696 |
初質問ですが宜しくお願いします。 戦艦の散布界の要因とは何でしょうか? 以前は斉射のエネルギーを吸収仕切れないと、散布界が拡大すると認識しておりましたが、果たしてこれは正しいのでしょうか? そもそも揺れは動揺安定装置や駐退機等で吸収される筈ですし。 アイオワの散布界の悪さは細長い船体による安定性の悪さにより、主砲の衝撃を吸収仕切れていないからだと思っておりました。 これも間違えているのでしょうか? キャロライン |
- それについてはまずこちら ↓ を参照なさるのが宜しいかと
http://navgunschl.sakura.ne.jp/koudou/riron/nyumon/nyumon_main.html#sec_05
駄レス国務長官
- 質問そのものが可笑しい、はっきり言って理解そのものがなってない様です。
1.斉射のエネルギーとはどの様な概念でしょうか。吸収とは、何がどの様にして吸収すると思っていらっしゃるのでしょうか。
2.このエネルギーの吸収と散布界の大小の関係をどの様に考えていらっしゃるのでしょうか。
3.例えば、戦艦大和に動揺安定装置が付いていたのでしょうか。また、駐退機は、砲身の後退を和らげる物です。こんな物は在ろうが無かろうが、ともかく反動の力は、船体に伝わります。
4.船体が細長いと何故安定性が悪くなるのでしょうか。
5.主砲の衝撃を船体が吸収しきれないことと、動揺安定装置及び駐退機との関係をどの様に考えていらっしゃるのでしょうか。
この、QandAを最初から読まれることをお奨めします。
少しだけ回答しますと、1.現在の技術でさえも、幾ら精密に製造したり観測したりしても、ある程度の誤差、ひいては着弾位置等のバラツキは避けられません。
2.発砲時の砲身の振動、船体の撓みはこれまた正確な制御が困難です。またこのため、船体に関して言えば。大砲の口径等に応じて排水量、船体強度等が必要です。大和の時代であれば、6インチ砲ならば6000トン。現在は、もっと大きいと思います。
3.大口径砲は、船体の動揺と整合を図りつつ射撃します。整合は、人間が行います。このため、動揺周期が重要になります。フッド等とビスマルクの砲戦で後者の命中率が良かったのは、キール運河を通過可能という要請のため艦幅を大きくしていたため、発射台としての安定性が優れていたのが大きな理由といわれています。
4.船体の安定性は、主に船幅によります。
以上です。
UK
- >>1のリンク先で触れていないことを追加するなら、砲身の熱による変形があります。
砲身は金属でできているので熱せられれば熱せられた部分が熱膨張を起こして砲身そのものが歪んでいきます。
日露戦争以前の海戦はWW1やWW2の頃の感覚からすると0距離といってもいいくらいの近距離で行われておりますが、これは砲身の熱による歪みのため、7発以上撃ったら遠距離射撃が困難になるから近距離まで接近するしかなかった・・・という理由もあるそうです。
砲身がどの方向へどれだけ歪んでいくかは砲身ごとに違っており、砲身の作成時の品質管理では今でも管理できません。また、同じ砲身でもその時の気象条件等によって冷め方も違いますし、射撃の間隔によっては温まり方も違ってきます。
だから1門の同じ砲を固定して使ったとしても、着弾位置は同じにはならないのです。
現代ではレーザーで砲身がどの方向へどれくらい歪んでいるかをいちいち計測して補正するような方法が実用化されています。
>>2
あまり言うべきことではないかもしれませんが、質問がわからないなら無理に回答しなくていいんですよ。
おうる
- >>3
>砲身の熱による変形があります。
>これは砲身の熱による歪みのため、7発以上撃ったら
あるそうです、ではなく根拠は何に基づいておられるのでしょうか?
そして熱変形が単砲での散布を生じる他の原因と比較してどの程度の
大きさになるのでしょうか?
