85 |
各国の戦車を比較する為に様々なデータを集めています。 wiki等によると、戦車の強さを計る指標は、火力、防護、機動性という 3要素が重要だという事ですが、合計100点として3要素にそれぞれ割り振る とすれば、どの程度になるでしょうか? 勿論、各国が戦車開発に於いて其々違ったアプローチで開発しているのは 重々承知の上ですが、各国の戦車を見るに当り、ある一定の共通の概念があると思います。 また、さらに別の要素、例えばC4Iなど戦略機動性を持つ要素もあると思います。 こういった要素があれば、教えて頂けますと幸いです。 以上、宜しくお願いします。 Oplot |
- 例え話として、「スピード出せるが燃費が高い車」と「スピード出せないが燃費が安い車」があるとして、スピードと燃費という二つの要素からなる得点評価をすることに、どの程度の意味があるのでしょうか?
各々の車で機能、主なユーザー、使用目的に違いがあるのにもかかわらず、皆が納得する統一的な得点評価って出せるのでしょうか?
アリエフ
- 回答ありがとう御座います。
先の回答についてですが、戦車に関しては各国の戦車の主な仕様、形状、目的はほぼ同一を志向している為、比較は可能であると推察されますが如何でしょうか?
また、車の話に例えられて、質問そのものについて意味がないと申されていますが、
そういった回答のあり方については如何なものかと思います。
Oplot
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E8%BB%8A
上記サイトから引用
戦車(せんしゃ)は装甲戦闘車輌の一種である。履帯で走行し、火砲を搭載した旋回砲塔を持ち、なおかつ強固な装甲を持つ、
「「攻撃力・機動力・防御力の能力バランスに優れた兵器である。」」
との事ですので割り振りは各1/3になると思います。
ぐすたふ
- >3 ま、そのような解釈もありえますね。
>2 例えば、ロシア軍はMBTにシュノーケルを利用しての渡渉能力を求めますが、イスラエルのメルカバはそのような要求に対応しているのでしょうか?逆にイスラエル軍であれば、ロシア軍が求めるような渡渉能力は不要ということでしょう。例え、メルカバが渡渉能力以外の要素では満点がつくとしても、ロシア軍としてはこのような戦車を購入するのは躊躇するでしょう。
米軍がガスタービンエンジンのM1を使用しているのも、ディーゼルに比べて燃費が悪いという問題点をカバーできるだけの、燃料補給体制・能力を備えているからであって、そのような体制・能力に欠ける国にとっては問題が生じることになります。
特定の国、すなわちユーザーが、その実情、戦術に適合した戦車等の兵器を選択するに当たり、購入費用も含む多種の要素からなる得点評価を行なうことは可能でしょう。しかし、事情が異なる個々の国を通してユーザーとしての統一的な得点評価をすることは非常に困難だし、あまり意味がないということです。
まあ、テレビゲームの延長として、ミリオタがスペックデータに基づくMBTの強さ比べをする上では、火力、防護、機動性にそれぞれ何点といった得点評価をするのは意味があるのかもしれませんが・・
アリエフ
- ぐすたふ 様
回答ありがとう御座います。
各1/3で御座いますね、確かに戦車というのは火力と防護性能だけでは
成し得ません。機動力を持ってはじめて戦車と言えると思います。
質問しっぱなしでは駄目かと思いましたので過去ログを探してみれば、
某S氏は火力と防護、索敵能力という主に3項を挙げられていました。
http://www.warbirds.jp/ansq/3/C2000578.html
これは自分の知識が足りない為に理解に遠く及びませんが、
機動性については重視していない様な印象を受けました。
>4
回答ありがとう御座います。
例えの話でご説明頂きましたが、自分の理解力が足りないのか要領を得ません。
度々の回答をお願いして申し訳ありませんが、要点を纏めてご説明頂けないでしょうか?
Oplot
- Oplotさん
要するに無理に100点満点の評価しようとする事に最初から無理が有るのでは?
貴方は3つの要素で限定しながらも他の要素も有れば教えて欲しいと言いますけど、言いだせばきりが無いと思いますが?
SC
- >5 纏めてですか・・まず、「戦車に関しては各国の戦車の主な仕様、形状、目的はほぼ同一を志向している」という貴方様の推察に関して、各国の主要想定戦場、戦術・戦略の違いといった要素を無視した上でそのような推察を行なうことが、どの程度の妥当性を有するのか、再検討してみることをお奨めします。
引用された過去ログの中にも、戦術・戦略と車体の性格・特徴とは密接な関係を有するという趣旨の指摘があるわけですが。
まあ、別に貴方様が再検討できなくても結構です。勝手に自分の信じるところを進めば良いわけですから。それが正しいかどうかはともかく。
アリエフ
- >1の例えがまるで自走砲と戦車を比べるような、荒唐無稽なものに思います。
お伺いしますが、各国の戦車のドクトリン、例を挙げるとM1A2SEPやT-90でどの程度の差があるのでしょうか?
また、各国で戦術や戦略の違いから、求められる戦車の性格について、どの様な差異が見られるのでしょうか?
自分は、現用戦車の持つ性格や仕様に、各国間で殆ど差異が無いと見做せると考えています。
勿論、開発国の工業水準に由来する構造の違いはあれど、ドクトリンとしての違いは見出せません。
Oplot
- >8
勿論、開発国の工業水準に由来する構造の違いはあれど、ドクトリンとしての違いは見出せません。
でしたら試しにいくつか採点した例を出してくれませんかねぇ。
要はレーダーチャートみたいなのを作って「一目でわかる!」みたいなことしたいんでしょうけど、私には新型戦車が発表されるたびに採点をやり直さなきゃならないような虚しいものにしか思えないんですが。
単なるデータベースにとどめておいた方が世の人のためには役立つと思いますが。
PT
- >8 また、例を挙げますが、米国のM1A2SEPと韓国のK1A2は、共に120mm滑腔砲搭載にもかかわらず、重量では約10tの差があります。外見的な形状は似ているにしても、重量で後者が前者の15%も下回るというのは、MBTに求める性格や仕様につき、米国と韓国との間でかなりの相違があるということではないでしょうか?
K1A2が軽量化を図っている反面、何を犠牲にしているか、そのような不利を承知の上でなぜ韓国はK1A2を採用しているのか、同盟国である米国のM1シリーズのライセンス生産をなぜ行わないのか、在韓米軍はM1を使っているのに・・その原因、事情につき、調べてみてはいかがでしょうか?
