534  5.56ミリと7.62ミリの威力および射程の差というのは、どれくらいのものなのでしょうか?また、5.56ミリ弾で7.62ミリ並みの威力・射程を実現することはやはり不可能なのでしょうか?
 それから浅学を晒すようですが、小銃弾と拳銃弾の統一はやはり不可能でしょうか?
 よろしくお願いします。
スピリット

  1.  5.56mmって5.56mm×45NATO弾のことだろうと思いますが、その対比で7.62mm弾ってことは7.62mm×51NATO弾でしょうか?それともAK47で使用されている7.62mm×39弾?
     口径7.62mmのライフル弾はたくさんあるので口径だけでは特定できませんが、まぁ大雑把に7.7mm位のライフル弾として回答します。

     まず射程の差ですが・・・7.7mmクラスの軍用ライフル弾は歩兵銃で1000m位先の敵を撃つことを考えて開発されました。なので、同クラスの弾丸を使う普通のライフル銃で最大有効射程はだいたい1000mくらいです。
     5.56mmクラスは地上戦が近代化するに従い「1000mも離れて撃ちあう事なんかないじゃん」「威力が小さくも弾数持てたほうが有利じゃん」という教訓から開発されているので1000mも飛びません(弾自体はもっと飛ぶけど狙えない)。400mくらい先の敵を撃つことを考えて作られているので有効射程は500mくらいです。

     次に5.56mmで7.62mm並の威力と射程を持たせることができるかどうかですが・・・7.7mmクラスのライフル弾は弾頭重量がだいたい8〜10gあります。これに対して5.56mm×45弾は4gしかありません。重量で2倍の差があります。
     弾丸の威力を単純に弾頭の運動エネルギーとして考えます。
     重量が半分しかない弾頭で同じ運動エネルギーを発揮するには弾頭の速度を上げるしかありません。運動エネルギーは質量に比例し、速度の2乗に比例するので√2倍(約1.414倍)の初速を発揮する必要があります。7.62mm×51NATO弾の初速が840m/sなので、√2倍して約1188m/sまで初速を上げれば同じ威力を発揮することが可能・・・ということになります。
     ただ、それをするためには銃身を長くして装薬(弾を発射するための火薬)の燃焼速度を遅くしたり、あるいは燃焼ガスの圧力を高くするとともに腔圧(燃焼ガスの圧力の事)に耐えるように銃そのものを頑丈にする必要が出てきます。せっかく小さい弾を採用して武器も軽くしてたくさん弾を持てるようになったのに、銃は間違いなく重くなるし弾(というか薬莢)も大きくなってしまいますから、小口径弾のメリットが台無しになってしまうでしょう。
     なお、射程距離の方は伸びません。弾丸が軽いので大気(風)の影響を受けやすいが原因です。どれだけ頑張って早く投げてもピンポン玉は10mも飛ばせないのと同じです。こればっかりは速度を上げても克服できません。

     最後に小銃弾と拳銃弾の統一ですが・・・まぁ無理ですね。
     小銃弾としては最も低威力(つまり低反動)な部類に入る5.56mm×45NATO弾でも1700Jのエネルギー量を持っていますが、これは軍用拳銃弾として最もポピュラーな9o×19パラベラム弾と比べても約3.8倍、往年の「世界最強の拳銃弾」であった44マグナムの2倍を超えるエネルギー量です。
     同等のエネルギー量を持つ拳銃弾は存在します(.454カスール弾)が、とても実用銃とは呼べない代物です。実用性を無視してマッチョイムズを満足させるためだけの銃&弾丸なので、普通の人が下手に撃ったら一発で手首か肩を壊しますし、撃てたとしても反動が大きすぎてまともに狙えないでしょう。
    おうる

  2. 5.7x28mmぐらいじゃないでしょうか?それかM1カービンの弾とか?
    alphabette

  3. 小銃弾と拳銃弾の統一についてですが
    子供にも扱える射撃入門用の定番.22LRは拳銃・小銃両方で広く使われています
    西部劇のウィンチェスターM1873やベレッタCx4のように拳銃と弾薬(Cx4は弾倉も)を共用できるカービンは色々あります
    ただし、これらはライフルとしては低威力・短射程です
    軍用や中型獣以上の狩猟用となると威力・射程の面から実用的とはいえません

    逆に、5.56mm級などは回答1の様に反動(=威力)が大きすぎる上、弾薬が長すぎて片手で持てるグリップに収まりません
    パトリオットピストルのような拳銃と呼べない代物になるでしょう
    MAG

  4. http://en.wikipedia.org/wiki/.41_Remington_Magnum
    このWebが正しいなら、6.5インチリボルバーで11gの弾を570m/sというんだから重さと初速で言うなら使い物になるのは此の位では?