是非ともご教授をお願いいたします。
艦船ファン
- >>4
具体的な資料に接したことはありませんので、ほかの影響と比べてどうかは何とも言いかねます。だからこそ「あるそうです」という言い方をしました。
7発以上云々というのは野村実著「山本五十六再考」の中の記述からです(本はどこにしまったかわからないので未確認、記憶違いがあるかもしれません)。
おうる
- >>5
要するに>>3のご発言の確たる根拠はお持ちではない、ということですね、了解です。
艦船ファン
- >>6
熱膨張は金属の宿命、熱による砲身のゆがみも同じですから、疑う理由はないと思っています。
むしろ散布界への影響を疑うべき理由があるのであれば教えていただきたいくらいです。
おうる
- >>6
砲身過熱による弾道の影響は戦車レベルの近接砲撃ですら大きな影響をもたらします。
戦車兵が可能な限り固有の車両で訓練をするのも車両ごとに砲身過熱時の「歪みの癖」が異なる為で、これに対応する為に90式戦車等はレーザーによって砲身の歪みを検知する事で可能な限り誤差をなくすように設計されています。
艦砲ではなく戦車砲ですが、熱による歪みに対し専用装備を必要とするという事実がどれだけ影響があるかを物語っていると思います。
薩摩
- >>7
金属である以上歪みが出てくるのは避けがたいでしょうが、それが弾道に
どれほどの影響があるのか、ですね。
しかしながら、旧海軍においても、そして現在の専門書でも、その影響を
採り上げるほどのものは全くありませんね。
ましてや日露戦争以前の砲戦で近距離にならざるをえなかったのは全く
異なる理由であって、熱膨張うんうんは全く関係ありません。
教えて欲しい、ってこれを持ち出したのはそちらですが。根拠もなく発言
されたのでしょうか?
艦船ファン
- >>8
>車両ごとに砲身過熱時の「歪みの癖」が異なる為で、これに対応する為に
「癖」というのは別にこの要因に限ったことではないのでは? むしろ他の
要素の方が大きいはずですが?
是非ともこの要因による「癖」がどれほど大きく、かつどの様にレーザーに
よる歪みを検知“していくのか”の「専用装備」の方法をご教示願いたい
ですね。
艦載砲ではこのようなことは射撃においては全く考慮(問題に)しませんし、
また実際にその必要性もなく全く問題しに射撃実施可能です。
ましてや120発/分の76ミリSRF砲でもそのような装備もなく射撃を
行っております。
まあ、射弾散布を前提とした艦載砲と異なり、単発命中公算に頼らざるを得ない戦車砲ではそこまでして生き残らざるを得ないということなのでしょうが、
そもそも要求される射距離が全く比較になりませんので、散布に対する要求が
異なります。
したがって、本来の質問の命題からは戦車砲にどれだけ影響がある云々は別時限のことですね。
艦船ファン
- >艦船ファンさま
質問の内容をよくご確認ください。
散布界の要因は何が考えられるか?が質問であって、どの要因がどの程度影響するか?ではありません。
また、水冷式の砲身を持つ現代の艦載砲を持ち出して、熱による影響はないと言われても説得力がないと思います。
質問の対象である戦艦の主砲には強制冷却装置なんてありません。
戦車砲では軍艦のように豊富な冷却水を確保できないので、サーマルジャケットを採用したり、>>7で紹介しているようなレーザーを使って砲身のゆがみを検出して弾道計算を補正するシステムもあります。
熱による歪みが無視してよい程度のものなら、こんなシステムをわざわざ開発したりする必要はないでしょう。
まして例に挙げられたOTOメララの艦載砲は連射が基本で、射撃しながら自動で弾道補正しますよね?