何度も申し上げますが、ご自身の推察、先入観などというものを疑ってみることです。ま、お遊びとしてのデータベース作られるのなら、そこまで拘泥する必要もありませんが。
これ以上は議論ボードで。
アリエフ
- 火力、防護、機動力のどれに重点を置くかは、開発国のおかれた地政学的な状況や技術力や経済力、またはそれぞれの時代ごとに違っています。
現在のMBTが皆なんとなく同じ様に見えるのかも知れませんが、それは元々複数の種類の戦車で分担していたものを、汎用戦車に統合した為だと思います。
それでも、たとえば狭い島国と広い平原で運用するのでは求められる機動力は違ってきます。人的資源の豊富な国と少ない国では乗員保護のために防御力は違ってきます。外征主体の軍隊に対して自国内での防衛戦のみしか想定していない軍隊では攻・防・動のバランスは偏ったものに為っている様に思えます。
さらに言えば、同じ国でも時代によって攻・防・動のどこに重点を置くかは変わってゆきます。
これは各国(英・独・露・米できれば日・スウェーデン・イスラエル等)の戦車開発の歴史を調べてみれば分かると思います。
少なくとも「ある一定の共通の概念」なるものは寡聞ににして存じません。もし御存知でしたら浅学の諸兄を代表して御教授いただきたく思います。
He113
- >10 修正、K1A2 → K1A1
アリエフ
- ある一定の共通の概念…あるとすれば「想定されるうる環境下において作戦を遂行し、主として敵戦車を撃破する」になるのでしょうか。
当然ながらどのような環境下で運用することを想定するか?撃破すべき敵戦車はどのような戦車か?によってその共通概念に適合するか否かは変わってきます。
火力一つとってみても「とにかく強力であれば敵戦車の防御力を圧倒できるのだから良い」というものではなく、強力すぎる火力は無駄でしかありません。火力をグレードダウンして機動力や防御力をより強化した方が生残性や作戦投入時の融通が良くなるかもしれません。
平坦で開けた戦車向きの地形が多いのであれば長大な射程が求められるでしょうし、日本のように山岳や森林といった戦車向きではない地形が多いのであれば射程距離を犠牲にして砲身を短くした方が「使える戦車」になるかもしれません。
装甲を上げた結果重量がかさみ、重量を支えるために車体全体が大型化して被発見率があがったり、重量故に地形を活かした運用に支障がでる(くぼ地にハルダウンしたら自力で出られなくなるとか、富士総合演習の時の陸自戦車のように土手越しの射撃をしたいが土手が重量に耐えられずに崩れるので出来ないとか)のであれば防御力としてはマイナスです。
機動力の評価となるともっと複雑です。機動力は単に速度や航続力のことだけを指すわけではありません。荒れ地の総は能力や輸送しやすさも機動力を構成する要素の一つですが、作戦中に故障しない事が何より重要です(真偽の程は未確認ですが、ソ連軍はT-34に比べ性能で劣る筈のM4シャーマンを、その故障の少なさゆえにエリート部隊に優先して配備したという話もあります)。
また、被輸送力のような広義での機動力を評価するのであれば、戦車単体ではなく軍の後方支援態勢や能力の影響がより大きな比重を占めるようになります。どれほど優秀な戦車であっても軍の後方支援部隊が支えることのできない戦車は作戦地域に投入できないので、機動力など無いも同然となるからです。
全ての性能がバランス良く高く達成できた優秀な戦車であっても、高価すぎてまとまった数を維持できないのであればやはり意味がありません。備前長船の名刀一振りより、同じお金で粗製乱造の長槍10本そろえる方が軍としては強いのです。
また、平時においては比較的安いコストで調達できても、戦時に入手困難になるレアメタル等の輸入資源を多用した戦車であれば、いざ戦争になった時に輸入が途絶して維持できなくなる可能性も出てきます。
他の方の回答にある様にどの要素であっても、どのような環境を想定するかによって求められる能力が変化しますし、同じ戦車であっても国や軍によって評価は異なってきます。
より広範囲の環境に適合することを想定して優秀な戦車を求めるならば、全世界の戦車を一様に評価する意味は出てくるかもしれません。しかし、その結果選ばれた世界一の戦車も、敵戦車が投入された戦場により適合した(あるいは特化した)戦車であれば、その戦場では勝てません。
宇宙一強くても町内一には勝てないのです。
高精度で射程も威力も強力なボルトアクションライフルが活躍できる戦場と射程距離も1発あたりの威力も小さいけど制圧火力を期待できるサブマシンガンが活躍できる戦場はそれぞれ別個に存在しているのに「どちらが優秀か?」を一つの尺度で評価するのと同じです。
せめて投入される戦場や使用する国(軍)を限定しなければ、どれだけスペックを調べて性能比較してもあまり意味はありません。それどころか、評価する尺度を定義する事すらできないのです。
回答者のみなさんが一様に否定的なのはそういう理由からです。
長くなりましたが、結論をいうと「諦めてください」の一言に尽きます。
おうる
- >>8
>自分は、現用戦車の持つ性格や仕様に、各国間で殆ど差異が無いと見做せると考えています。
地勢や、それに影響される戦術の差違により、戦車の仕様は変化します。例えばスイスの国産戦車 Pz.61-68シリーズは、全高の圧縮よりも全幅の抑制を優先した設計と云えます。車高を低くすることが金科玉条の如き現代の趨勢と反しますけれども、稜線を利用したハル・ダウンが可能な場所が多く、狭い林道を通過しなければならない地勢に於いては、全高の圧縮よりも全幅の抑制を優先した方が得な訳です。であるからこそスイスは、そのような国産戦車を開発しました。
しかしながらスイスは、現状レオ2を導入しております。これは、必ずしもレオ2の仕様に満足していることを意味するのではありません。限られた国防予算を効率的に投資する上で、必要な火力および装甲防護を充たすに、仕様上の不具合(主に戦術面での)を忍んでさえレオ2導入が有利とする判断があったためです。
各国軍のロジ面や交通インフラ、工業インフラ、戦力比や教義の違いを一切度外視して、「性格や仕様に殆ど差異が無い」とは流石に大胆に過ぎると断ぜざるを得ません。
骨皮道賢
- >>14.訂正します
×:総は能力
○:走破能力
おうる
- >>15.訂正するのは>>14ではなく>>13でした。かさねがさね済みませんm(_ _)m
おうる
- 沢山レス頂いたので、分かる範囲で自分の考えを説明したいと思います。
火力について、
過渡期はソ連のように貫徹力を得る為に成型炸薬弾を主に開発していた国もありましたが、
APFSDSのような革新的な運動エネルギ弾が登場し、より深い侵徹を得る為の研究が各国で行われています。
また、高い命中精度を得る為に、従来の光学式照準器からレーザ距離計や弾道計算機を併用したFCSが採用されています。
防護について、
基本的には自砲のゼロ距離射撃に耐え得る装甲が目標とされ、主装甲の防護性能が決められているようです。
APFSDSという革新的な運動エネルギ弾の登場によって、より強固な主装甲が求められています。
各国の技術水準によって異なりますが、成型炸薬弾やAPFSDS等の運動エネルギ弾に対抗する為に、
複数の材料を組み合わせた受動装甲、所謂複合装甲を用いる場合もあれば、コンタークト5等の爆発反応装甲
を用いて運動エネルギ弾や成型炸薬弾に対しての有効な防護力を得る国もあります。
何れに於いてもトレンドとしてはAPFSDSとHEATに有効に対抗出来る主装甲を目指しています。
機動性について
運動エネルギ弾の侵徹力が格段に進歩した事により、より高い防護性能を求められた結果、重量は増加傾向にありました。
しかし、山岳地帯などの対テロ戦闘やインフラとの兼ね合いにより、多くの国で戦車の軽量化が目指されています。
以上の3項についても、各国が目指すところは同じようなトレンドに収束しているように見えます。
もちろん、各国の技術水準によりミクロな面では採用する発動機や火砲、装甲に差異は見られますが、
マクロとして目指す答えは同じではないでしょうか?
