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日本空母の飛行甲板について質問です 日本の空母の飛行甲板は艦首・艦尾部分が木甲板ではなく鉄甲板のままの空母が存在します。 特に加賀・飛龍又は蒼龍は艦首鉄甲板部分が大きいと思います(加賀はカタパルト運用実験のため、カタパルトを装備しやすい様に鉄甲板にしていた?) 木甲板ではなく鉄甲板にしている意味は何なのでしょうか? タイヨウ |
- 木甲板というのは、甲板を構成する鋼鈑に多数の孔を開け、大量の木材をコーキングしながら敷き詰め、ボルト止めするとう工程を必要とします。
費用や工期、資材が余計に掛かるので、木甲板である理由がなければ、しない方が良いでしょう。
赤城や翔鶴型以降で木甲板のエリアが拡大しているのは、艦首からの着艦(いわゆる逆着艦)を考慮したためではないかと思いますが、確証はありません。
YK
- さぐりさぐりの設計、建造だった木甲板の空母:鳳翔
艦首から艦尾までほぼ木甲板の空母:赤城・瑞鳳・祥鳳
艦首側鉄甲板下に格納庫等構造物がある木甲板の空母:加賀・(龍驤)・蒼龍・飛龍
格納庫スペース等構造物の上部にあたる部分が木甲板の空母:(龍驤)・翔鶴型・千歳型・飛鷹型・大鷹型・大鳳(諸説あり)・龍鳳
(龍驤の木甲板部分には諸説あり)
だいたいこんな感じだと思いますが、木甲板の役割は滑り止めと遮熱です。鉄甲板は滑り止め塗装が施されているので滑り止めだけが求められている場所ですね。
想像ですが、加賀から飛龍までは艦首側の鉄甲板下にある施設には人員が常駐する可能性が低い(仮に暑くても根性で耐えろ!)と考えられていたのではないでしょうか?
YKさんが仰るように、木甲板の設置は手間とコストがかかるので、木甲板の面積は小さければ小さいほど予算的にも工期的にも良いはずです。
・1936年起工の飛龍が加賀を踏襲した木甲板配置で、1937年起工の翔鶴が構造物上部が木甲板のパターンになっている。
・前方木甲板の有無に諸説ある龍驤が1935〜36年の第二次改装後に撮られた写真では艦橋上の部分まで木甲板になっている。
ということから個人的な想像ですが、
1.1930年台半ばに「赤城・加賀・龍驤の運用結果から鑑みるに、構造物の上部全体に遮熱用木甲板を張ったほうがいいのではないか?」という考えが出ていた。
2.加賀の木甲板配置を踏襲して設計された蒼龍・飛龍はとりあえずそのまま建造。
3.タイミングよく龍驤の修理・改装があったので実験的に甲板下に構造物のある部分を全面木甲板化。
4.それが好評だったので、それ以降の艦では基本的に構造物の上部にあたる部分は木甲板化
という流れだったのではないかと思います。
赤城・瑞鳳・祥鳳が遮熱が必要ない場所まで木甲板化していた理由はちょっと分かりません。
(赤城で全面木甲板をやってみたら予想以上にお金がかかったので後続の艦では節約のために木甲板面積を減らした→減らしすぎたのでちょっと増やした、とかどうでしょう?笑)
北霜
- >>2
重量軽減の為、という可能性もありそうですがどうでしょう?>特に祥鳳、瑞鳳
装甲化でなくとも鉄製である以上木甲板より重量はありそうですし、トップヘビー対策ではないかと愚考する次第。
薩摩
- >>2
私は、木甲板を艦載機に対する緩衝材と捉えて>>1の書き込みをしました(逆着艦に触れたのはそのためです)が、確かに甲板下の居住性向上という役割もありましたね。
龍鳳や祥鳳型などは飛行甲板下に羅針艦橋がありますし、翔鶴型以降の島型空母も格納庫の遮熱を考慮していたかも知れません。
加賀〜飛龍についてはご指摘の通りとして、千歳型については戦時下故の工期&コスト削減で木甲板が縮小されたものと考えます。(甲板延長後の鳳翔なんか顕著ですね)
しかし、赤城の飛行甲板は、どうなってるんでしょうね。
>>3
木甲板は甲板強度に寄与しないため、鋼鈑の板厚が減る(重量が軽くなる)ことはありません。
