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Ans.Q復活、慶賀の至りです。 砲身命数、という場合の命数は「寿“命”とされるところの発射回“数”」の略語と解釈しておりますが、これで問題ないものでしょうか。 あるいは別の語源があったりしますでしょうか。 satoski |
- 回答が集まらないようなので、若輩ながら少々コメントを投稿させて頂きます。
まず「命数」ですが、略語ではなく、そういった日本語が存在します。意味は「寿命」と似たようなものですが、ニュアンスが若干異なるので「砲身寿命」と呼ばれずに「砲身命数」と呼ばれるようになったのでしょう。
ちなみに砲身命数××発という記述がありますが、これもあくまで目安であり、装薬の量や弾種によって変わってきます。時代や用途によっても砲身命数の定義は変わってくるはずです。昔の大砲は初速の低下率で命数の決定がされていたようですし、小銃では命中率、現代では非破壊試験検査なんかで命数判定がされているのかもしれませんね。
要は「寿命」は人間が決めるには恐れ多いが、「命数」は人間が判断できる領域、といったところしょうか?
異論もあるでしょうが所感です。
駄文失礼しました。
太助
- 質問になってしまいますが、「砲身寿命」は Barrel Life から来ていると考えていいと思えますが、「砲身命数」に対応する英語(あるいはその他のヨーロッパ諸語)のイディオムはあるのでしょうか?
それがわかれば、質問者の疑問への一つの回答になると思うのですが、私の語学力では歯が立ちません。
カンタニャック
- なんでしょう、
・Lifespan of Barrel:砲身命数
・Span of Life:命数
あたりでしょうか。もっと難しい単語が含まれていた気もしますが。
太助
- 命数という日本語があったのですか……。
勉強不足で恥ずかしいです。
色々ご回答頂きありがとうございました。
参考になります!
satoski
- 概ね satoski さんの考え方 >Q.砲身命数は「寿“命”とされるところの発射回“数”」でよいと思います。
極東某国の自衛戦争プロ集団では、自職場内での火砲用語をちゃんとNDS定義しています。
・砲身命数(barrel life):発射弾数で表した砲身寿命のこと。
・砲身寿命(service life of gun barrel) :砲身の使用可能限界のことであり、
エロージョン寿命と疲労寿命のいずれか短い方。
・エロージョン寿命(erosion life of gun barrel):発射繰り返しによる砲身内面エロージョンの増大によって、
発射弾丸の性能が低下し基本的要求を満足しなくなる限界。
・疲労寿命(fatigue life of cannon):発射腔圧などの繰り返しによって生じる疲労破壊を想定して設定した、
砲身,閉鎖機などの使用可能限界。
ところで、現在 一般国語辞書で調べると 命数=寿命・・・命の長さ ということになっていますが、
”命数”という言葉が古文書で確認できるのは 1620年代(徳川家光時代)の書物以降からの様です。
〔某出版社 日本語大辞典(そんな名前の本だったと思う)より〕
日本で鉄砲・大砲が広く実戦に使用され、戦国時代が収拾・平定された直後の時代です。
鉄砲・大砲の出現と命数という言葉は関係があるのかもしれませんね。
軌跡の発動機?誉
- > 皆様
こちらも確認致しました。
ありがとうございます。
一般の日本語としては、命数=寿命(命の長さ、あるいは天が与えた命の長さ)でいいようです。かえって混乱させるような事をいい申し訳ございませんでした。
蛇足になりますが、建築関係では「耐用年数」のことを「耐用命数」ともいうそうです。この場合の単位は「発」ではなく「年」などの時間単位になります。
カンタニャック