oplot
- マクロ的目標は同じでも、それを達成するために踏まえなければならない諸条件が違いすぎるのでアプローチも国ごとに異なり、結果的に直接比較できない代物になっているのが戦車と言う兵器です。ミクロ面での差異こそがその戦車に求められる性能の本質であり、存在意義です。
ロシア製戦車は伝統的に非常にコンパクトにまとめられており、暴露面積が他国の戦車に比べて小さく、発見されにくくかつ被弾しにくいようになっています。
その弊害で主砲の俯仰角が狭く、車体が傾くと目標を射界に納められなくなる傾向があります。
この弊害はロシア軍が戦場として想定しているような平坦な土地では全く問題になりません。が、第3次中東戦争のゴラン高原ではこの弱点を突かれ、スペック上は決して負けていない筈の敵戦車に手もなく撃破されてしまっています。
ロシア製戦車は土地の起伏を巧く利用できないのです。
逆に起伏を最大限に利用し、ゴラン高原のイスラエルのような勝利を目指しているが陸自の戦車です。油圧式サスペンションで姿勢を自在に変える事で、起伏のある不安定な土地でも射界と射撃姿勢を確保できます。
おそらく、陸自が日本で戦う限り陸自の戦車は世界最強でしょう。では、陸自の戦車をロシアの平坦な土地に持っていったら…?
自慢の油圧サスペンションは何の役にも立ちません。サスペンションシステムはデッドウエイトであり、故障の原因にしかなりません。余計な装備は戦車にとって重荷であり、性能的にはマイナス要素にしかなりません。壊れにくい事はあらゆる兵器にとってもっとも重要な、そして数値化できない性能ですから、壊れる要素を排除したシンプルな足回りはそれだけで優秀と言えるからです。
豪華なデコレーションをゴテゴテ付けた陸自の戦車の評価は一転、地に落ちてしまうでしょう。
WW2のドイツ軍戦車は高性能で知られていますが、ソ連軍内での評価は「無駄が多い」とか「脆弱」とか酷いものです。戦後、フランス軍でも運用されたパンターは、複雑すぎる機構ゆえに整備士泣かせでした。ドイツ軍以外の陸軍では「使えない」戦車でした。
装甲の厚さや火力の強さだけで評価しても戦車は意味が無いのです。
世代が違えばもちろん性能に格段の差が出ますが、基本的に同世代の戦車であれば砲力も防御力もほぼ拮抗します。NATO陣営ならば砲弾も砲そのものも共通だったりしますし、ロシア側でもほぼ同じ傾向にあります。
それぞれの国が持てる最新の技術を導入しており、かつ互いの技術力に大きな差があるわけではない以上、カタログスペックはほぼ同等にならざるを得ません。
あとは装甲や火力をどれだけ上手に発揮できるようにするかという工夫の問題です。上述したように拮抗した性能でもその工夫次第で敵を圧倒することも、逆に圧倒されてしまうこともあるのです。そして、その工夫は数値には出てきません。
この数値にできない工夫こそが戦車にとって非常に重要なのです。
ぶっちゃけた話、カタログスペックはどうしたって敵戦車と大きな差はつかないし、技術的に可能だったとしてもつけられません。そうでなければ政治家や納税者が納得しないからです。
敵に負けてしまいそうな劣った性能値でも、敵を圧倒するような優れた性能値でも「税金の無駄」というレッテルを貼られるから、有意な差なんかつけようがないんです。
弱ければ「もっと強くなければだめだ」と言われ、強すぎれば「もっと安くできるはずだ」と言われてしまうんです。
敵を圧倒するような強力すぎる戦車なんて、第一線級の戦車を自力で開発できるような国が酔狂な独裁者に支配されでもしない限り、登場することは絶対にありません。そして、幸か不幸か、今現在第一線級の戦車を自力開発できる国はいずれも戦車開発に無駄に税金を浪費しない国ばかりです。
結果、近代以降の戦車は皆、今現在の戦車を上回り、かつ近い将来登場するであろう敵戦車と対抗できる…つまり他国の戦車と拮抗するような…カタログスペックを持つように(つまり有意な差が生じないように)「調整」されたものばかりです。
だから、拮抗するように調整された値を比較して戦車を比較しても何の意味もないんです。
戦車の有意差は数値化できないところにあります。その有意差は活かすための条件があり、その条件とは開発時に想定された使用環境そのものであり、戦車の優劣とはすなわち、使用環境にどれだけ最適化できているかの一点に尽きます。
おうる
- >おうる様
ご理解頂けて幸いです。
後半が論理的に飛躍している所があるので意味不明ですが、
とどのつまり、マクロとして同じ目標を志向しているなら、数値的に比較出来るのですよ。
ミクロを挙げて問題を複雑に見せかけて比較は無意味だという論調は如何なものかと思います。
実際に、政策評価などでは具体的な比較が行われております。
それを数値化、例えば貫徹力等は諸計算式や公開データ等により導き出す事は可能であり、それに基く数値により比較する事に不合理さは無いと思います。
最後にローカライズされているという話もされていますが、これも所謂ミクロな話であり、マクロという大前提がある以上、些細な問題でしかありません。
以上を踏まえた上でマクロ的な見地から、火力、防護力、機動性のその3点に於いて各々の要素を合計100とした場合、
各国が目指す戦車開発のトレンドがどの程度の割合で割り振られているのか、
ご意見を頂きたく存じます。
Oplot
- おそらく、私以外の回答も「無駄である」とか「諦めてください」だけです。
私のレスが論理の飛躍に思えたのは、単に私がなるべく飲み込みやすいようにかなり大雑把に表現したからにすぎません。
比較できるのはあくまでも「公称値」であって、鵜呑みにしていい数値ではありませんし、値が正確であったとしても額面通りの性能を発揮できるかどうかは別問題として存在しています。
どれだけ装甲貫通力の高い砲を持っていても射界が狭ければ、敵を狙うためにわざわざ車体を動かさねば撃つこともできず、撃っても命中率が低ければ当たらず敵を撃破できません。射界と命中率の問題をどう火力の値に反映するかは専門家でも難しい問題です。
防御力にしても素人が知ることが出来るのは最大装甲厚の値のみであり、どの厚さの装甲がどの部分に施されているかの詳細はわかりません。正面装甲が厚くても側面は他国の平均以下かもしれないし、逆に側面も分厚いのかもしれない。
装甲が厚くとも暴露面積が大きければ被弾しやすくなり、小さければ見つかる可能性さえも低くなり攻撃そのものを受けないかもしれない。攻撃を受けないで済むと言うことは装甲が厚いこと以上の防御力ですが、それも数値化するのは難しい。単順に装甲の厚さだけで評価していいものではありません。
射界がどれだけ必要か?命中精度はどれだけ必要か?装甲配置のバランスはどうするか?そうしたカタログスペックに出てこない攻撃力・防御力をどう評価するかは、結局その国がどういう環境でどのように戦おうとしているかに依るのです。
地形が大きく影響する地上戦において、活動の成否をもっとも地形に依存する兵器である戦車は、投入される戦場の環境を無視して語ることには何の意味もありません。
