー等の防弾繊維が刃物に対しては寧ろ弱い、みたいなものです。
にも。
- 既にお二人が回答なさっておられますが、もう少しかみ砕いて説明します。
一説によると、現代の戦車の砲塔正面の複合装甲は均質圧延鋼板に置き換えると厚さ2000oぐらいに相当するとか(根拠不明)・・・この話が真だと仮定して、戦艦の装甲を本来の防御力と同等になるように複合装甲に置き換えれば、おそらく重量は半分〜1/3程度にはなるでしょう。
ただ、複合装甲はHEATやAPFSDSのように貫徹力を速度に依存する砲弾に対抗することに特化している装甲です。装甲素材が持つ靭性が無効化さてしまうHEATやAPSFDSに対しては強い防御力を発揮しますが、靭性が活きてくる領域の物理現象に対しては、同じ厚さの鋼板と同程度の強さしかありません。
WW2の頃、155o級の榴弾砲を装備した突撃砲が貫通力のない榴弾で一線級の戦車を撃破することがありましたよね?
砲弾が徹甲弾のように貫徹力で装甲を貫通するのではなく、砲弾の質量で装甲をたたき割って破壊してしまうという奴です。
複合装甲を採用して装甲の厚さを極端に低減すると、HEATやAPSFDSには耐えられても、戦艦の主砲から打ち出される徹甲弾が命中すると装甲板をたたき割られてしまう可能性が非常に高くなってしまうのです。
おそらく、WW2当時の戦艦の分厚い均質鋼板製装甲を現代の複合装甲に置き換えれば相当強くなんじゃね?くらいの考えがあるのだと思いますが、実際にそれをやると、却って防御力は大きく低下してしまうでしょう(コストも跳ね上がるし)。
おうる
- >2 ケブラーは代表的な「防刃繊維」です。そもそもたとえになっていません。
六
- なるほど、自分が思っていたものと根本的に違うようですね。
オメガルファ
- 現在では対不正規戦向けに、維持費が廉く経済的に哨戒させられる装輪車にという縛りで、不正規兵が運用出来る範囲の攻撃手段から如何に防御するかが焦点になってます。
戦車砲から発射される様な高速徹甲弾への防御は諦めて、不正規兵が少人数で扱える成形炸薬弾・粘着榴弾のロケット・ミサイル、そして自己鍛造方式も含めた路肩爆弾・地雷。
にも。