485 MGM-51 シレイラ・ミサイルを発射するM81/M162/XM150 ガンランチャーの口径は152mmとされていますが、これが実口径なのでしょうか。
それとも152mmという表記は砲兵科の155mm榴弾砲と区別する便法で、実口径は155mmなのでしょうか。
若し152mmが実口径なら西側(NATO)の155mm榴弾砲の多種多様な砲弾を撃つ事が出来ず、戦術上の可能性を潰している事になります、
特に核砲弾はデビー・クロケットなどより余程安全に運用出来るので不可解です。
にも。

  1. 共用の可能性を問うているのは「砲弾」であって「装薬」ではないですね。因みにガンランチャーの装薬はM81/M162が高/低圧構造の半焼尽薬莢、XM150が薬嚢式、で合っている筈です。
    私なりに回答を考えると、152mmは実口径であり、西側(NATO)標準の榴弾砲より態々3mm小さくしてその砲弾を使用出来なくしたのは将にそれが目的だからです。
    デビー・クロケットは大量報復戦略の時代に仕様が策定された兵器ですが、ガンランチャーの仕様の策定は柔軟反応戦略の時代に入って確定されたものではないでしょうか。
    戦車から核兵器が運用出来る、という可能性が軍縮交渉の際枷になる虞がある、という政略上の理由で、既存の核砲弾は運用出来ませんよと敵国に示す為に態々3mm小さくしたのでは無いでしょうか
    (東側(WTO)標準の152mm榴弾砲の多種多様な砲弾特に核砲弾をシレイラ・ガンランチャーで運用する可能性…通常考えなくていい)。

    にも。

  2. 「敵国」では無く「軍縮交渉の対手≒仮想敵国」ですね。間違えました
    にも。

  3. 155mm砲弾が通常の榴弾で43s、核砲弾では58sもあるのに対して、152mmガンランチャーのHEAT-MP弾は22sしかありません。通常の火砲なら12センチ砲相当というところですから、HEATの直径≒威力をなるべく稼ぐため弾量の割に大口径な専用砲を作っただけではないかと思うのですが。
    expery

  4. シレイラ・ガンランチャーの口径が、同じ15サンチ級であっても米陸軍→NATOの155mmでは無く、ソビエト→WTO地上軍野砲或は大戦迄の米海軍艦砲と同じ152mmであるのは、昔から私には謎でした。
    後からゐきぺを観たのですが、MGM-51 シレイラの項に
    「車両上のレイアウトの都合で発射車両から730 m(800 yd)までミサイルがガン/トラッカー・システムの視野に入らず、そこからしかミサイルを誘導し始めることができなかったため、最小射程が非常に長いことが判明した。M409 HEAT弾の最大有効射程がシレイラの最小射程よりも短」
    とあり、これでは小銃射程ではないかと驚きました。これは「HEAT弾の最大有効射程」ですから「点目標に当てられる」かという意味で、面目標へ届かせる射程はもっとずっと長い筈です。
    今http://togetter.com/li/558571を見たらM81/M162もXM150も緊塞具が必要な完全焼尽薬莢で閉鎖機は隔螺式、高/低圧構造の砲ではない様ですが、それでも自身に比して大質量の弾体、シレイラミサイルの様な大きな弾体を射出出来るのですから分割装填するロケットアシスト弾等が考えられます。そしてXM150は砲兵の15サンチ級に近い規模の砲でありAPFSDS弾XM578E1を撃ちます。
    米陸軍のガンランチャーの口径がフランスに由来する米陸軍野砲の155mmでは無く、イギリスに由来するロシア→ソ連の野砲や米海軍艦砲と同じ152mmであるのは、軍事技術や戦術の観点からは不利は幾つも考えられこそすれ利点は思いつきません。

    にも。

  5. Wikipediaにも書かれていますがシレイラミサイルの開発開始は59年なので柔軟反応戦略より少し前ですね。

    榴弾砲との共通化が図られなかったのは40kgを超える155ミリ砲弾が装填手一人で安全に扱える重量をオーバーしていたためと推察します。ガンランチャーの弾薬重量はみな120ミリ戦車砲と大差無い20kg台前半にまとめられており、シレイラミサイルもW48核砲弾の半分以下の27kgです。ソ連のIS重戦車は狭い車内で25kgの122ミリ砲弾を装填するのが大変だったとも聞き及びますから、この辺が実用的な戦車砲弾重量の上限なのでしょう。既存の15センチ級弾薬が使えず専用弾薬を用いるなら口径は違えた方が補給上の混乱も招きにくいはずです。
    XM150搭載のMBT70は自動装填で砲弾重量の条件は緩和されますが、これは既に存在するM81の弾薬やシレイラを流用するものですから遡って口径の策定に影響は与えられませんし。

    余談ですがXM578APFSDSの距離2000mでの侵徹長は105ミリAPDSと変わらないんですな。シレイラの最小射程を補うだけだからこんなもので良かったということなのか。
    名無し

  6. >3、>5
    質問と1、2、4で拙いながら疑問点は描いたつもりです。
    ガンランチャーのバリエーションとして自動装填する榴弾砲に近い規模の砲を開発する構想は最初からあった筈で、
    どうして「装填するのが大変」「補給上の混乱を招きにくい」なる理由で実際の口径を15サンチの中の3mm「だけ」小さくするのですか?
    当時の米軍は「旧日本陸軍の小火器弾薬」−実際の旧軍はそのように愚かではない−なのですか?