連続射撃しながら弾道を観測して自動で照準を補正し、しかも強制冷却砲身で温度は一定に保たれる現代の砲を基準に、「熱による影響はない(無視していい)」というのは強引すぎるし、質問に対する回答としても不適当だと思います。
おうる
- >>1のリンク先にアクセスできないので内容が被るかもしれませんが。
90式戦車・10式戦車に搭載のレーザセンサは砲歪みを検出するものでしょうが、
http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/7d/tk_history.html
おそらく熱による一定方向への砲の歪みをとらえる訳ではないと思います。砲は「左曲がり」→「真っ直ぐ」→「右曲がり」→「真っ直ぐ」→「左曲がり」→「真っ直ぐ」→・・・と振動しており、レーザセンサで「真っ直ぐ」なタイミングを捉えて発砲するのでしょう。90式戦車の開発時期からは後ろにずれますが、添付の特許が三菱重工業から出ています。
http://www.j-tokkyo.com/2008/F41G/JP2008-309375.shtml
さて、何故90式戦車にレーザセンサがあって74式戦車にないのか?理由は年代的なものもあるのでしょうが、開発当初、砲弾にAPFSDSを考慮していたかどうかが大きいのではないでしょうか。バロッティングの問題です。
質問に戻って散布界の要因ですが、「火器弾薬技術ハンドブック」にもそれらしいことが書いてありますので、良かったら参照して下さい。キーワードは「跳起角」「MCV」「MAV」です。
http://www.ciar.org/ttk/mbt/papers/symp_19/LD04_239.pdf
http://www.mod.go.jp/atla/nds/Y/Y0006B.pdf
太助
- >>11
>質問の内容をよくご確認ください。
そっくりそのままお返しします。 考えられるありとあらゆる要因を何でも何でも列挙すれば良いというものではありません。 散布界に影響する“有意”なものをその原因としてあげればよいのであって、影響が微少なものまで言い出しても意味のないことです。
したがって、弾道理論及び射撃学において、熱変形が重要な要因として列挙されたことは昔も今もありません。
>射撃しながら自動で弾道補正
射撃指揮装置で観測した射弾偏倚の中心を補正することはできますが、これは熱変形に対処するためのものではなく、偏弾原因の“全て”に対するものです。
>水冷式の砲身
砲身のエロージョン防止のためですよ。
いったいどこにご主張のようなことが書かれているのでしょうか? 散布の主原因を熱変形に持っていこうとするための“強引”なこじつけにならないようにご注意下さい。
例えば、単砲の散布が何故正規分布で説明されるのかをお考え下さい。 熱変形が大きな原因であるならば、時間と共に散布は特定方向に徐々に偏倚していきますので、まったく弾道理論も射撃学も全く異なった説明が必要になりますが?
あれも考えられる、これはそのためでは、などと思いつきを述べられずに、きちんとした根拠に基づかれるようお願いいたします。
艦船ファン
- >>12
>砲弾にAPFSDSを考慮していたかどうか
そのとおりですね。 単発、高初速、近距離であるスムース・ボアの戦車砲では、散布要因として(他の要因の影響の程度に対して)熱変形“も”要対処の一つとなり得るでしょう。 その時その時の筒軸線の向きが重要ですから。
したがって、ご紹介の書籍では砲身の曲がりとして採り上げられ、これは「跳起角」(旧海軍、海自では「出行角」と言いますが)の項で「砲内的要因」の一つとして、スムース・ボアでのAPFSDS弾について説明しています。
当該ページの砲身の曲がりは別に熱変形についてではありませんし、また熱変形が“重要な問題として”他の項目でも記述されてもいません。 1100ページを越える大書ですが。
つまり熱変形が“どれだけ影響があるかを物語っている”などは当該書には一切ありません。
要するに、戦車砲のレーザー測定器を例に出しても、熱変形が散布に重大な影響を与えるとの主張の根拠には全くなっておりませんし、当該機器がその目的であるという説明にもなっていないということです。
艦船ファン
- 戦車砲の熱による歪みというのは冷えた砲身に日光が当たることで片面だけ熱膨張したり、射撃後の加熱された砲身が風や雨などで片面だけ冷やされ収縮することで起きるものです。
