852 駆逐艦の天津風なのですが、タービンに蒸気を供給するのにどの様にして温度と圧力を合わせていたのでしょう?以前、蒸気線図を見ていたときに単純に圧力を下げただけては温度は合わなかったと記憶していますどの様にしていたのでしょう?
青江

  1. 主缶より主機に至る管路の流動抵抗と自然放熱によりとうぜん圧力も温度も下がるのを見込んでいます
    駄レス国務長官

  2.  小生には、質問の意味が不明です。1.ガスタービンほどではないが、蒸気タービンは、予め定められた(設計されている)条件を外れると効率が悪くなります。2.また、圧と温度の他に蒸気の量も運転に重要な条件となります。3.タービンに供給する蒸気の量や温度は、運転に使用するボイラの個数、各ボイラあるいはタービンの弁の個数や開度により調整されます。4.その他、運転に用いるあるいは蒸気を供給するタービンや海水温度等も関係します。
     従って、蒸気線図にきちんとは合わないことも多々あり得ます。
     御質問の天津風の場合、どのような条件であり、どのように合わなかったのかが全く不明です。
    UK

  3. >2
    そんなに質問の意図を穿って推測する内容でしょうか?
    私は単純に、天津風では40kg/cm2・400℃に対応する缶から、陽炎型の30kg/cm2・350℃対応主機へはどのようにして蒸気条件を合わせたのか、と読みましたが。
    鯛茶漬け

  4. 天津風は主缶出口で40kg/cm2・400℃、主機入口で35kg/cm2・385℃と計画されてます(質問者様もこれらを把握された上での質問と思います)
    いずれも計画値ですから実際の運転では圧がこれよか下がることもあれば温度もこの通りになるとは限りません
    天津風と蒸気性状同一の島風の公試運転では主機入口で
     基準速力 18.21kt 33.1kg/cm2 321℃
     巡航全力 21.37kt 35.5kg/cm2 343℃
     過負荷全力 40.90kt 31.4kg/cm2 407℃
    と記録されてます
    過負荷全力で圧が下がってるのは蒸気消費量が著しく増大したため主缶の蒸発力がやや追いつかない(蒸気に追われる)状態と推測します
    一方で温度が計画値を超えてるのは主缶の燃焼度が増大したため過熱器周辺の缶内温度も相応に上昇したものと推測します
    駄レス国務長官

  5. 3>
    判りました。
    なお、天津風のタービンは、陽炎型と同じではなく、ボイラの条件に合わせて製造されていると思われます。当然、1で記されているような事項が考慮されている筈です。また、ボイラの容量も、要求されている馬力に合わせて島風のボイラより小型化されていると思われます。
    UK

  6. 天津風はエコノマイザーを装備したと聞いたのですが、これって何か関係がありますか?
    排熱で缶への給水を熱する装置らしいですが。
    デスコン

  7. エコノマイザー(収熱器)は燃費改善が目的で蒸気性状には直接関係ありません
    駄レス国務長官

  8. 「旧海軍蒸気タービン変遷発達の歴史的視点序論および武田の分析」赤川 浩爾 (神戸大学)
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jime2001/41/1/41_1_47/_article/-char/ja/
    という論文からの情報ですが、海軍では艦艇個々に蒸気の圧力、温度が異なると建造が煩雑になり不経済である事から、蒸気条件の標準化が行われたそうです。残念ながら論文には実施された年代が記されていませんが、典拠は所謂「渋谷文庫」(神戸大学附属図書館海事科学分館)からですので、そちらに詳しい情報が有るのではないかと思います。
    標準化が陽炎の建造以前であったとすると、陽炎は缶圧力30kg 缶温度350℃ タービン圧力26 タービン温度335℃(論文「表1」の4段目)という標準値、天津風は缶圧力40kg 缶温度400℃ タービン圧力35 タービン温度385℃(論文「表1」の5段目)という標準値それぞれに応じた設計、弁・コック等の標準部品によって造られたという事になるかと思います。また、論文中には「天津風では5.2万馬力で最高圧の40at,400℃ の艦本式タービンが建造されている。」と有ります。
    Luna

  9. > 8.
    社団法人 生産技術協会が昭和28年に発行した「機関計画内規」P43に「機関計画内規0400 蒸気の圧力及び温度」として一覧表が掲載されてます
    制定は昭和8.1.5、第1回改正昭和11.10.28、第2回改正昭和16.8.15とあります
    なお> 4.で「主機入口」と書きましたが正確には「蒸気室」(高圧タービン初段に対する蒸気ノズル弁の直前)になります
    また> 4.の数値は計画全力(10/10)に対するもので後進全力や巡航全力ではやや低くなります
    駄レス国務長官

  10. どうもありがとうございました。
    天津風の場合、タービンの形式以外は缶の性能に合わせて製造されていて、しまかぜの実験にふさわしい物だったのですね。
    青江の


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