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大和型戦艦の防御要領なんですが、司令塔やバーベットの側面は自艦の主砲に対し20000mで耐える、中甲板装甲等は30000mで耐えるとなっていたと思います。 ですが、司令塔の前面は側面より60mm薄く、バーベットの前・後面等も薄いです。 このような部位の厚さはどのように決定されたのでしょうか? Mk.63GFCS |
- 命中する割合が低いからではないでしょうか。
大和クラスの場合は射程が大きいので、相手の懐に飛び込んでいって射撃するというのは、想定されていないはずです。同航戦か、反航戦、つまり、並行しての砲撃戦です。この場合、被弾率は、舷側側のほうが、首尾線側より高くなります。
そして、同級は、集中防御方式をとっていますので、被弾する可能性が低い部分は軽い装甲、場合によっては貫通してもよいという考えになります。したがって、旋回するターレット部ならともかく、同じ側を向けるはずのバーレット部や司令塔は舷側部重視ということになり、曲面部により補うという考えではないかと思っております。
もっとも、こちらは装甲の厚さが異なっていたことも知らなかった素人ですので、誤りがあったとしてもお許し下さい。
hush
- 厚さを減らした理由は恐らくそれだろうと思っています。
ただ、具体的に何ミリ減らすか、というのをどういう基準に基づいて決定したのかが知りたいのです。
つまり、46cm砲弾に対して20000mから30000mの防御力を舷側装甲や中甲板装甲、司令塔やバーベット側面部の装甲厚を決定する基準としたのなら、それ以外の場所の基準は何だったのか、ということです。
Mk.63GFCS
- 松本喜太郎著「戦艦大和 設計と建造」の「第三章 防禦計画について」に「甲鉄厚の計算」の項があり、弾丸と甲鉄の均衡状態を求めるのに「日本海軍では・・・Jacob de Marre氏の式を・・・用いていた」とあります
甲鉄面に対して斜撃となる場合は撃角に対応する撃速修正率FMを実験により求める必要があるとのコトです
46糎弾についてのFM曲線は焼却処分されたので陸奥設計時の40糎弾のデータを参照すると、撃角30度のトキはFMが1.4つまり撃角ゼロ時の1.4倍の弾速で均衡するコトになります(逆に言えば弾速×1/1.4に対応する甲鉄厚で良い)
駄レス国務長官
- ええと、そういうことではなくてですね。
舷側装甲や中甲板装甲は46cm砲弾に対し20,000mから30,000mの間で安全距離を持つことを基準としています。
しかし、hush氏の言う通り砲弾が当たりにくい部分もあり、そこは薄くなっているわけです。
となれば例えば安全距離を40cm砲弾に対し20,000mから30,000mや、46cm砲弾に対し25,000mから35,000mというように基準が下げられていると思われるのですが、具体的にどれぐらいに下げられたのでしょうか?
ということを聞きたいのです。
説明が下手ですみません。
Mk.63 GFCS
- 知識は無いので受け売りですが、ここ興味深いですよ。
下記を検索して見て下さい。
おまけ2 艦砲と(略)日本戦艦編
バーベット後面に付いては、そこに砲弾が至るまでに砲弾のエネルギーを殺す要素が沢山有るかと思います。で、史実の様な厚さになったのかと。
暇人
- バーベットの露出部は厚かったですね。560?
暇人
- 2万での貫通力が垂直490mm程度で考えて舷側410mm傾斜20°やら司令塔の500mmなのでしょう。条件は満たしているのでは無いでしょうか。
敵艦を発見しまずは距離を詰める(前面の防御力が必要)主砲は敵艦の方を向いているので前面と天蓋が耐えれば良し。で、hushさんの書いた通り同航戦か反航戦で撃ちあうので、むしろ側面は強化されているのかと。
主砲塔の側面に付いては、敵主力漸減してくる筈だった対巡洋艦防禦で良しとしたのでしょう。8インチ砲の貫通力とか調べられると良いかと。
暇人
- 大和型の46cm砲はVC鋼鈑に対し20,000mで566mmで、これを基準に設計が行われたと思っていたのですが違うのでしょうか?
本来ならVH鋼鈑に対して行わなければならないのでしょうが、実用化されたのが確か1937年で大和が起工する年、設計には間に合わずやらなかったものと考えていました。
566mmとした場合、司令塔やバーベットの側面とほぼ合致する値だと思うのですが。
494mmというのは36cm砲をクラスAアーマーに打ち込んだ時のデータに基づいてアメリカが試算した値で、実際に撃って出た実測値では無かったと聞きます。
これが本当ならば、値はあまり信用できないのではないでしょうか?