貴殿が求めている火力、防御力、機動性の3点のバランスすら、その国の軍隊がどういう環境でどう戦うことを想定しているかによって大きく変動するのです。
機動戦を絶対視している旧日本軍やWW2初期のドイツ軍のような軍隊なら機動力に重きを置きますし、WW2末期のドイツ軍であれば防御力に重きを置きますし、WW2後期のソ連軍であれば防御力には多少目をつむってでも火力に重きを置きます。
WW2当時の東欧という全く同じ戦場、全く同じ環境を想定しているにもかかわらず、火力・防御力・機動力のいずれを重視すべきかはわずか数年の間に変化しました。
「想定される戦場で敵戦車を撃破する」というマクロ的な目標は普遍であるにもかかわらず、何を重視するか(火力・防御力・機動力のバランス)は決して一様にはならないのです。
この違いは戦い方の違いであり、想定される環境の違いに起因するのです。
当然、WW2の東部戦線ではなく、現代のトレンドであっても同じです。国によって何を重視するかは一様ではないのです。
火力・防御力・機動力の要素もそれぞれが密接にリンクしているので、それぞれを別個の性能として評価することもできません。
Aは時速80km/h発揮できる平均的防御力の戦車、Bは時速50km/hしか発揮できないが高い防御力を持つ戦車、両者でどちらが機動力が高いか?と問われれば多くの人はAを挙げるでしょう。しかし、実際の戦場で攻撃に晒されている状況ではAは遮蔽物に隠れながら反撃するのが精いっぱいで移動が出来ず、Bは防御力を頼りに攻撃を受けながらも移動できるかもしれない。そういう状況下ではBの方が機動力が高いと言えます。
同様に防御や機動力が弱ければ、額面上どれだけ強力な火力も発揮できなくなる可能性が高くなり、実質的攻撃力は発揮できるはずの火力スペックを下回ることになります。
強力な装甲を持っていても攻撃力(あえてここで火力とは言いません)が発揮できず敵を撃破できなければ意味はありませんし、機動力が弱ければ敵に背後に迂回されて撃破されてしまうかもしれません。そうなれば装甲厚の値がどれだけ優れていても実質的な防御力に寄与できません。
貴殿の言う「ローカライズ」や「ミクロの問題」こそ、その戦車の本質であり存在意義なんです。強い戦車が必要なのではなく、適応できる戦車が必要なのです。宇宙一よりも町内一の方が勝ち残るのです。
カタログスペックはそれこそ政治家や納税者を納得させるために公表された数値であって、それだけで戦車を推し量ろうとしても無理なんです。
それを無視して比較したところで全く何の意味もありません。だから、ここでレスをしている全ての人が貴殿の試みに否定的なのです。
答えはありません。
おうる
- ま、世界各国の平均的な戦術・戦略、戦場を想定した上での戦車の強さ比べを行うとして、その結果がユーザーたる各国の要求にマッチするだろうというのなら、同様な理窟が戦闘爆撃機など他の兵器にも成り立つってことよね。そう考えるのは質問者様の勝手だけどさ・・
アリエフ
- Oplotさん
他の方も言いましたが、貴方の例をお願い出来ませんか?
各要素合計100点満点として!
身近な陸上自衛隊の61式、74式、90式、10式の4種類の戦車戦車でお願いします!
貴方の意見なら全て同じ100点満点で評価出来るはずですよね?
SC
- 20世紀前半と違い、現代の戦車は成熟した兵器ですから質問のような比較は十分に意味があります。
そもそも質問の大意は「火力、防御力、機動性などの要素の優先順位は概ねどんなものか」ということだと思います。
各国の優先順位がまったく同じかどうかは微妙ですが、現代の戦車は第四次中東戦争の戦訓を反映して計画されたという点で確かに共通する基盤があります。現代の戦車は火力と機動力を重視して防御をある程度諦めた旧世代戦車にくらべて三者をバランスさせる傾向にあるのは事実です。
何にせよ、色々と比べてみるのは良いことです。
BUN
- ええ、ですから、ユーザーとしての視点を抜きにした、強さ比べとしての比較なら、この質問は十分に意味があると思いますけど。質問者様はどう考えているのかよくわかりませんが・・
アリエフ
- 多くの回答者がこの質問に違和感を覚えているのは、火力、防御力、機動性といった全く違う内容を、同じ土俵で数値化しようとしているからでは無いかと思います。
火力、防御力、機動性にはそれぞれ幾つもの要素がある為、それぞれに付けられる一点には、どのような意味が有るのかといった事をです。
そのため、質問者は数値化の難しいこの問題の採点基準を、まず明確にすべきでしょう。でなければ誰にも答えを出す事は出来ないと思います。
まさか、そこまで丸投げでは永遠に答えを得る事は出来ませんよ。
He113
- 戦車という兵器を火力、防御力、機動力といった要素から比較検討できないのであれば、戦車戦術の研究や戦車の設計は何を頼りに行われているのでしょう。
現用戦車の開発背景となっている第四次中東戦争が各国戦車に与えた影響はほぼ共通したものです。対戦車ミサイルの脅威が深刻に認識されたことで戦車の有効性に対する疑念が生まれたのは各国にほぼ共通する出来事でしたし、それはまず戦術の改良で乗り越えられたのですが、それに対応して新世代の戦車は従来より装甲を重視するように変化したのもほぼ共通して見られる現象です。これは1930年代の対戦車砲との優劣論争以来の、戦車開発史上の大事件でしたから、それに比べたら各国の環境やドクトリンの違い(本当に互いの比較を無意味にするほどの大きな違いがありますか?)が与えた影響は些細なものです。
単純な「強さくらべ」が安易で幼く見えるからといって数値化したり比較検討することそのものが間違っているとは言えないでしょう。むしろ枝葉末節に拘らず、本質的な視点を得るためには大切なことではないでしょうか。
BUN
- BUN様
冷静な判断頂きありがとう御座います。
自分の質問を言い換えれば、各国の戦車開発が目指す理想像において、
火力、防護力、機動性の3点の割合がどういう姿なのかと言う話です。
特に、近年の戦車はIVIS等の情報を元にした戦術機動により戦況をより優位に導こうとしています。
よって、火力や防護と共に機動性に対する配分も十分配慮しなければならないと考えております。
火力40 防護40 機動20程度の配分か、火力35、防護35、機動30になるかもしれません。
また、複数の方が執拗に比較が無意味と論じられていますが、BUN様も申し上げられたとおり、実際の仕様の決定には各国間での数値比較が行われております。
政治に絡めて非論理的な発言をされていた方も居られましたが、もう少し冷静になって、
質問というテーマに沿った回答をお願いしたく存じます。
Oplot
- どちらにせよ「正解」の出そうな質問ではないと思いますので、この先はぜひ「議論ボード」で展開していただければと存じます。
タカ
- >27
>実際の仕様の決定には各国間での数値比較が行われております。
それを前提に御自分の意見をどうぞ。
比較する事が全くの無意味なのではなく、無理に100点満点にする事に疑問が有るのですが?
