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コリブリ2.7mm拳銃って弾もかなり小さいようですが、これで本当に人は殺せたんでしょうか? ゆんかー |
- 常識的にはまず不可能なはずです。
銅金義一著『銃器の科学』によれば人馬殺傷には、諸説あるもののほぼ10kg/mのエネルギーが必要で、自身が銃を設計する場合はその2倍を目安にする旨記述されており、25ACPがほぼこの10kg/mの初活力です。
以下記憶モードで失礼しますが、コリブリの場合確か2kg/もなかったと思います。
これで人を殺すなどということは、眼球を射貫して脳漿を損傷せしめるなどのレアケースでしか起こりえないと思います。
古い月刊GUNに初活力の記述があったかと記憶しますが本の数が多すぎてみつかりません。
コリブリの実際の初活力についてフォローをお願いいたします。
退役老少佐
- wikiによれば
弾丸の重量は0.2グラム、銃口初速が198m/sだそうで。
これを元に計算すると約0.4(m^2/kg)、ジュール換算だと3.9J。
数値、計算が間違ってなければちょっと前報道された違法改造のガスガンのほうが威力ありますね。
元法学部生
- 眉間あたりならゼロ距離で撃っても死なないんでしょうね多分
alphabette
- ということは人を殺すのに最低ラインの銃ってなると、(僕が古い銃しか名前をあまり知らないのでこんなたとえですが、)コルト・ベスト・ポケットあたりになるんですかねぇ…
ゆんかー
- 質問者の方へ>
おっしゃる通り最低限度かつ銃口初活力においてということですね。
25ACPがもてはやされたのは、20世紀初頭、第一次大戦前の世情不穏な時代です。
コルト以外でも、ベスト ポケットなる種類の拳銃は、欧州人が帯刀をやめステッキなどを護身用具とした時期、軽くそれよりは強力な護身具として殺すかもしれないが必ずしもそうなるとは限らない程度の武器として威力が設定されているように思います。
ある程度確実な殺傷を考慮するなら22LRあたりで、銅金少将の記述どおり20kg/m程度の初活力は必要ではないで八しょうか?
古い銃器雑誌の記述に、アメリカで泥酔した男が翌朝、頭があまりに痛いので医者に行ったら頭皮と頭蓋骨の間から25ACPの弾頭が6個も出てきたという話がありました。
真偽はともかく欧州と違い米国での25ACP弾の評価の一端を表す話ではないでしょうか?
退役老少佐
- "KOLIBRI"は オーストリーの腕時計会社・職人が、そのクラフトマンシップに基づき製作した
ストレートブローバック方式 超小型自動装填式拳銃(Miniatur Selbstlade Pistole)です。
当時の販売広告には以下の謳い文句が自信たっぷりに書かれています。
【 画像掲示板2に貼り付けました。】
『小型軽量で携帯性に優れ チョッキのポケットに入れて持ち歩いても目立たない護身用拳銃です。
その弾丸は 小口径ながら無煙火薬・ジャケット弾(被甲弾)により注目すべき貫通力を持ちます。
この小型拳銃は機械加工にてパーフェクトに製造されております.
シグナルピン(安全装置用指示ピン?)を備えており、左利きの方にも良好な操作性をお約束致します。』
対し後年の評価・・・・・
小型過ぎる弾薬に起因する装填不良の頻発。 用心鉄不備(引き金露出)により 携帯中の暴発による持ち主自身の怪我。
弾が何処へ飛んで行くか解らないので室内プリンキングにも適さない。
等であります。
貫通力に関しては 実際に1インチ厚近い松板を1〜2枚ぶち抜くようですので、顔前の様な極至近距離では
人間の頭蓋骨を貫通する事も有りえる程度でしょう。
(ハッチャーの松板貫通経験式に弾丸エネルギー&断面積を代入し計算しても その通りの結果が出ました。)
以上 蛇足でした。
軌跡の発動機?誉
- >貫通力に関しては 実際に1インチ厚近い松板を1〜2枚ぶち抜くようです
ごく至近距離においては、アイスピックを振り回すくらいの殺傷力はあると考えていいのでしょうか?
(頚動脈等に当たれば致命傷?)
通りすがry
- 弾頭に毒薬仕込めれば怖い人たちのお仕事ツールとして成り立つかも?発砲音がまずいレベルだと魔改造ガスガンのほうが使えると思いますが…4ジュールならスプリング代えれば電動ガンでもいけるかな?
Alphabette
- 少し話題からずれますが、名誉回復の為の決闘に用いられる銃は殺傷能力を抑えてある場合もあるのでしょうか?
>6の謳い文句をみると、お題の銃は決闘用ではないようですが。
太助
- >7.通りすがry さん
刺傷や刀創と 銃創の違いを勉強してみて下さい。
>9.太助 さん
決闘用銃器= ”DUELL GUN” をキーワードに検索してみて下さい。
1例 WIKI 英語版
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Duelling_pistol
200年以上前のお話ですが、殺傷力は抑えてあるどころか
かなり致死性威力を持っていたと書かれていますよ。
〜?誉
- >10 軌跡の発動機?誉さん
回答ありがとうございます。
紹介頂いたHPを参照しましたが、確かに決闘用ピストルは、
・弾がでかい
・初速が速い
と記載されています。
そして、なるほどと納得したのが
・ライフリングがない
との記述です。
「大威力だけど当たらない」のならば、双方が一発ずつ打ち合って(そして命中しなくても)、名誉の回復を宣言できますね。
あくまでも紳士的な英国での話だとおもいますが。
>ゆんかーさん
全然関係ない話題を振ってしまってごめんなさい。
それにしても、回転するorしないという話題がここのところ続いてますね!
太助
- 補足ですが、コリブリ拳銃もライフリング加工がなされていなかったようですね(銃が小さ過ぎた為できなかった)。
上で小生が話題に挙げた決闘用拳銃は『命中させないため』に、わざとライフリング加工を施さなかったわけですが、理由は違えど構造とその効果(命中しない)はコリブリ拳銃にもあてはまります。
よってコリブリ拳銃に対する評価は、上で諸氏が計算されたように、
1)エネルギー不足により、命中しても致命傷とはなり得ない可能性大
に加えて
2)命中が期待できない
つまりは殺傷用としては『使えない拳銃』という結論になるかと思います。
駄文失礼しました。
太助
- >12
決闘用ピストル
ライフル式銃身が広く普及しはじめるのは19世紀中葉からです。丁寧に作られ装飾が施されている点を除けば、当時の騎兵用ピストルなどとあまり違いはないように見えます。
また、命中した場合の死亡率は、体内で変形・飛散しやすい鉛の丸弾と、低レベルの医療(特に消毒)技術のため、現代の銃弾による銃創よりも高かったと思われます。
カンタニャック
- >10 軌跡の発動機?誉さま
ええと、弾が変形/横転したり、瞬間空洞が発生することも考慮にいれるべきなのでしょうか?
私はてっきりコリブリくらい小さい弾だと、変形/横転/瞬間空洞等による影響はあまり無いと思ってしまいました。
アイスピックなんかと単純比較すべきではないようですね…。ありがとうございました。
ところで、キツツキ等の小さい鳥を狩る場合は、直径2〜3mm程度の散弾を使うこともあるようですね。
初速が1200fps近い上に弾数も標的も違いますのでコリブリと比較していいものかどうかとは思いますが。
通りすがry