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初投稿です。よろしくお願いします。 9mmマカロフ弾は軍用としては どう性能・威力がよくなかったのでしょうか? スチェッキンの説明でそのような事がかかれていたので・・・ どなたか詳しい方教えていただけたらありがたいです。 るる |
- その記事の内容・出所が不明ですが、スチェッキンAPSについてではなく、 9mmマカロフ(9mmMakarov,9mmMak)弾
についてのみ解説とします。
結論から先に述べれば 9mmMakarov弾(以降 略Makarov弾)の標準弾は、サイドアーム拳銃弾として
必要充分な威力であります。
内外の各GUN専門誌やインターネット、GUNに精通する評論家は 9mmMakarov弾について
”9mmPara の弱装威力 或いは 9mmParaと380ACPの中間威力の拳銃弾である。
すなわち 軍用拳銃弾としてはやや威力不足なものである” 旨の解説がほとんどであります。
確かに単純運動エネルギーの比較では 9mmPara:500J前後、7.62Tokarev:同じく500J前後、Makarov:313J
(とりあえずWikiよりのデータ)であり Makarov弾は明らかな差があります。
しかしながら 対人威力のスケールとしてよく利用されるノックアウト・パワー・ファクター(KOPF)について計算してみれば、
9mmPara:6.8前後、7.62Tokarev:5.2 = 9mmMakarov:5.2 となります。
※ KOPF=弾丸重量(gr)×弾速(fps)×口径(inch)÷7000 によって求められます。
つまり、1940年代後半 Makarov拳銃・弾薬の開発コンセプト
”TokarevTT33 同等の対人威力を持った口径9mm クラス ローコスト拳銃”
を見事に実現しております。
ローコストを実現する為に Makarov9mm MP拳銃は SIMPLE IS VEST → ロッキングメカを省いた構造とした事は
周知でありますね。
Makarov弾は見た目の通り 弾道的には不利な形状で存速低下率も大きく遠射には向きません。
サブマシンガン弾として、時には射距離100〜150Mの使用も考慮する9mmPara や7.62Tokarev弾とは性格が異なります。
Makarov弾は、アサルトライフルの雄 AK47の開発配備が始まりサブマシンガンという機種を捨てる時代に、
サイドアーム専用拳銃弾として開発されたものです。
近年 対防弾ベストへの威力不足から Makarov改良弾(威力向上弾)が開発されている事は時代の趨勢でありましょう。
又、西側の主要拳銃弾である9mmPara(弾丸径Φ9.04)に対し Makarov弾径が約Φ9.3 である理由は、
万が一敵側に弾薬鹵獲された場合の使用を防ぐ為と言われておりますが、それは視野の狭い結果評論であります。
Makarov弾の薬莢寸法に注視すれば(特にペースやリム廻り)は 9mmParaとほぼ同一であります。
これは 弾薬の開発時間の節約 及び製造ローコストを狙い 9mmPara薬莢を基にテーパーを廃止
ストレート薬莢とした事によります。 且つ 発射薬の減量による薬莢短縮化。
すると 薬莢マウス径=弾丸径 約Φ9.3 の 9mmMakarov弾薬となります。
実際に米国では昔のMakarov弾入手難の時代 9mmPara薬莢からカッティング製作していた好き物もいた様です。
尚、小生 実銃 Makarov9mm MP拳銃も射撃した経験がありますが、紙製50発入り弾薬箱に はっきり"V10 315M"と
表記されいるのが印象的でした。
つまり 想定戦闘射距離10m その時の初速315Mだよ。 と言っておるわけです。
以上 私事を含め長文失礼しました。
軌跡の発動機?誉
- なるほど。
サイドアーム拳銃弾であれば必要十分な威力が
あるが軍用拳銃弾としては少し物足りないといった
ところですね。
わざわざ、丁寧なご説明ありがとうございました。
るる
- >2.るる さんへ
3種類とも 軍用拳銃弾です。
私の「サイドアーム拳銃弾」とい表現が今回の質問には適切ではなかった様です。
・9mmMakarov 弾は、Defensive 護身用途拳銃弾。
精々10〜20M内外の射距離を想定。
つまり Makarov9mm MP拳銃は至近距離護身用拳銃です。
・9mmPara や7.62Tokarev 弾は、Ofensive 攻撃用途拳銃弾。
射距離50M以上〜150M程度の射距離も可。 攻撃用途サブマシンガンにも利用可。
150Mの距離では命中精度は保証出来ませんが、殺傷威力を保持。
という事を理解して下さい。
蛇足ながら、45ACPは、Defensive 護身用途に近いものです。
〜?誉
- そうだったんですか。
とても勉強になりました。
わざわざありがとうございました。
重ね重ねお礼申し上げます。
るる