もし貴方の言う3要素に新たな要素(仮にベクトロニクスとして)が加わった場合に100点満点ですと今までの3要素の数値は全て小さくなるしかありません。
(以下に根拠は有りませんよ!)
仮に、その開発当時にバランスのとれた戦車とします。
74式が火力35、防御35、機動30、合計100。
10式が火力25、防御25、機動25、BE25、合計100。
このまま数字を比べると3要素は74式の方が強力!と錯覚しませんか?
もちろんこれはただの数字のまやかしです。
しかし無理やり100点満点にすると全てこんな結果になりませんかね?
参加諸氏へ、まことにくだらない例で申し訳ありません。
SC
- >実際の仕様の決定には各国間での数値比較が行われております。
数値比較するためには数値化せねばならず、数値化するためには尺度が必要です。問題はその尺度が国や軍によって異なるという点、普遍的な尺度が存在しないという事です。
わが軍が戦車を購入するならば…とか、この戦場でこういう戦車戦を戦うならば…という前提がなければ、どういう尺度を用いて評価すべきかが明確になりません。
統一された尺度に基づかない数値比較はそもそも説得力がありませんし、意味がありません。
たとえば陸自が北海道で防衛戦闘を行うために購入するとしたら…というような前提があればそれぞれの要素を評価する尺度も明確になりやすくなり、数値化も比較も意味を持ってきますし、実際の仕様決定の作業でもそうした前提条件が存在しています。
そうした前提条件もなしにただ「強い戦車が欲しい」と言われても技術者だって困るでしょう。「何食べたい?」と訊いた時に「何でもいい」と応えられるのが一番困るのと似たようなものです。
また火力・防御力・機動力の3要素の配分を合計が100になるように最初に決めてしまう…という評価の仕方にも疑問を持ちます。
全く同一の戦車であっても、どういう使い方を前提にするかによってそれら3要素の評価配分は変化する筈です。
あくまでも前提なしでというのであれば、評価配分バランスなど調整せずにきれいに三等分すれば良い筈です。
おうる
- 戦車の強さ比べというのは、戦術手法、戦場の状況といった要素に基づく特定の環境・条件下において、ある戦車が対抗馬に比べてどの程度の優位性を持っているかということでしょ。仮にAという環境でM1はT−90の2倍の優位性を持つとしても、Bという環境では1.5倍でしかないということもあり得る。
で、例えば、河川や湿地が多い地域において、架橋車両をあまり用いることなく大量の戦車にシュノーケル搭載して突破させる方法と、使用しないときはお荷物でしかないシュノーケル使わずに架橋車両でうまく補助させる方法とは、戦術の優劣の問題であって、戦車という車体、即ちハードの問題自体ではない。そして、車体ハードは、主に想定される環境下に最適化するように造られている。
ま、質問者様は、ハードの強さ比べに無理矢理、戦術の優劣に関わる要素まで持ち込んで比較したいと言っているから、皆から反発食らっているんじゃないかなあ。ハードの強さ比べなら、質問者様が引用されている過去ログに数値化による評価方法の例が示されているよね。それが一つの回答でもあるんだけど、質問者様はご不満のようでおられるわけで。この評価方法において、なぜ機動性に関する要素が戦術に関わるものとして捉えられているのか、考えようともせずに。
まあ、このサイトでご自身の納得される回答が得られないのなら、別のサイトに行けば?最も、そちらでご満足のいくような回答が得られるかは保証できないけど・・
アリエフ
- ちょっと古いですがBundeswehrのドクトリンはBeweglichkeitです。
これは装備車両のデザインにも反映されていて、機動性を最重視、僅かに下がって火力、次に防御力です。
なお、機動性とは単純に加速性、制動力、旋回性能等(速度はあまり関係ないが)だけでなく、エンジンの整備性(例えばLeopardIIは15分でエンジン交換が可能)等も含めたトータルでの機動性です。
このように各国のドクトリンを調べれば、各国特有の重点の置き方が判ると思います。
出沼ひさし
- SC様
ちょっと誤解があるようなので解説します。
自分が申しているのは、現在に於ける戦車の理想とするものが、
火力、防護力、機動性の何れかに、どれほど重点を置いているのかという配分の話でありまして、
個々の戦車の点数がどうという質問ではありません。
また、現在の戦車開発での評価尺度についての質問でありまして、過去の戦車開発史に於ける評価尺度は現在の戦車と違う事は重々承知の上で質問しております。
以上、誤解を導く表現、言葉足らずがあった事を深くお詫びします。
また、真摯に考え、ご回答頂いた事について皆様に感謝いたします。
出沼ひさし 様
ありがとう御座います。
エンジンの整備製については考慮しておりませんでした。
おうる 様
その評価配分が、現在の戦車開発に於いてどのような配分なのかという質問です。
現在の各国の戦車が求めるスペックを見ると、ほぼ似通ったものとなってきており、
ある程度の推測は出来るのではと思い質問しました。
Oplot
- >>33
>その評価配分が、現在の戦車開発に於いてどのような配分なのかという質問です。
それは承知しています。
評価配分を調整するということは、特定の要素を重視するということです。それは、個々の要素をどれだけ重視するか?ということであり、結局のところその要素を重視するような使い方をする…という前提が必ず背景にあります。そして、その前提は繰り返しますように国によって異なるのです。
逆にいえば、前提があるから評価配分を偏らせる事に合理性が生じるのであり、必要が出てくるのです。
あくまでも前提とかは無しで(アリエフ氏の言い方を借りれば「戦術要素抜きで」)…というのであれば、評価配分は偏らせることは客観性を失わせることになるので、やるべきではありません。
前提を特定せずに評価配分を偏らせることは評価の客観性・合理性をあやふやにする事になり、そのような評価方法にも評価結果にも意味はありません。
では、このような前提ではどうなるか?となると、今度は明確な答えがあるわけではありませんので議論ボードで、諸賢の知恵をお借りすべきだと思います。
おうる
- 具体的な論拠が無いのは批判派の方々のように感じます。
同じ尺度での比較を頑なに否定する理由がよく見えて来ないのです。
冷戦の枠組みを通じて集団的に形成された西欧諸国陸軍の戦術思想はそれほど色とりどりで、お国柄を反映したようなものではありません。
NATO軍とソ連軍においてすら、互いの比較を無意味にするような戦術思想の違いは見当たりません。
そして各性能の優先度はほぼ共通しており、しかもその配分は均等ではないのです。
それは戦車のユーザーである各国軍の戦術的特徴よりも、実戦の結果から導き出された教訓によってより影響を受けていると言えます。
大切なのはお国柄ではなく、時代なのです。
質問者が一番知りたがっている部分で、注目と検討に値する事実がちゃんとあるのですから、重箱の隅をつつくような話や、頭の中で考えたことだけでなく、ハード、ソフトの両面をまずしっかりと確認してみたら如何でしょう。
BUN
- >35 だから共通尺度での数値的比較方法の一つが、この過去ログに紹介されている方法だと何度言えばわかるのか?
http://www.warbirds.jp/ansq/3/C2000578.html
この方法が不満だというのなら、質問者に批判的とされる回答者に愚痴言っているのではなく、自ら具体的な回答してみたら。文句垂れるのは簡単なんだけどさw
アリエフ
- 質問者はそのような比較方法を聞いてはいませんよね。
まず先入観を捨てて質問をよく読むべきでしょう。
BUN
- >37 では、貴方様が回答の見本を示してください。はい、どうぞ。
アリエフ
- おうる 様
前提は、最新鋭戦車や開発中の戦車の仕様からある程度はイメージとして推察されると思います。
自分は、それを具体的に数字で配分を表現するとしたら、どの配分になるのか質問しているのです。
勿論、おうる様が書かれたとおり、明確な答えが出せるものでは無いと思います。
だから、「この戦車とこの戦車はこういった傾向があるから、こういう配分でないだろうか?」
という答えで十分だと思いますが如何でしょうか?
