59 |
いつも興味深く拝見しています。火打石式の銃、特にグレネードランチャーについて、良い資料があれば教えていただけないでしょうか。 0410 |
- ◆◆自己補足◆◆
(こちらの掲示板と趣旨が違っていたら済みません・・・消していただいて構いません)
火打石式等、先込式銃でのガンアクションを書ければと思っています。
1).ヨーロッパでは、専用のグレネードランチャーもあったようですが、どの様なシロモノだったのでしょうか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Mortiers-p1000558.jpg
-弾丸の材質(陶器だと発射時に割れてしまいそうな)
-炸薬の種別・どんな燃え方をするか(うろ覚えですが、日本の抱え大筒で焼夷弾を使用した実験では、引火しなかった記録を見たように思えます。)
-銃の特性(臼砲?直射はできない?)
-装弾手順、弾薬の保管方法、重量etc・・・
(銃剣はつけられないでしょうが、殴打に使用して、再発砲できるでしょうか?)
詳細が掲載された資料名など、何でも構いませんのでお教えいただけると助かります。
2).↑ですが、大男の擲弾兵との関係はどうだったのでしょうか。
先のサイトでは19cの画像が出ていますが、書籍ではより古い時代からあったとのことでした。銃での発射が安定してできるなら、コストをかけて大男を集める意義そのものに関わるかと思います。
3).口薬(火蓋から入れる)と胴薬(銃口から入れる)については、それぞれどの様な成分の火薬だったのでしょうか。
別の火薬かと思っていたのですが、youtubeで見た限り、噛み切った同一の早合から、それぞれに少しづつ注いでいるように見えます。(あるいは、初めから2薬入っている?)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=Ho-QCmnNMl8
4).パーカッション以前で火薬の変化・遷移があれば、併せてお願いします。
5).先込式銃での戦闘シーンがある作品で良品をご存知でしたら、お願いします。
(可能でしたら戦列兵以外の、個人vs個人のシーンですとありがたいです。)
長文で大変失礼しました。よろしくお願いいたします。
0410
- すべてにお答えできるわけではありませんが可能な限りということで。
原質問、
ぶっちゃけ碌なのはありません。
日本ではマスケットなどの扱いが悪いうえに、火打石式擲弾銃なんて活躍していないイロモノだからです。海外でもそうないでしょうねぇ。
1、
弾丸の材質:弾丸は中空の鋳鉄製です。形状はわかりやすく言うとボンバーマンの爆弾です。
炸薬の種別:黒色火薬です。当時はそれしかありません。燃えるのではなく、爆弾の弾体をまきちらしながら爆発します。幕末の砲架式大砲の砲弾(蘭語でブラントコーゲルとかいう)で鳥かご状になって中にしょうい材を詰める焼夷弾はありましたが、それがこの類の擲弾発射機に用意されていたかはわかりません。
銃の特性:ほぼ銃身がないので反動が強く、直射しても距離が稼げないうえに導火線の時限式爆弾を発射するので直射する意味がないので、曲射専用でしょう。
装弾手順:通常のマスケットと同じでしょう。
砲身に発射薬をつめる→砲弾を挿入→点火薬を火皿へ→発射
砲弾の点火は引き金を引く前に火をつけるか発射の火炎が導火線に火をつけるかのどちらかですが、不明です。
殴打に使用して再発砲は?:まあできるんじゃないでしょうか。しないほうがいいですが。
2、フリードリヒ大王の巨人連隊ですか?
逆質問ですが、なぜ同時期の他国に、またのちの時代に同じような部隊がないのでしょうか。そう考えると答えはおのずから出るような気がします。
ぶっちゃけ巨人にしょっぱい炸裂弾発射機もたせるために大金積むならその金でウマでも買って大砲弾かせたほうが何倍もましでしょう。
3、しらべりゃわかることではあるんですが、黒色火薬は製造容易でたまに爆弾つくるアホの子がでる世の中ですのでそういうのは返答を控えさせていただきます。
4、16cまでに粒化などの技術は確立されていますので(ココまでに関しては『火気の誕生とヨーロッパの戦争』を参照)、それ以降は特に火薬自体に進化はないものとおもわれます。
5、炎の英雄シャープというナポレオン戦争期イギリス軍第95ライフル連隊の士官の活躍を描いたBBCのドラマがあります。(公式URL:http://www.tanomi.com/sharpe/)
補足:通常のマスケット銃に装着するカップ型の擲弾発射機は存在しました。コレならマスケット弾も銃剣も砲弾も使えます。
で、最初もいいましたが活躍していない武器なので(弾が破裂するから危ない、装填に時間がかかる、そのくせ導火線なのでここぞというときに爆発しない、けれども黒色火薬は摩擦でも発火する危険な物質なので大量に持ち歩くなどそれだけで自殺行為、なのに雨になった瞬間終了)、まあ個人で持つような武器ではないです。味方に援護されているが大砲が使いづらいとか、かなり限定された条件でのみ威力を発揮したりしなかったりする武器です。
紅葉饅頭
- 1である程度出ていますが、とりあえず設問3と4について補足気味に。
>3
火縄銃で用いられる口薬(点火薬)と元薬(発射薬)はどちらも黒色火薬ですが、火薬の粒の大きさに違いがあり、口薬は点火しやすいよう粉状のものを使用します。携行も基本的には口薬と元薬を別々の容器に入れています。
>4
少なくとも10世紀の頃には中国において存在し、以来19世紀にニトログリセリンやニトロセルロース等の硝酸エステル系爆薬(およびそれらをベースにした無煙火薬)が登場するまで、人類が使うことができた唯一の火薬は黒色火薬だけでした。黒色火薬とニトログリセリン等の間に存在した火薬としては、18世紀にフランスで考案されたベルトレ火薬と、19世紀にドイツで発明された褐色火薬がありますが、どれも黒色火薬の構成要素を弄っただけの代物で、前者は性質が爆薬に近く危険、後者は発射薬としてはまずまずだったものの充分とは評価されず、どちらも過渡期の存在として消えていきました。
ブラック・タロン
- 情報ありがとうございました
資料は無いですか。残念です。
補足--巨人連隊は、フリードリヒ・ヴィルヘルム1世ですね。間違えて覚えている方がたまにいらっしゃるので、念の為。
0410
- たしかにフリードリヒ・ヴィルヘルム1世でした。
訂正感謝いたします。
紅葉饅頭