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ガン関係の書物を読むと刑事が私服の内側に隠し持つ便宜を考えてSW−M36チーフスは2インチの銃身と5連発になったと書かれていますが 仮に3とか1インチの長さや、6とか4連発では使いづらいのでしょうか。 コルトのデテクテイブは2インチで6連発ですが、M36の方が大ヒット商品と思うのでSWの考えが正しかつたのですか。 リボルバーキッド |
- 両者は開発時期がだいぶ異なります。古いほうはコルト・ディテクティブで、1927年にファースト・イシューが世に出ています。パイソン・アクションで、松葉バネ使用。
いっぽうS&Wチーフスは、約四半世紀あとの第二次大戦後、1950年に国際警察署長協会(International Association of the Chiefs of Police)の大会で発表されたもので、それまでのIフレームを少し大型のJフレームに変えたリボルバーとして登場しました。
Iフレームはおもに.32口径用で、.38口径用もありましたが、.38スペシャルの半分のパワーしかない薬莢の短い.38S&W弾を撃つものでした。非力ゆえ大戦後には需要がなくなり、代わりに新しいJフレームの.38スペシャル口径ディフェンス用5連発のM36が造られたのでした。コルトと異なるスムースなトリガー・アクションで、シリンダー径はディテクティブより3.5mm細く、重量は約100g軽く、コイル・バネ使用です。
銃身長や装弾数は、双方とも使いがっての問題とはべつに使用者に選択肢を提供したのでしょう。
Jウォ〜ク
- 3インチの銃身を持つリボルバーはないのか?
という質問も含まれているようですが、
M36にも3インチタイプはありますし、
他のリボルバーにも多数存在します。
2インチより発射時の跳ね上りが抑えられ
4インチより携帯に便利として人気があるようです。
1インチ銃身は聞いたことがありません。
実射した人の話では、2インチでも相当にぎりぎりのようです。
砲身
- ノースアメリカン……というか、フリーダム・アームスのミニ・リボルバーで、.22WMRの4連というのがあったように記憶してます。
“ノースアメリカン・ミニリボルバー”の商品名で、ハドソンからプラと金属で.22LRの5連が出てたと記憶していますが(廃業か……金型引き継いで出してくれるメーカー無いかナァ)、この.22LRの方は2in弱のバレル長だった様に思います。
まあ、これは極端な例としても、あまり装弾数が少ないとシリンダー回転がシビアになりそうな気がします。
例えば6連発なら360÷6で、DAなりSAなりで1発ごとに60度(1/6回転)、5連発なら360÷5の72度(1/5回転)、4連発なら360÷4の90度!
装弾数が少なくなるほど大きくシリンダーを回さねばならないですから……小型のフレームであれば、それだけ長いシリンダーハンドのストローク(と言っていいのか?)を確保できるかどうか?
3in銃身としては、例えばS&WのM10等、Kフレームに.38or.357シリンダーで3inブルバレル、ラウンドバットの組合せの俗に言う“FBIスペシャル”なんてのが有名です。ディテクティブの後期にも確か3inが存在しました。
杉村徹
- 諸氏の回答に補足します。
M36を初め J -FRAMEリボルバーは1950年発売以来 現在も年間数万丁生産され 総生産数100万丁を超える
大ヒット商品ではありますが、当初は色々なトライ&エラーもありますので >SWの考えが正しかった と言うより
”市場要求により成る様になった。行き着いた。” と言えるでしょう。
M36は 当時S&W社長のC.R.HELLSTORM (スゥエーデン生まれの経営コンサルタント)の開発指示により、
まず .38SPL弾、外形サイズ、銃重量の3要素が決められ、その結果 5連発のフレーム("J -FRAME") になりました。
又、フレーム小型化の為にハンマースプリングには、従来の板ばねを辞め コイルばねを採用しました。
以下 M36のトライ&エラー 四方山話。
バレル長さ・・・・トライ&エラー
1950年10月の発表にて警察関係者より好評を得、12月に量産スタートしましたが、
実はその警察関係よりの注文による量産ファーストロットは 3インチバレルです。
10月の発表から僅か2ヵ月後に3インチバレルを生産出来るという事は、金型や加工治具は
事前準備していなければ不可能な事です。
つまり S&W社は当初より2、3インチ両方を準備していたわけです。
3インチを指示された理由は、警察関係においては 狙って撃つ意識が高く、短い2インチバレルには懐疑的だった様です。
〔後年 M36 3インチバレルにアジャスタブルリアサイト付きの物(俗称ターゲットモデル)が 限定生産され
ニューヨーク州ポリスに納入されている事実もあります。〕
又、従来の既存・各社2インチリボルバーのデメリットとして、バレルが短い=エジェクターロッドも短くなり、
薬莢排出の操作スムーズさが劣るという点も懸念されております。
しかしながら ”護身用として至近距離で目検討で打つもの” と割り切れば短い銃身でも良く、
デテクティブより半周り小型軽量なM36は次第に2インチバレルが市場人気を得る事となりました。
軽量化・・・・トライ&エラー
現在でも軽量タイプのアルミフレームM37エアウェイトは有名ではありますが、 1957年にシリンダー(弾倉)も
アルミ化したものを約3800丁小量生産し販売しました。
アルミ弾倉では.38SPL通常弾ならなんとか持ったのでしようが、.38SPL+(少々ホットロード)弾では強度問題が出たのでしょう。
現在にてもS&W社では このアルミ弾倉チーフスの市場回収に努めております。
(確か 空軍用ミリポリにもアルミ弾倉タイプが生産されています。そっちも回収?)
近年では 軽量マグナムスナブノーズ銃として .357MAG弾用チタン弾倉も現れていますね。
口径・・・・トライ&エラー
I -FRAME 銃の .38S&W(俗称.38レギュラー)弾のやや非力なものより、J -FRAMEで対人威力に勝る.38SPL弾に変更したわけですが、
J -FRAMEに換えても .38S&W弾タイプ M32 も1960年より14年間生産されています。
又、もっと非力な J -FRAME .22LR口径(俗称キットガン)も生産販売されている事は周知であります。
逆に 近年上記の通りマグナム口径も出して来ました。
まとめ
M36だけではないですが、伝統ある大メーカーも現在進行形で試行錯誤しておるわけです。
(というか、市場の我が侭・ユーザーニーズに迎合し続ける)
以上 長文失礼しました。
軌跡の発動機?誉
- 詳しい方々に説明して頂き勉強になりました。 ありがとうございます。
リボルバーキッド