自分は戦車単体の仕様はあらかた調べましたが、戦術面については詳しくありません。
火力と防護の重要性は個々の戦闘能力に大きく影響しますので容易に判断出来るのですが、
機動性をどれだけ重視するのかという点については戦術に大きく影響されます。
そこで、具体的な戦術に詳しい諸兄にお教え頂きたいのであります。
アリエフさん、これは親切心からの助言ですが、分からないのに無理して答える必要は無いと思います。
意味のわからない質問に噛み付く事は、アリエフさんにとっても時間の無駄だと思います。
Oplot
- >>35
同じ尺度で比較することを否定しているのではなく、同じ尺度で評価できないでしょという話をしているつもりです。
第四次中東戦争で各国の戦車が一様に防御力を強化するようになったのは、歩兵携行型対戦車ミサイルという新たな脅威に対処せざるを得なくなった事が原因です。
ATMは少人数の歩兵で扱うことができ、かつこれまでの歩兵携行型対戦車兵器をはるかに凌ぐ有効射程距離と破壊力を持っています。そして長い有効射程距離と優れた携行性ゆえに部隊側面や後方への浸透・奇襲されてしまうことは、戦術面の工夫等では対応できません。
ATMでの奇襲を未然に防ぐことが出来ない以上、直接的に防御力をあげることが必要不可欠となったのであって、戦車の運用方法に変化があったわけではありません。
つまり、戦車の防御力を評価する尺度自体がATMの登場に合わせて変化したのであって、総合評価を行うに当たっての各要素の評価配分に変化が生じたのではない…と、私は考えます。
戦車の機動力については比較評価する必要性自体に疑問を持ちます(少なくとも現代の戦車については)。戦略レベル・作戦レベル・戦術レベルでの機動性は戦車自体の性能と言うよりは運用する軍の後方支援能力や部隊全体の能力です。戦車自体の性能とは殆ど関係ありません。
で、戦闘レベルでは差が出るかというと、やはり性能差など無いに等しいと思われます。悪路走破性はとうの昔に必要な(おおよそ車両というものが走行可能な地形で行動できる)性能に達していますし、速度は車種によってはなおも向上しつつありますがやはりほぼ必要十分な性能に達しています。そして、それらの性能の上限を発揮するような「走り」を実際の戦場で発揮する事(たとえば最高速度で戦場を突進したり、誰かが潜んでいるかも知れない塹壕や障害物を乗り越えたり、レンジローバーと追いかけっこしたり)は考えにくいものがあります。
あとはどれだけ戦闘中に故障せずに行動し続ける事ができるか?ぐらいですが、これは数値として公表されているわけではありませんし、素人に数値化できるものでもありません。
敵の攻撃を受けながら行動し続ける…という意味においては、防御力こそが機動力と言えるかもしれません。
数値化して有意な比較ができるとしたらパワーウエイトレシオぐらいでしょう。駆動系や足まわりに不具合でもない限り、加速力はパワーウエイトレシオに比例し、加減速力は戦場でも後方でも最大性能を発揮しうる数少ない項目の筆頭です。しかし、加速力が戦場における戦車個体の機動力の中でどれだけのウエイトを占めているかは判断しかねます。
戦車の機動性とは運用する軍の使い勝手であり、軍の運用インフラにどれだけ最適化できているかであって、戦車自体の走行性能はあまり重要ではありません。それこそお国柄そのものと言えると思います。
火力・防御力は条件によって発揮できる性能が変化するので>>35で紹介されている過去ログのような相対評価にならざるを得ないと思います。特定の戦車を仮の標準性能とし、それを基準に相対評価を行った結果を比較することで質問者の求めるような比較評価を行うことは可能であると思います。
しかし、火力・防御力・機動力をそれぞれ同一の尺度で絶対評価し、かつそれぞれの要素を同一の尺度(戦術要素を根拠とする評価配分)に当てはめて総合評価することは、非常に困難だと思いますし非現実的だと思います。強引に数値比較したとしてそれが有意なモノとは期待できませんし、自己満足以外の意味があるとは思いません。
戦術要素も含んで評価するのであれば、軍や部隊も含んで評価されねばならず、それはもはや戦車の性能とは言い難いものです。戦術要素も含めて評価して戦車性能の有意な比較をしたければ、実際に戦わせて統計データを収集するほかありません。机上検討の限界です。
戦車個体として比較評価したいのであれば、戦術要素は省くべきだし、そのためには評価配分を弄ったり下手に総合点にまとめたりしない方が手法としては健全です。
おうる
- >>39
>前提は、最新鋭戦車や開発中の戦車の仕様からある程度はイメージとして推察されると思います。
その方法は落とし穴があるかもしれません。
>>18で言ったように極端な性能は盛り込めません。政治家や納税者が納得しないというのもありますが、部隊で運用する以上は部隊と一緒に行動するために必要のない性能は無駄でしかありません。
時速100km/hを超える高速性能なんかあっても無駄ですし、5km彼方の敵戦車を貫通して向こう側に抜けるような火力も要りませんし、あらゆる攻撃を跳ねのける防御力も必要ありません。ちょうど良いレベル、必要な性能には上限があり、それ以上は無駄です。
それに達していない性能は向上が図られますが、既に達している性能はそれ以上を求められることはありません。
>>40でも言っていますが、現代の第一線級の戦車の機動性は陸上部隊が発揮可能な機動力の上限に到達しつつあります。おおよそ地上部隊が展開可能な地形を走破するための能力は得ていますし、最高速度も速いものは80km/hにも達しています。
平時に一般の高速道路を走ることもある非装甲の装輪車でさえ最高速度は100km/h前後、大型トラックなら一般車でも車速制限装置が付けられて80km/hぐらいしか出せません(これは日本も欧州も同じです)。つまり、戦闘車両としてはこれ以上の走行性能は必要ありません。
あとは部隊や後方支援の能力の問題であり、軍の運用にどれだけ最適化できているかです。
機動力が上限に達しているのであれば、余力は攻撃力や防御力に振り分けられるでしょう。防御力をあげた結果、重量がかさんで機動力が犠牲になるのであれば機動力に再度注力する必要が出てきますが、この性能をこれだけ重視したからこの評価配分になりました…ではなく、必要性能を満たせるところ満たして余力を配分したら現在の配分になりました。というような背景があるかもしれません。
だとしたら「この戦車とこの戦車はこういった傾向があるから、こういう配分でないだろうか?」で類推した結果が、似通った結果になったとしても正確ではないかもしれません。
私としては評価配分は下手に弄ら無い方が良いと考えます。
おうる
- 見当違いかも知れませんが、
戦車の重量配分がどの機能を得るために割り振られたかが、
ひとつの指針となるのではないでしょうか。
もちろん技術力の差で、同じ重量配分でも、機能毎の性能差は有るでしょうから、そこも別途効果率のレートを持たなければいけませんが。
