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先日ストライク&タクティカルマガジン別冊「日本陸軍の戦車」いう本を読みまして、気になった記述があるので質問させていただきます。 1.統制型ディーゼル発動機が技術交換品としてドイツに送り出された、と記されていましたが、「機甲入門(光人社)」では、独ソ戦勃発の影響で渡らなかったとあります。 両著とも信頼に足る本だと思っているのですが、こうも違うと迷ってしまいます。 どちらが正しいのでしょうか? 2.1924〜25年に帝国陸軍の兵器購買団がアメリカでW・クリスティーから彼の発明した戦車の売り込みを受け、デモ走行まで見た、とありました。 購買団はクリスティーの、どのモデルの売り込みを受けたのでしょうか? また評価等はいかがな物だったのでしょうか? (年代から考えて当然クリスティー式サスペンション搭載のM1928ではないでしょうが、気になります) どうぞ、よろしくお願いいたします。 トゥルビーネ |
- 2.について
「護謨輪帯を使用する以上道路上の運行は勿論容易にして速度をも出し得べく路外運動は車輪を以てしては困難なるを以て無限軌道を装するものなり。
クリスチー氏の着意は車輪の上に軌道を装するにありて路上行進に於ては軌道を脱し路外に入らんとするとき再び装着するものなり。
吾人の長期の試験結果によればクリスチー氏の考案はある機械的の困難存するものにして従って実用に供し難し。この問題だに完全に解決せらるれば十分価値あるものとなり得べし。」
(大正15年4月29日「クリスチー戦車の件報告」在米技術駐在官砲兵少佐 小柳津正蔵 )
BUN
- こんなに早く、しかも詳細な回答頂けるなんて! 感激です。
この件に関して記してある書籍は今まで読んだことがなかったので半信半疑だったのですが、やはり本当だっとは!(ぉぃ)
購買団はクリスティー戦車の高速性能は評価しつつも、実用性においては疑問があったと言うことなのですね。
しかもちゃんと長期試験をしていたとか(てっきり無名の発明家なのであまり相手にしなかったのでは? と勝手にイメージしてました)、すでにゴム製履帯があったとか……いろいろ驚きです。
大変勉強になりました。ありがとうございました。
トゥルビーネ
- 「護謨製輪帯」というのはゴムタイヤのことだと思いますよ。
BUN
- うあぁぁ「履」帯じゃなくて「輪」帯ですね。ですよねー。
後半で無限軌道と出るから普通に読めば、違うと気がつきそうなものを……ナニヤッテンダカ
ご指摘ありがとうございます。(^^;
トゥルビーネ
- >すでにゴム製履帯があったとか
ゴム製履帯自体は古いですよ。
http://en.wikipedia.org/wiki/K%C3%A9gresse_track
片
- 片様、補足ありがとうございます。
ゴム製履帯というのは、案外と古くからあるんですね。
にしても誘導先のwikiの写真は良いですね。
こんなイカr……イカした乗り物があったとは!
感謝です。
トゥルビーネ
- 大正12年に陸軍技術本部がシトロエンのゴム製履帯装備のハーフトラックの購入契約を結んでいます。
この情報は誇大に伝えられ「数百台購入して国産化すると言われているが本当か」との駐仏武官から日本への問合せ電報が残っています。
BUN
- なるほど、このころから各社ゴム製履帯を開発しているんですね。
自分の読み間違いから、新たな知識が得られるとは……自分でも調べてみます。
ありがとうございました。
トゥルビーネ