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「指揮(通信)車両」というカテゴリーや艦船の「司令部機能の拡充」という文章などを見ていつも思うことなのですが、こうした指揮に関する装備とは具体的にどういうことが充実しているのでしょうか?(会議室があるとか地図を広げられる大きな机があるとかかな?) 因みに、もし通信機能が最大の特徴というのであれば、車両を一台丸々用意しなければいけないほどのスペースを必要とするということでしょうか? シュリーフェン |
- 地上部隊の指揮に必要な装備を持つ車両と、艦船の持つ旗艦設備とは性格が異なります。
車両の場合はそこに指揮官とスタッフが全員乗り込むようなことはなく、複数の車両に分乗すれば良い訳で、走行中に車中で会議する必要もありません。上級司令部との通信連絡が行える無線通信装備が充実していれば良いだけです。
車両のように簡単に下車集合できない艦船の場合は無線通信装備の充実の他、必要な人数が全員乗り込んで仕事をしますから直接指揮に関わる施設の他に居住設備も余分に必要になってきます。
BUN
- 普通の戦車が積んでいる無線機は出力と周波数の関係で、周囲数キロにしか電波が届きません。指揮官はその地位に応じて、遠くまで届く無線機を併用する必要があります。だから指揮戦車はたいてい複数の無線機を持っています。アメリカ軍のM4中戦車も「指揮戦車」という名称や型番はありませんでしたが、指揮官の車両には余分に無線機があります。
ですから指揮戦車には無線機を余分に積むために武装を一部撤去したものと、狭いのを我慢して武装を残しているものがあります。
狭い意味での軍団司令部は、バスやトラックや大型乗用車でわらわらと移動します。それとは別に通信部隊がついていて、戦前だとやっぱりトラックや乗用車で通信機を運ぶのですが、だんだんSd.Kfz.260、261、263などの通信装甲車がもらえるようになっていきます。
戦車軍団司令部の編成表がぱっと見つからないのですが、戦車軍司令部になると指揮戦車の他にSd.Kfz.250/3やSd.Kfz.251/6といった車両を持っています。捕獲したAEC装甲指揮車をロンメル将軍の司令部が使っていたのは有名です。
マイソフ
- なるほど、するとC4ISR能力が高度に要求されるこれからの軍隊では車両でも艦船でもよりいっそう指揮に関する装備の複雑化や大型化が進むかもしれませんね。ご丁寧な回答、ありがとうございます。
シュリーフェン