この対策としてイギリスのチーフテンを皮切りに各国戦車へサーマルスリーブが導入されていくこととなりますが、導入時期から見て影響の大きさが認識されたのは早くとも60年代以降ではないかと思います。
直接リンク出来ませんが、特許情報プラットフォームで「熱被筒」で検索すると74式戦車用(D型からサーマルスリーブを導入)らしき特許が出てきます。ここでは日光の影響を例にしてますね。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage
>12
こちらのアメリカで出された砲口照合装置の特許には砲身の垂れや熱による歪みの補正と書かれています。
http://www.google.com/patents/US4665795
>APFSDSを考慮していたかどうか
最初からAPFSDSの使用が前提だったレオパルト2も量産車への砲口照合装置採用は90年代に入ってからです。
expery
- >>13
>射撃指揮装置で観測した射弾偏倚の中心を補正することはできますが、これは熱変形に対処するためのものではなく、偏弾原因の“全て”に対するものです。
ですから、それを根拠に「熱の影響はない」と主張することはできません。さまざまな要因によって生じるバラツキが補正される機能を持っている砲で、特定の要因についての影響の大小を語るのは無意味です。
>砲身のエロージョン防止のためですよ。
結果的に過度な熱変形も防がれているんですよ。
>散布の主原因を熱変形に持っていこうとするための“強引”なこじつけにならないようにご注意下さい。
むしろ逆でしょう。
私にはあなたが熱変形の影響はないと強引にこじつけようとしているとしか思えません。
散布界に熱変形の影響がないことを主張したいのであれば、質問の対象となる砲と条件の近い砲やデータを提示すべきです。
また、私は熱変形を「主因」として主張してはいません。
どこでそのように主張していると勘違いなさったのかわかりませんが、私の一番最初の回答である>>3でも「>>1のリンク先で触れていないことを追加するなら、」と断りを入れています。
私は最初から数多くある要因の一つとして熱の影響を付け加えただけにすぎません。
熱変形の影響の大小は砲の型式違いどころか同じ型式の砲でも個体差があるため一概に言えることではありません。
一概に言えないという点ではほかの要因でも同じことです。
>>1のリンク先で挙げられている理由である「装填時の導環と施条との勘合具合、砲内弾道の微細な差異、砲身の振動の差異、砲口離脱時の砲弾の状態・姿勢の微細な差異、等々」に比べ、砲身の熱変形が無視できるほど小さいとは私には思えません。砲身のゆがみは「砲内弾道」に大きな影響を与えるはずです。
艦の動揺や砲の操作要員の影響に比べれば無視できるほど小さいのは認めますが、いずれにせよ>>1のリンク先にあるように砲の散布界は「色々な原因が複雑に混ざり合って生じるもので、単砲の誤差と同じく、現代においても理論的に計算することは不可能で、実射による統計的データを得る以外には方法は」なく、「どの要因がどれくらい影響する」というような説明など誰にもできないはずです。
にもかかわらず艦船ファンさまが砲身の熱変形だけをそこまで強く否定するには何か相応の根拠がおありのことと思われます。
「装填時の導環と施条との勘合具合、砲内弾道の微細な差異、砲身の振動の差異、砲口離脱時の砲弾の状態・姿勢の微細な差異、等々」に比べ、砲身の熱変形だけが無視しうるほど影響が小さい理由は何なのかご説明願いたいと思います。
おうる
- おうる さん
艦船ファンさんは弾着が広がる理由を砲身の熱変形に求めるのはおかしいと仰っています。
砲身の熱変形を考慮しない場合であっても弾着は広がります。夜戦の初段であっても弾着ばバラつくのです。
頭の中の理屈よりも、当時、一体、何が問題とされ、どう解決されていたかを調べるのが先ではないでしょうか。
BUN
- BUN様に反論するのはおこがましい気もしますが……。
第二次大戦中の長砲身戦車砲などと同じく戦艦の砲身は通常時には砲身先端部が「垂れて」いる状態ではないかと思うのですが……。
最初の射撃により砲身が温められる事で熱膨張による変形で本来の状態になり、2射目は1射目より上に弾着するようになる、これと同じ事が艦砲でも発生しているとは考えられないでしょうか?
