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拳銃の射撃距離について質問します。小銃では射撃距離に応じて銃の上下の向きを変えるため(距離が長いほど銃口をより上向きにする)照門を上下に調整できるようになっていると理解しています。 しかし、拳銃は一部のものを除いて照門は固定のようです。ということは、拳銃は射撃距離を何メートルと設定した上で設計、製造を行っていると思われます。では、それは何メートルなのでしょうか。 二一斎 |
- FN HP(ブローニング/FNハイパワー)を例に取ると、最初期のモデルは50m〜500or1,000mまで対応したタンジェント式リアサイトを備えていましたが、9mmパラベラム弾の性能では数百mの距離を設定しても意味がないとして、後に50mに設定した固定リアサイトに変更されています。
基本的には、拳銃の固定式リアサイトの設定射撃距離はその拳銃が使用する弾薬の性能やメーカーの想定等を基に決められるものといえますが、概ね数十m程度で、100m以上に設定されている製品は極めて少ないと思います(個別の詳細な事例は資料不足のため略)
ブラック・タロン
- 昔、眼の良かった馬賊王(日本人だったが名前を失念)は、1,000〜1,200m先の相手に向かって上方30°位に向けてマウザー7.65mmのブルームハンドルを目見当で撃ち、相手の足もとに砂煙をあげることができた、というハナシ(まぁ伝説に近いでしょうが)は聞いたことがありますね。
かのブルームハンドルって、中国軍閥・馬賊の定番でしたが、タンジェントサイトで物凄く射程があるように見せたのは商売上のハッタリだった、とも聞いています。
GUN紙の昔の特集では、実用域ではせいぜい20m以下、FBI等では数m以下が実際の使用距離で、腕前は距離より早抜きと確実な激発。このためリボルバーの方が重用されるとのこと。ポリス・コンバット競技(=実戦ではない)でも通常の競技最大射程が50ヤード。プローン(寝撃ち)で100ヤードを命中させる(競技で)ひとがグランドマスター級、という具合のようです。
チャチャ入れ
- 軍・公用の銃なら ほとんどの場合に於いて、その運用状況を鑑み、仕様書・スペックにて
その銃の命中精度/射距離を 規定されます。 それに基づいて 照準部分も製造−調整されます。
下記、例を示します。
米軍・・・・・45AUTO 及び 38REVOLVER軍用 共に= 規定射距離15yd。
・・・・・M9(M92F)= 同 50m。
ヨーロッパ各種軍用大型ピストル・・・・・・・= 同 25m〜 50m。
帝国陸軍・・・・・拳銃一般= 同 50m。
コマーシャル品として・・・・・S&W社 スナブノーズ 2in銃身REVOLVER 一般= 同 10yd。
まとめ。
低伸弾道性の良い 9mm parabellum弾を使用するヨーロッパ生まれの軍用大型ピストルの多くは、
その想定射距離を数十mとしております。
対し、アメリカ製の銃は(ハンドガンの運用は)、比較的至近距離を想定していると言えます。
米国や極東某国を始め ガンマニア向けの色々な雑誌の雑多なハンドガンの実射レポートを見る時、
これらの背景を踏まえて 今後は記事内容を読み取りましょう。
軌跡の発動機?誉
- 皆様、ご教授有難うございます。大変参考になりました。しかし、米軍の銃は射撃距離が短いのですね。
二一斎