うましか
- >26 現用戦車の開発背景となっている第四次中東戦争が各国戦車に与えた影響はほぼ共通したものです。対戦車ミサイルの脅威が深刻に認識されたことで戦車の有効性に対する疑念が生まれた・・
戦争当初、エジプト軍歩兵部隊のATMやRPGによるイスラエル軍戦車大量撃破のことを指しているようだが、あれは歩兵を随伴させないで戦車部隊を突進させた、そのため近距離からのATM等による攻撃を許してしまったという戦術ミスが原因と思えるのだが。ここの質問77の回答が参考になる。
この戦訓に基づき、ATM対策として爆発反応装甲の開発・配備が行なわれるようになったが、M-1など第三世代戦車の複合装甲等による防護力強化は、むしろ70年代以降、APSFDSが導入され始め、それまでの装甲技術や被弾時対策では不十分となったのが重要な原因ではないかと。
アリエフ
- >43 訂正 APSFDS→APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)
アリエフ
- >43
>あれは歩兵を随伴させないで戦車部隊を突進させた、そのため近距離からのATM等による攻撃を許してしまった・・
それは違います。
当事者であるイスラエル軍をはじめ各国軍とも歩兵の随伴が無いからいけなかった、などという結論にはなっていません。
具体的に採られた対策は火力支援の強化と集中です。
イスラエル軍の戦術はこの戦争で劇的に変化しています。
そしてAPFSDSがあろうと無かろうと、当時現用の戦車は敵主力戦車の射撃に耐えられなかったのですから、その認識も正しくありません。
BUN
- >>42
多くのサンプルについて重量配分を調査し、全体の傾向と比較するのは有益であると思います。
しかし、単に特定の戦車の重量配分から、その戦車を開発するにあたって何を重視したかを判断することは難しいと思います。
イスラエルのメルカバは装甲重量が大きく、エンジンを車体前部に配置してまで防御を重視していますが、軽量な装甲を作るために必要なレアメタルの入手が困難だったという背景があるという話を聞いた事があります。
また、レシプロエンジンとガスタービンエンジンでは重量や性質が違い過ぎて単純比較できません。
少なくとも、比較する前にどうしてそういう重量配分になっているかという背景についても確認しておく必要があると思います。
おうる
- >>45 Ground Power 2003年6月号、ソ連T-64戦車の記事によりますと、同戦車の砲塔部分の装甲防御力は、圧延鋼板に換算すればAP、APDS,APFSDSの実体弾に対して250mm厚、HEAT弾に対しては450mm厚に等しい、としております(25ページ)。同ページの「ソ連125mm滑腔砲弾薬の種類と装甲貫徹力の一覧表(射程2000m、弾着角60度)」によると、APFSDSの鋼弾芯で貫徹力150mm、タングステン弾芯で250mm。T-64戦車の125mm砲で2000mの距離から同じT-64戦車の砲塔部分(どの戦車でも最も狙われやすいところですが)を攻撃したとしても、装甲板に垂直に近い角度で撃ち込まれない限り、装甲を貫徹しづらいということになるようです。もちろん、より近距離で撃たれた場合には貫徹されるのでしょうが。
で、この戦車が本格生産され始めたのが、第四次中東戦争以前の1969年頃。当時の西側の新型主力戦車(M-60など)の主砲は105mmL-7ですが、当時の西側戦車の主砲による攻撃に相当程度耐えられるだけの装甲を有していたのでは?索敵、照準能力の向上によって、第二次大戦当時のような至近距離からの戦車同士の砲撃戦が発生しにくくなってきたことをも考えると。
なお、この戦車の原型、オブイェークト430の対弾試験(1959年頃)では、射程1000mで発射されたT-54戦車の100mm徹甲弾に対して十分耐えられたとあります(同書10ページ)。この原型は115mm滑腔砲でしたが、当時の西側は105mm L-7登場以前です。
ドイツのレオパルド1やフランスのAMX30は防御力より機動性強化に重点を置く方針を採ったようですが、同時期のソ連、アメリカの戦車にも当てはまるのでしょうかね?
アリエフ
- 書いていることがお題とずれてきましたし、むしろ議論ボード向きかとも思います。ご回答は、レス38に述べた「回答の見本」の件も含め、一ヶ月位後でも結構です。急いではおりませんので。
アリエフ
- (1)基本的に、『火力』は射撃精度を維持できる範囲で最大限にします。(反動の許容限度を計算する)ここで『総重量』と『火力』が定まります。
(2)そして想定される敵火力に応じて『防御』を考えます(強くしすぎても無駄なので、どこまで防ぐか線引きをする)。
(3)で、余った重量をやりくりして最も『使い勝手』の良い戦車を模索。
質問者の方が知りたい内容はおそらくこの重量配分の枠組みではないでしょうか。
防御面は技術力に左右され、使い勝手の部分は国情で違いが出やすいといったところだと思います。
細かいことを挙げだすときりが無くなりますが(笑)、そこは質問者の方の興味をそそる部分だと思いますのでそこは頑張って調べてみてください、と締めくくってみます。
流☆
- >40
>ATMは少人数の歩兵で扱うことができ、かつこれまでの歩兵携行型対戦車兵器をはるかに凌ぐ有効射程距離と破壊力を持っています。そして長い有効射程距離と優れた携行性ゆえに部隊側面や後方への浸透・奇襲されてしまうことは、戦術面の工夫等では対応できません。
ATMでの奇襲を未然に防ぐことが出来ない以上、直接的に防御力をあげることが必要不可欠となったのであって、戦車の運用方法に変化があったわけではありません。
第四次中東戦争後の機動戦ドクトリンは大きく変化しています。
そしてATGWへの対抗策は第一に火力制圧の見直しによる戦術の改革で成し遂げられています。「戦術的に対抗不可能」だったら戦車という兵器の歴史はそこで終わっていたことでしょう。
もう少し調べて戴きたい部分です。
>47
オブイェクト430への射撃試験に用いられた砲弾はAPDSですらあったかどうか。
1958年にセンチュリオンの20ポンド砲がRHA換算300mmの貫通可能とされた時点から装甲対戦車砲の勝負は明らかに装甲が不利なまま70年代を迎えています。
そして当時からHEAT弾は更に脅威でした。
また鋳鋼製装甲のM4は言うに及ばず8M60の装甲は115mm滑腔砲にさえ耐えられたのでしょうか?そしてその巨大な砲塔はどうなんでしょう。
けれども最も問題視された点は装甲と戦車砲のシーソーゲームより、高価な戦車が安価なATGWによって撃破されてしまう、という問題です。
BUN
- >第四次中東戦争後の機動戦ドクトリンは大きく変化しています。・・
イスラエルのことを主に上げられているようですが、同国のAll Tank Doctrineからの転換のことを言われてるんですかね?この戦術が、米ソなど他の国々においても普遍的な戦術だったのですかね?