勿論敵戦車をに対しほぼ直射の戦車砲と散布界で敵艦を包み込む艦砲では影響の度合いは全く異なると思いますが、さりとて影響が皆無とも考え難いです。
薩摩
- >>15
>>12でもお断りしておいたように、レーザセンサのお話は90式戦車・10式戦車についてのものです。これらの戦車は行進間射撃ができるだとか、トリガー押してもすぐ弾がでないとかいう噂を聞いたことがありませんか?これらの噂話(笑)から、90式戦車・10式戦車のレーザセンサは静的な歪みを検知するのではなく、動的な振動を検知し、適切なタイミングで戦車自体が発砲しているとの予想につながります。
さて、提示された特許には「砲身の垂れや熱による歪みの補正」とありますが、まあいいんじゃないかと思います。静的な歪み検知は、今からすれば世代が古い気もしますが。(特許の背景はちらっと読みましたが、本文は見ていないので、特許そのものの論評ではありません。)
ところで、「砲身の熱」は散布界にどれほど影響があるのかに対して各人持論があるようですが、実際はどんなものなのか、小生なりに見積もってみました。データを集めるのも面倒くさいので、手元のデータで簡単に。
1)戦艦主砲の熱による砲身のブレはデータがありませんので、戦車砲のデータをスライドします。使うデータは添付です。
Title :   Experimental Methods for Simulating the Thermal Effects of Gun Firing
http://oai.dtic.mil/oai/oai?verb=getRecord&metadataPrefix=html&identifier=ADA224351
戦車を半日野晒しにして、砲がどの方向を向いたかをプロットした図があります。散布界を角度で表すとして大体1ミルといったところでしょう。つまり0.001ラジアン。
2)対して戦艦主砲の散布界を角度(ラジアン)で表すといかほどか?距離20000mで散布界が200mとなるデータを採用すると、散布角度は200/20000で0.01ラジアンとなります。θが十分に小さいとき、tanθ≒sinθ≒θの近似関係を使っています。
結論)1)÷ 2)で砲身の熱影響は10%くらい。
実際は、砲身のズレからさらにその他の影響をうけて散布界を形成する訳で、なおかつ戦艦主砲の散布界は優秀なデータを用いましたので、現実は10%未満というあたりかと思います。これを多いとみなすか少ないとみなすかは各人の判断に委ねましょう。
なお、1)のデータは太陽光由来の熱ですが、だいたい晴天15分で射撃1回分の熱量になるようですね。
太助
- 日照や風雨と違って発砲による砲身の熱変形は中心軸に対称じゃないでしょうか
>18.
そのように都合の好い熱変形は考え難いです
駄レス国務長官
- >>16
貴殿がどの様なお考えを持たれようともそれは貴殿のご自由です。 しかしながらそれを公言される以上はその根拠の明示が必要です。
既に申し上げてきたとおり、艦砲射撃において、射弾の散布要因として砲身の熱変形が取り上げられたことは(私の知る限り)今日に至るまでありません。
取り上げられていないということは、それが問題にならない(程度の)ものであるということです。 それはつまり散布の原因として列挙する必要がないということを意味しているのです。 これは旧海軍でも海自でも、米海軍でもです。
例えば、駄レス氏ご紹介のサイトでは更に詳細に次の様に説明されています。
単砲における砲外弾道偏差:
http://navgunschl.sakura.ne.jp/koudou/riron/shokyu/dandou/tougai_ketsuron.html
斉射弾における散布:
http://navgunschl.sakura.ne.jp/koudou/ijn/shahou/riron/youso/youso_sanpu.html
したがって、もし貴殿があくまでも持論を固持されるならば、それが単なる思いつきや推論でないという根拠として、そのことが書かれている学術研究論文・専門理論書なり、教科書・教範類なり、あるいは砲機の取扱説明書なりのどれか一つを示されればよいのです。
たったそれだけのことです。 それを当初から指摘させていただいているのですが、お判りになりませんか?
