624 |
特攻機に徹甲爆弾を積んでいる写真を良くみますが、実際に徹甲爆弾での運用が多かったのでしょうか。 特攻だと爆弾の突入速度が低くなる為、頑丈な徹甲爆弾のメリットは半減します。それよりかは爆薬の多い陸用爆弾で行った方がよかったんじゃないかと思いまして… パンジャンドラム |
- 五号爆弾は特攻には使われてないと思います。
片
- 「徹甲爆弾」というと上記五号爆弾ということになります。
これは薬量が弾重量の6%くらです。
特に機動部隊攻撃の特攻で使われた50番通は41%です。
片
- 徹甲爆弾ではなく通常爆弾の事でした。
訂正すると、特攻機には炸薬が少ない代わりに強度の高い(250kg)通常爆弾が用いられている写真をよくみますが、(250kg)陸用爆弾での特攻は主流だったのかどうか知りたくて質問しました。500kg爆弾ともなると陸用爆弾に近似しつつあるのは分かりました。零戦は五十番も使えますが九九艦爆の存在もあるでしょうし、二十五番の方を知りたいです。
パンジャンドラム
- 本当に「半減」するんでしょうか。
体当り攻撃に近似した緩降下爆撃法では、例えば瑞雲の場合、1500m進入、35度降下、気速225ノット、400mで投弾します。(20年2月の横空研究より)
弱装甲部位への貫通の希望を捨てる程の違いは無いのではありませんか。
BUN
- >3
特攻は「命を懸けて敵艦と刺し違える」のを建前として掲げて実施されますから、明らかに撃沈が望めない陸用爆弾での攻撃はなかったのではないかと思いますよ。
実際の特攻がどれくらいの戦果を挙げ得たのかはともかく、「一時的な対空砲火封殺のために死ね」というわけにはいかなかったようです。
片
- BUNさん、片さん、ありがとうございます。
軍部は飛行甲板さえ破壊出来れば良いとの目論見と考えていましたので、なぜ陸用爆弾を使わなかったのか不思議に思っていました。対外的には撃沈と言っていたのですね。
特攻機の突入速度は知りませんが、緩降下爆撃から推察すると衝突時は300ノットに満たない程度だと思いますので、ギリギリ陸用爆弾でも通用するかな、と思います。
パンジャンドラム
- だからそれだけの撃速が期待できるなら、飛行甲板表面で炸裂してしまう陸用爆弾より、内部への貫通が期待でき、格納庫内をも破壊できる通常爆弾が選ばれるということです。
BUN
- >6
「対外的」にではありません。
五〇番通爆での特攻は、本来桜花を使用して敵艦に対する一撃必殺を狙った神雷部隊員に対して、しかし桜花を使えない状況での特攻出撃を命じようとしたところ効果が望めないという反発があったため、桜花ほどではないにせよまだしもの効果を期待できるもととして行われるようになったものです。
片
- 陸用爆弾は弾殻の質が悪く不完爆になりやすいので、変則的な角度や姿勢で着弾する可能性が高い体当たり攻撃には向かないでしょう。
遅動を掛ければカタログスペックでは飛行甲板やギャラリーデッキを貫通できるけど、確実性を期すれば抱かせたい爆弾ではありません。
実際に降下の角度が45度程度と浅かったり、被撃墜機から落ちてきたような陸用爆弾は、ヨークタウン級空母に命中した場合でも不完爆に陥っています。
体当たり攻撃に用いないという判断は正しかったとは言えないでしょうか。
また体当たりと言っても爆弾を抱いたまま突入するとは限らず、高速の降下により生還を諦めることで対空砲火を突破できる降下爆撃ともいうべき戦法も採用されています。
金星ファン
- まあ、何より、どういう信管をつけるのかを考えてみていただければ。
片
- 瞬発とはいえ飛行甲板の表面で爆発しているのはいずれも米軍には不完爆と報告された命中弾ばかりです。
飛行甲板表面で炸裂してしまうというのは信管の性質ではなく弾体の問題であって、完爆したとされる陸用爆弾はより深い位置で炸裂しています。
ともあれ陸用爆弾は所期の効果が発揮される条件が限定的で体当たり攻撃に向かないのです。
緩い角度での爆撃に用いられれば、しばしば弾体強度が足りず飛行甲板表面で爆発してしまううえ、爆発の威力も完爆した通常爆弾を下回ったことでしょう。
金星ファン
- みなさんありがとうございます。納得できました。
パンジャンドラム