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「九七式欧文印字機」についてお教えください。以下に類似品の写真があるのですが、かなり複雑な構造でして本当に解読されたのでしょうか。使用法が解らないのですが、電信線に直接接続して使用したのでしょうか。運用の実態についてご指導ください。 海軍技術研究所が開発した、九七式欧文印字機(パープル)は完全なものがないのですが、これより複雑な類似の九七式印字機(ジェイド)の写真を見ることができます。パープルやコーラルはアルファベット26文字を暗号化するが、ジェイドはカナ48文字+記号2文字を暗号化することが出来ます。 九七式印字機(Jade) http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/40/JADE.jpg 入出力機と接続(ジェイド) http://cache-media.britannica.com//eb-media/20/58720-004-E461851E.jpg よろしくお願いいたします。 アフガン君 |
- 情報関係機器なので兵器ではないのでしょうか、情報戦争などと言いますので暗号機も兵器だと思ったのですが。インターネットでも同様だと思うのですが、ご指導のほどよろしくお願いいたします。
アフガン君
- 九七式欧文印字機の使い方は、『陸軍兵器構造要領通信機材九七式印字機(昭和12年10月陸軍技術本部作成)』によると、
「両通信所にて一致したる鍵文字を四個の鍵輪に装定し、通信文に従い順次各文字の打鍵を押せば、印字機によって相当する暗号文または原文を印字し得る」とありますから、回線に繋いで使うモノではありません。
暗号の解読云々についてはwikiのパープル暗号を参照すると良いかもしれません。
伸
- >2 間違えていた。
「九七式欧文印字機」→「九七式印字機」でした。
失礼。
伸
- 九七式印字機(Jade)の運用のご指導有難うございました。
ご指導の通り九七式欧文印字機ではアルファベットでの暗号化でしたので、原文を入力してアルファベットの暗号に変換して出力したと思われます。その後、自分で調べてみたのですが、電信会社の普通の国際電報で暗号を送っていた様です。その為、配達の遅れなど有ったようです。電信線には繋がっていなかったようです。
調べてみますと電動タイプライターは黒澤商店製のスミスの改造品と有りますが、情報の信頼性がはっきりしません。当時、アメリカ製ではIBMなどの電動タイプライターが販売されています。
似たようなものとしては、
黒澤商店製造 国産印刷電信機(テープ式) キーボード入力
http://pagesperso-orange.fr/kurosawa/tpj1.jpg
印刷電信受信機
http://pagesperso-orange.fr/kurosawa/isdsk1.jpg
黒澤商店Web 電信機器テレタイプは下のほうにあります。
http://pagesperso-orange.fr/kurosawa/ginza.html
IBM電動タイプライター
http://www.officemuseum.com/IMagesWWW/1933_IBM_Ekectromatic_OM.JPG
Office Typewriters Web
http://www.officemuseum.com/typewriters_office_models.htm
入出力装置ははっきりしません。
暗号機の入りと出にIBMのような電動タイプライターを付ければいいと思うのですが、初めの写真から少し違うようです。
この辺もご指導お願いいたします。
暗号化はステッピングリレーでの暗号化の様です。
戦後もステップ制御などでステッピングリレーが使われているのを見たことがあります。電磁石のオン・オフでラッチ機構のある歯車を進めて、ワイパーで接点を切り替えていくものです。大昔の話ですが。
九七式印字機も、九七式欧文印字機も文字数が違うだけで同じ原理の暗号機のようです。自動化により暗号機のブラックボックス化を狙ったものでしょう。音が五月蝿いので制御機器は解ると思いますが、作動中に見せなければ中の写真でも撮られない限り解らないような気もします。
理論的な解読よりも諜報の成果のような気もするのですが。
アフガン君
- 九七式印字機の実物写真を見たいのでしたらアジ歴の『通信器材九七式印字機仮制式制定の件(リファレンスコード:C01005527000)』を参照する事をお薦めします。
仮制定を伝える文書と共に、私が上述した“陸軍兵器構造要領通信機材九七式印字機”が添付資料としてあります。その中に写真で九七式印字機の説明をしてありますので、見てみると良いでしょう。
入出力部分が今売っているタイプライタに極めて似ている構造である事が判ると思います。
伸
- いやー、タイプライターですね。
残念ですが、陸軍の九七式印字機(ローター)と海軍の九七式印字機一型、九七式印字機ニ型、九七式印字機三型(ロータリーラインスイッチ)とは異なるもののようです。九七式欧文印字機(ロータリーラインスイッチ)は海軍の構造で欧文を扱うもので違います。同じ様に電動タイプライターが付いていたのでしょう。
大変参考になりました。
アフガン君
- その後、調べたこと。
本物の九七式欧文印字機の3台のステッピングリレーをギアー軸でリンクさせた部品が載っていました。
九七式欧文印字機の部品(ワイパーなど回転部の取れたステッピングリレー、ステップ数・ワイパーの数などが解る。)
http://jproc.ca/crypto/purple3.jpg
(PURPLE Web)
http://jproc.ca/crypto/purple.html
ステッピングはワイパーが7個×3=21
ステップも26で入力信号のアルファベットをステップに割り振って21個記憶できるので、母音のAIUEOを他のステッピングに割りつけると入力情報の記憶が初段のステッピングラインで行われているように思われます。
機械式の処理のため入力データーの保持は機械式で保持されたように思われるのですがいかがでしょうか。
これですと機構は簡単になります。そんなことは、ないと思いますが。
機械的にリンクされた3個のステッピングリレー
http://jya.com/purple.jpg
http://jya.com/nsa-rowlett.htm
詳しくないのでご指導お願いします。
アフガン君
- 蛇足ですが。
1)解読情報は多い。
2)機密度は低い外交用にしては、写真が残っていないのはGHQによる接収を考えると不思議である。ドイツの戦時の日本大使館のステッピングリレーだけが写真と実物が残されている。ステッピングリレーは解読の鍵と思われるが肝心の部分だけ残って関係ないケーシングが無いなど不可思議である。
キーボードとプリンターが暗号機本体と共に写った写真がありそうに思うのですが。
公開情報からすると、理論的な解読の成果が強調され、諜報戦での内部写真からの成果はあまり書かれていないが、これ見よがしに素人には解りにくい最重要部品のステッピングリレーのセットが公開されているのは不可解です。何でテルミットなどで溶解しなかったのでしょうか?
余計な事の書き過ぎ失礼しました。
アフガン君