後のことはまず貴殿がその根拠を示されてからにしましょうよ。
艦船ファン
- >>18
戦車砲の世界ではどのように解明され、どのように説明されているのかは知りませんが・・・・
艦載砲においては現在に至るまで「低温砲効果」(Cold Gun Effect)としての初弾低下の問題が砲身の曲がりとして説明されたことはありません。
この問題が存在することは古くから知られていますが、同一砲においてもそれが常に生起する訳ではありませんし、生起してもその仕方は定量的であるわけでもありません。 しかもこれが取り上げられるのは初弾についてのみです。
もしこれの原因が砲身の曲がり、特に熱変形の場合であるとするならば、初弾低下は定常的に生起するはずですし、同一砲においてはある程度の数量的把握も可能なはずです。 そして初弾だけではなく第2弾以降でも当然問題になってくるはずです。
もちろん現在でも射弾の散布や偏倚の原因が全て解明されているわけでもなく、ましてやその数値が理論的に把握されているわけでもありませんので、その中に砲身の曲がりが全く含まれていないとまでは言いませんが、少なくともそれが要因の一つとして取り上げられ、問題とされたことはありません。
(艦載砲では、かつて新砲の開発において、それまでの45口径から50口径にしようとしたときに自重で砲身が垂れ下がってしまい断念したということがありますが、これは本件とは別問題ですので。)
艦船ファン
- 納得はできませんが理解はできましたので自説を取り下げて撤退します。
ご迷惑をおかけしました。
おうる
- 返信が遅れて申し訳ありません…。
どうかご無礼をお許しください。
私が居ない間に、皆さん白熱した議論を交わされてたようですね。
おうるさん、駄レスさん、UKさん、BUNさん、艦船ファンさん、experyさん、薩摩さんの皆様に感謝致します。
キャロライン
- まあ発砲時の砲身加熱の影響もないとは言い切れませんので、あまり気にすることもないでしょう。>>20で言及されているように、発砲熱による膨張は「中心軸に対称」だと思いますが、同時に「軸方向への膨張」もあると思います。鉄の線膨張係数を参考にすると、100℃上昇で0.1%くらい砲身が長くなるはずです。
散布界は左右よりも遠近の方が大きくなる傾向があるようですが、これは発砲熱による影響の可能性があるかなと密かに考えていたりします。「砲身のばせば飛距離がでるか?」という問いには、装薬との関係もあり一概には飛距離が長くなるとはいえませんが、「飛距離が変化する」とは言えるでしょう。
一方で、砲弾が弾着する際には遠近方向に「落角」が発生します。その影響を海面に投影すると、落角45度で散布界は左右よりも遠近の方がsqrt(2)倍ほど大きくなるかなとも思いましたが。要因が正規分布に従うならば、大落角になるほど散布界の左右と遠近の差が小さくなると思いますが、実際はそうなっていないようですね。船体の動揺の影響も考えましたが、陸砲の散布界も「遠近>左右」となっていた記憶があります。
太助
- 19で太助さんがあげられた文献では「偏って掛かった(方向的・部分的)熱による歪以外では射撃の正確性に影響しない」ようなことを示唆していますが、艦砲の場合も、射撃の際の熱はトータルでみると実は平均化して砲身に影響するため、認知・計測できるような弾道の特定の偏差やばらつきを生むものではない、と理解すればよろしいのでしょうか。
とおり
- >>26
砲身の方向にはあまり影響しなさそうですね。
ただ>>25に書きましたように、遠近方向の弾道特性に効いてくる可能性があります。50口径の40cm砲なら100℃上昇で2cm。。。大きいと捉えるか小さいと捉えるかの判断はお任せします。
>>24
小生の名前がなく密かにショックを受けております。質問者さんの心には響かなかったのでしょうか(笑)
でも>>12の書籍はいいものですよ!!