    ライフルなら600は軽く越すでしょうから。
    また昔読んだ雑誌の記憶では、小柄な白人少女が慣れれば、手を傷めずに射撃を楽しめた銃だということだったし。(全く自信無し)

    同じくWebで村田銃は、15gオーバーの弾を600位で飛ばしてたらしいから、近距離なら十分と思うが?

    弾道性とか長距離射撃とかそれなーにと言うぐらいの推測だらけになってますことを付け加えておきます。
    青江

  5. >>4
     既存の拳銃弾では5.56mm×45NATO弾が開発時に要求された貫通力を発揮できません。
     同じエネルギー量(=反動)で軍用として使用に適した貫通力を得ようとすれば、どうしても5.56mm×45NATO弾ぐらいの口径&全長になってしまいます。そして、そのサイズの弾丸を使う拳銃となると、どうしても大きく重くなってしまいます。
     実際、既存の拳銃弾で5.56mm×45NATO弾並のエネルギーを持つ弾丸を使用する拳銃はどれも1.5kgくらいあり、一般的な軍用拳銃の1.5〜2倍くらいあります。
     そんな重たい拳銃を持ち歩くくらいなら、自動小銃のマガジンを1本余計に持ち歩いた方がよほど現実的でしょう。

    おうる

  6. 小銃弾と拳銃弾の統一が可能であるならば、新しくはP90やMP7が登場したときに、古ければM1カービンやウィンチェスターライフルが登場した頃に統一されているでしょう。

    軍用銃の基本が両手で持って撃つ大型銃(ライフル)である以上、自然とそれに見合った威力と射程の弾薬が標準となります。それに片手でも打てる小型銃(拳銃・PDW)やその弾薬で対抗するのは土台無理が有るのでしょう。
    現状の火薬を使用する銃器は、ほとんど極限まで進化していると思われます。拳銃弾サイズのカートリッジからライフル弾並の威力を発揮することや、拳銃サイズでライフルの反動を制御することは無理に思いますので、反動の無いレーザー銃でも実用化されないと現状は変わらないのでは?
    きっど

  7. お二方のご意見納得できます。
    が、何故にその貫通力が必要なのか、要求されたのかと、往々にして打撃力と貫通力は、相反する場合が発生します。

    38式の例がわかりやすいでしょう。
    600mの飛距離でなお500mの弾速を持つ、ガーランドと同じ9gの重さの弾がです。
    400m付近で威力が逆転するわけです。
    貫通力はあるわけですが、他の銃と比べ威力不足と聞きました。

    これ以上は、小銃の要求性能が揺らいでる現在、議論ボードの問題でしょう。
    なお、偶然見つけたのですが、41マグナムの前記の弾は、17インチバレルで630m/sの初速が出るようです。
    つまり、現在ある拳銃弾でもAK47とライフルに使うなら殆ど同じ十条での威力を持つものもあるよ、と言うことで終わりにしましょう。

    青江

  8. 銃口の間違いです。
    失礼をお詫びします。
    青江

  9. dual useまたはcompanionというコンセプトがアメリカ西部開拓時代にありました。代表格は.44-40Winchesterです。ライフルと拳銃の弾の共用です。まあ、タマ不足タマ高価のフロンティアでもありましたから対人対(動)物。これが近代に引き継がれてスタームルガーやマーリンから.357Magnumや.44Magnumを使用する(狩猟用)ライフルが発売されました。アメリカでは州にもよりますが、ライフル猟に先立って拳銃による猟期が設定されてもいるようです(孫引き)。
    梅吉

  10. たくさんの回答、ありがとうございました。
    自動小銃とSMGの弾の統一ができるかなー、と思ったのですがやはり難しいようですね。
    スピリット


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