    先に米側の戦略転換(政権交代)で記しましたが、正確には対手ソビエトの側で政権を取ったフルチチョフが平和共存戦略を取り軍縮交渉を行いうる可能性が出て来た、という事です。
    戦術核依存からの戦略(政略)転換は潜在にアイク政権後期から始まっていたのではないでしょうか。
    にも。

  7. >ガンランチャーのバリエーションとして自動装填する榴弾砲に近い規模の砲を開発する構想は最初からあった筈
    米独協同のMBT70計画が成立する前にアメリカが独自に計画していたガンランチャー付き主力戦車(1960年計画開始、62年中止)は下図のように短砲身手動装填の予定でした。
    http://1-media-cdn.foolz.us/ffuuka/board/tg/image/1342/29/1342294529011.png
    MBT70で長砲身化されたのはシェリダンの試作車完成後に判明したミサイルと通常弾の射程ギャップを埋める泥縄的なものであり、自動装填装置(開発はラインメタルの担当)もシェリダンの毎分4発というソ連戦車にすら劣る発射速度が問題視された結果ではないでしょうか。

    >15サンチの中の3mm
    米陸軍はガンランチャー開発の少し前に従来の105ミリ自走榴弾砲を110ミリで、155ミリを156ミリで更新する計画を立てて実車の試作までしたことがあります。NATO諸国が備蓄弾薬を使えないという理由で中止になりましたが、米軍単体では口径変更にさほど抵抗を感じていなかったのかもしれません。ましてガンランチャーとなれば砲ではなくミサイルランチャーの系譜として口径をインチ単位にしても不思議は無いように思います。アメリカ製対戦車ミサイルは初期のダート(弾体径8インチ)からTOWやヘルファイアまでインチ単位ですから。
    名無し

  8. 御返事が遅れました>3、>5、>7。
    >核砲弾では58sもある
    >40kgを超える155ミリ砲弾が装填手一人で安全に扱える重量をオーバーしていた
     シェリダンは3人、図面を載せて頂いたMBT70以前に計画されていたガンランチャー付き主力戦車は操縦手を加えた4人が砲塔内に居ます。後者の操縦手の位置など二人目の装填手として格好の位置に見えませんか?何故撃てなくしているのかと問うている榴弾砲向けの砲弾は、榴弾などではなく核砲弾の様に特別な物で、それを撃つ時の発射速度が分四発どころではなく落ちるのは許容範囲では?
    >MBT70で長砲身化されたのはシェリダンの試作車完成後に判明したミサイルと通常弾の射程ギャップを埋める泥縄的なもの
    >ガンランチャーとなれば砲ではなくミサイルランチャーの系譜として口径をインチ単位にしても不思議は無い
     「泥縄で長砲身化」という状況まで含めて想定という意味で、榴弾砲規模の自動装填する砲も開発する可能性が初めから検討されている筈なので、「ミサイルの口径をインチ単位にする」なる、高々造兵方の目安に過ぎない取り決めのために、態々15サンチの中の3mm「だけ」口径を小さくし、将来に亘って榴弾砲の砲弾を扱い得る可能性を積極的に物理的に排除するという決定が為されている、と思うのですか?若しどうしてもミサイルの直径をを整数インチにしなければならないのなら(そんなことはありませんが)155mmと152mmの間の3mm分を埋める薄い装弾筒を噛ませればいい。ガンランチャーはミサイルランチャーでは在りません、砲です。ランチャーなら何であんな重くて複雑な物を造るものか。
    >従来の105ミリ自走榴弾砲を110ミリで、155ミリを156ミリで更新する計画を立てて実車の試作までした
    その110ミリと156ミリ、実口径は105ミリと155ミリで、110ミリや156ミリと呼称するのは便法では?ガンランチャーについても実口径は155ミリだが便法で152ミリと呼称している可能性を最初に書きました。さて、新型榴弾砲の156ミリと110ミリが実口径で、若しその口径に変更する計画が実行された場合、核砲弾はその新しい156ミリと110ミリの口径だけで供給され、従前の155ミリ砲では運用出来ないようにされている、と思いませんか?私が問うているのはそのような政略の存在です。
    にも。


Back