太助
- >>25に自己レスですが、弾着時の落角だけ考慮しても意味ないかな?とすると、遠近散布界と左右散布界の差は初速のバラつきが影響しているだけでしょうか。距離20000mで200mだけ遠近散布界が大きいとすれば、率として1%程度の初速の幅があることになります(砲が適切な方向を向いているとしてですが)。この初速の幅の要因ですが、装薬の燃焼状態が大きいかと考えますが、>>25に記述したように砲身も100℃上昇で0.1%のびますから、これもばかにならないかもしれません。燃焼ガス温度では2000℃以上になりますしね。
それから、「火器弾薬技術ハンドブック」はいい書籍ですが値段も高い。手頃な価格なら「火器弾薬技術のすべて」が良いかもしれません。
太助
- 戦艦主砲ではないし、聞いたハナシだし、墓穴掘りそうだしで遠慮してたんですが…。
現用艦(ちょっと前の英連邦艦)が砲身根元に同軸で直型20センチほどの
皿アンテナを付けていて、で、カタコト日本語話せる乗員から聞いたんですが
なんでも打ち出した弾に電波当てて速度を測るんだとか。連射したときの熱の影響だとも。
熱変形(薬室や砲内径の膨張など?)なのか高温化でパウダーの効率が変わるのかなどの詳細は不明なんですけどね。
P.D
- >>29
単なる初速測定ですね。 エロージョンゲージの計測値や射表による発射弾数に応じた初速低下値と実際の初速が合っているかの確認のためで、どこの海軍でも同じようなことをやっています。
艦船ファン
- >19.
戦車砲と戦艦主砲では、砲身の長さが全く違う。
砲身は片持ち梁として考えることができますが、戦車と戦艦では弾性係数が
全く違うから、熱による変形量も全く違う。
データを提示されていますが、戦車主砲と戦艦主砲のポアソン比は合ってい るのでしょうか。
戦車砲のデータで戦艦主砲を推測するのは無理だと思います。
線形近似が不可能だからです。
>だいたい晴天15分で射撃1回分の熱量になる
晴天15分で与えられる熱量といっても、気温や湿度でずいぶん違う。
放射で伝わる熱量は絶対温度の4乗に比例する。
一方、対流で伝わる熱量は絶対温度ではなく、温度差に比例するからです。
信用できるのか、疑わしいと思います。
>25.
>要因が正規分布に従うならば
正規分布でないといけない理由はなんでしょうか。
そもそも、この仮定は、なぜ必要なのでしょうか。
じゃま
- 書籍によると、「一般に水平跳起角は、垂直跳起角に比し小さく、また垂直跳起角も通常4ミル以下」との記述がありました。垂直跳起角を1°≒4ミルとして略計算したところ、だいたい1%ほどの飛距離の差がでます。>>28で記述したような200/20000=1%という飛距離の差がこれで説明できてしまいました。よって初速はあまりブレないという結論になりますかね?
これで左右散布界と遠近散布界の差もある程度説明がつきますが、何故「水平跳起角<垂直跳起角」になるのかわからないのが残念です。
太助
- >>31
以前も書きましたが「小生としても、知識がないことは決して恥じることではないと思いますが、知性・品性がこうもない詭弁師の相手をさせられるのは迷惑です。」というのがあなたに対する小生のスタンスです。
狂人の相手をするつもりはもうないんだ。
ごめんね。
太助