そもそも、歩兵携行式ではないとしても、60年代半ば頃、MGM51シレーラがMBTに比べ軽量な戦闘車両であるM551シェリダンに搭載されるなど、ATMが実戦で用いられ始めているわけなんですが。戦車戦術において安価なATMへの対抗策が大変重要な問題になるというのならば、70年以前において既にその問題が認識されていたのでは?MGM51は、第4次中東戦争で用いられたAT-3(9M14)に比べ重いですが、それでも2倍から2.5倍位に過ぎません。
ま、73年、第4次中東戦争のスーツケース・サガーの活躍でATMの戦車への脅威が重視されるようになったというのなら、NATO正面において戦車数で1:5の優位を保っていた、ワルシャワ条約機構地上軍にとってMBTの開発方針を変更しなくてはならないほど、深刻な問題になってたんでしょうねえ。精密誘導兵器において優れている西側にとっては、ATMの大量導入で戦車数の劣勢をカバーできる、M-1戦車の導入を急ぐほど深刻な問題では無さそうだということになってたんでしょうねえ。でも、そうだったのかなあ?
アリエフ
- まるで別世界の戦争の話ですね。
BUN
- >52 では、全世界的に「第四次中東戦争後の機動戦ドクトリンは大きく変化した」という根拠となる資料、文献を示していただきたいのですが。英文でも結構です、自分で読んでみたいので。
アリエフ
- >53 御自身で研鑽願います。
重量配分というのも注目すべき要素ですが、これも一筋縄では行きません。
進化した複合装甲のお陰で各種性能の優先順位の変化が必ずしも重量に反映されない部分がありますね。
大切なことは戦車に対する考え方がどのように移り変わったか、という点でしょう。
あまり複雑に考えずに普通に性能を比べてそこで長短を見出してその理由を後からじっくり考えれば良いのです。
自分で歴史を創り出す必要はありません。
BUN
- 小生からも少しコメントを投稿したいと思います。
コメント内容は、
検索キーワードの紹介と、
質問者さんの求める数値化は意味があり、データさえ十分あれば各国の比較は可能であろうという小生の所感です。
まずOplotさんがご質問の数値配分ですが、学問的には関連する分野があると思います。
具体的には、階層型意志決定法AHP(Analytic Hierarchy Process)がその一手法にあたります。
AHPとは何ぞやという基本的なところは別途勉強してもらう必要がありますが、
google検索を活用すると、まだご自身で調べる余地は残っているのではないかと思います。検索キーの一例として
battletank
AHP
analytic hierarchy process
valuation
などはいかがでしょうか。(答えにたどり着く保証はできませんので、無理に検索する必要はありません。)
一方で事前にお知らせしておくこともあります。
AHPの手法をマスターされても、残念ながら素人では、戦車に対して活用することはできないと思います。何故かといいますと、AHPとはその道のプロ達が共有する各要素の重み付けを数値化する手法であるため、どうしても、その道のプロに対するアンケートなり意識調査なりが必要になってくるためです。
各国の戦車の各要素に対する重み付けに共通性がみられるかどうかは、
各国の陸軍に対して意識調査を行い、それを国ごとに数値化したうえで、比較検討する必要があります。
しかし、なかなかデータが集まらないでしょう。
ちょっと文章にまとまりがありませんでしたが、以下、戦車とAHPに関する所感です。
1)素人が戦車選定に対してAHPを活用することは、事実上無理と考える。
2)しかし、AHPで戦車を評価した論文等には、各要素の重み付けが"数値化"されて記載されている可能性がある。
3)上記2)の数値情報を比較することで、各国共通の概念があるのか/ないのかを調べることは可能。ただし十分な量のデータが収集できたらの話。
あまり面白味のない話ですが、
工学系の方なら、「モデリング/数値同定は十分可能だが、サンプリング周期を**以上にする必要がある」という例のほうが分かり易いかもしれませんね。
以上ご参考までに。
太助
- たとえば、90式戦車と10式戦車を比較すると、
ともに120mm滑腔砲装備で自車火力に抗堪できる防御力を持ち、同等程度の最高速度で車体重量は10式が10t軽いわけですが、
これを点数配分するとどのような差異になって現れるのでしょうか。
もう少しミクロに見ると火力、総合防御力、機動力とも10式>90式となるのですが、
この場合でも両者の得点配分に差は現れるのでしょうか。
質問者の方のご意見を伺いたく思います。
個人的には>3のとおり、「各要素とも1/3」が過去から現在までの不変のトレンドだと思いますが。
たかな
- 質問者の方がまだ見ておられるのかどうか分かりませんが、
見ておられるのなら、こんな表現もできるのか程度に眺めてくださいな。
仮に90式戦車の要素を
・攻撃力
・防御力
・機動力
で表現できたとして、それぞれの重要度は同等(1:1:1)だったとしましょう。
また総合性能を基準100としておきましょう。
これは例えば、半径が100で、
攻撃力120°/防御力120°/機動力120°に三分割された円グラフで表現することができますね。
一方で10式戦車は、
・攻撃力
・防御力
・機動力
・C4I
の要素で表現できるものとします。各要素の重要度は(0.3:0.3:0.3:0.1)と仮にしておきます。
総合性能はXとして、90式戦車との比較で求めるものとします。
90式戦車と10式戦車を何をもって比較するかですが、
今回は正面装甲のRHA換算値で行うものとし、10式戦車は90式戦車と同等の数値であるとしましょう。
すると、
90式戦車の防御は"総合性能100×防御力の重要度1/3"つまり"100/3"という値をとり、
10式戦車の防御は"総合性能X×防御力の重要度0.3"つまり"0.3X"という値をとります。
あとは、100/3=0.3X を解くと、
10式戦車の総合性能は約111と求めることができます。
よって、10式戦車は
半径が111で、
攻撃力108°/防御力108°/機動力108°/C4I 36°に四分割された円グラフで表現できます。
こうして作成した円グラフを眺めると、性能の高そうな戦車ほど大きな円で表現されますね。
要素のなかに価格(取得価格、運用経費、ライフサイクルコスト)などを含めておくと技術面だけでない総合性能を表すことができるのかなとも思いますが、あまり要素を増やすのもよくないでしょう。
比較方法/表現方法はほかにもたくさんあると思いますし、また今回例示した方法も正しいとは限りません。(今回のは小生の即席です。)
ですが本職の人でもなければ、戦車の性能比較や共通概念の抽出に多少間違いがあっても誰にも迷惑はかかりません。
のびのびとやられるのがよろしいと感じます。
太助
- アリエフ、O点
網