Mk.63GFCS
- 戦艦の舷側装甲の厚さは、敵艦が丁度真横かつ最直近の安全戦闘距離(大和であれば20000メートル)に位置しておれば、艦の進行方向を多少傾けるようにすることを考慮して決める(従って、正撃の場合の必要厚さの90パーセント程度とする)のが原則です(初期の世界の艦船の旧海軍造船官。例えば、福井氏のネルソン型戦艦に関する論文)。艦の丁度前方や後方の場合も、ケースとして希であり、万が一そのような場合には多少進行方向を傾けることにより対処するものとして、薄くしているのだと思います。
UK
- 勿論、それは知ってます。
私が知りたいのはバーベットや司令塔前面など、垂直においてるのに薄かったりする部分のことです。
Mk.63 GFCS
- 薄くした部分に個々に安全距離を設定するのでなく装甲板の規格厚に従って(例えば1インチ刻みに)薄くしてるだけだと思いますけど
駄レス国務長官
- そんな雑な手段で決めていたんでしょうか?
Mk.63 GFCS
- 決して雑だとは思いません
工業製品として常道的な手段だと思いますけどね
司令塔だと560mm(22インチ)の下は500mm(20インチ)ですから変化率は9%に過ぎません
雑なのはむしろ>4.の方でしょう
>例えば安全距離を40cm砲弾に対し20,000mから30,000mや、
↑ だと一挙に1.5倍の変化率です
駄レス国務長官
- >8
>20,000mで566mm
その数値は見ますね。過去ログで他の数値も有ったかと思います。
バーベットに付いては前述の通りと思います。
UKさんの意見は貴重なのでは無いでしょうか。
それに置いては要目を満たしていませんか?
暇人
- 駄レス国務長官さん
あくまであの値は例として適当に出しただけです。
私が言いたかったのは側面部などと比べて若干重要度が低いとはいえ防御のための装甲板の厚さを防御の観点から決めないのは雑なのでは雑なのではないか?ということです。
暇人さん
いま読み直したら私の認識が他の方の回答とごっちゃになっていたようです。
なので10番の回答は取り消します。
すいません。
Mk.63 GFCS
- すいません。
雑なのでは、が二回入ってしまいました。
Mk.63 GFCS
- 10> 垂直においてるのに薄かったりする部分
意味不明です。舷側装甲は、最初から20度の傾斜がついています。このため、進行方向を例えば同じ様に10度変えても、舷側と司令塔前面の様な垂直部分とでは、弾丸の撃角が相違してきます。従って、必要な厚さ、あるいは薄くできる割合は変化します。
UK
- >15.
例えば英KGV級(新しい方)だと背負式砲塔(A・B)のバーベットは側面の12-3/4インチに対して前後方向の外面(Aの前面・Bの後面)が11-3/4インチ、内面(Aの後面・Bの前面)が10-3/4インチになってますからタマの当たる確率(防禦の観点)と製造都合を適宜按配して決めてるのは明白じゃないでしょうか
>17.
質問者様は>15.で「10番の回答は取り消す」と書いてますけど
駄レス国務長官
- なるほど。
ではその手段を用いるとした場合、実際に何mm減らすかというのに細かな基準はあるのでしょうか?
当たる確率、製造の都合はこの艦型の場合、こういう状況だから○○mm減らします、みたいな。
Mk.63 GFCS
- 計画主任の勘と経験と度胸じゃないでしょうか
駄レス国務長官
- 堤明夫氏にお尋ねしてみた所、設計者が既に亡くなられている為、詳細は分からないという事でしたが、御話の内容からする限り、流石に勘や度胸ではないと思います。
Mk.63GFCS
- >19.で仰せのような「細かな基準」を確立するためには膨大なデータの蓄積と検証、理論式の導出などが必要なのはご理解いただけるかと存じます
それらが整わない場合は設計者の直観力・洞察力に頼らざるを得ないわけで>20.で「勘」と書いたのはそういうコトです
「経験」は先行事例と実戦での戦訓ですから異論は出ないでしょう
「度胸」はいろんな条件に優先度を付けて計画を一本にまとめ関係者を動かす決断力・統率力を意味します
ようは「設計者のセンス」が最重要でこれが無ければいかに「細かな基準」をいじくってもろくなモノは出来ません
以上を以って当方の回答を終了します
駄レス国務長官
- >21.
当該サイトを見て参りましたが堤氏の回答のキモは
「つまり艦船の設計というものは、決まり切った理論や数式で単純・簡単に計算して出来上がるというものではないということです。」
これすなわち「設計者のセンス」に他ならないと言うコトじゃないでしょうか
駄レス国務長官
- ふむ、なるほど。
確かにそうかもしれません。
Mk.63GFCS