鋼鈑の上に張り足すので、むしろ重くなるのではないかと…。
YK
- 木甲板は広義の滑り止めと鋼甲板材の保守、防銹を目的に行われていました。
「光明丹」(鉛が主成分の朱色の粉末)からなる防銹材を鋼甲板に厚塗り、木板を
ボルト締めして密着、目止めも加えることで水分、海水の侵入を防ぎ、通常の保守
から手間のかかる防銹を省ける意味もありました。
ただ、鋼甲板材にボルト穴が貫通しているので、油(ガソリン)火災に対して
脆弱、危険でもあり、緊急発進用機(ガソリン積載、暖機運転も済ませて待機)
の駐機スペースを鋼甲板としたのかも知れません。
旧海軍では鋼甲板は亜鉛メッキのまま無塗装で、乗員が随時油拭きによる防銹
をしなければならないなど保守に手間がかかりますが、貫通穴は開いていないので
万が一の火災時、下層への延焼は免れます。
保守の手間もともかく「滑り止め甲板塗料」は存在しませんでしたから、乗員の皮靴に
しても艦載機のタイヤにしても亜鉛メッキ鋼甲板のままでは不都合も多かったと思われ
ますし、飛行甲板全体が滑り止めの効く木甲板とすることが望まれたと思います。
「鳶色の襟章」に「蒼龍」新造時に艦内貼付断熱材の取付けに新方式の「艦内外板に
スタッドボルトを直接溶接(イモ付け?)」を取り入れたとの記載があり、また、特に
問題も無く、工程も簡略化できたので以後、広範に適用されたともあります。
時期的にも赤城改装と翔鶴級新造に際してはこの新方式を反映した、
「鋼甲板に締付用スタッドボルトを溶接、ボルト位置に合わせてザグリ穴を加工した
木甲板材をナットで締め付ける」
が行われたのではと考えています。
製造工程は簡略化されますし、甲板材の貫通穴の心配も不要なので全通にきちんと
滑り止めの利く、木甲板を施せるわけですし。、
公式資料が有る訳でもないし状況証拠の私見なのですが。
また、赤城改装の飛行甲板が「隙間の充填材が目立ち、不体裁だった」と言われて
いるのも新工法による不慣れからなる誤差、不都合の補修の結果なのかもしれないとも
考えています。私見ですが。
P,D
- >>5
滑り止め塗料は存在しないのですか?
軍艦雑記帳下巻の空母の甲板の項で、鉄甲板部分は木甲板の前後が滑り止め塗装・舷側はストリップ付き鉄甲板とあります。
鉄甲板部分で人の通行のある部分は無塗装でストリップを取り付けますが、それが出来ない飛行甲板は滑り止め塗装(砂を混ぜた塗料)で仕上げているものだと思っていたのですが。
北霜
- >>6
手元にある第1種、第2種塗料の一覧にはそれらしいものはありません。
また、亜麻仁油にしても煮荏油にしてもバイオリン製作に使うような
木工ニスに類するものなので滑り止めを固着できるほどの塗膜強度が
有ったかどうかも疑問です。
P.D
- >>7
有難うございます。
確かに旧軍の塗料関連で検索して出てきた「運用術教科書」の塗料に関するページでは特に滑り止め用途の塗料に関しては書いてありませんでした。
飛行甲板は海面からかなりの高さがありますし、雨天での航空機運用は基本的には行いませんから、とりあえず亜鉛メッキでサビ止めだけ出来ていれば着艦時にあまり関係の無い艦首側は滑り止めは問題ないという考えだったのかもしれませんね。
北霜
- >>6
「滑り止め塗料」という塗料は存在しないのではないでしょうか。
例えば、護衛艦の飛行甲板も通常のデッキ塗料の上から砂を撒き、砂の上からシンナーで薄めたデッキ塗料を塗り重ねる事で固着させています。
海上自衛隊に「滑り止め塗料」は存在しませんが、「滑り止めされた鋼甲板」は存在します。
もっとも、日本海軍の空母に滑り止めがされていた、という確証もないので、あくまで参考情報という事で…。
ボルト溶接による工数削減という説は、説得力があり有力なお話と思います。
YK
- すみません、間違えました。
>>6 ではなく、>>5 です。
YK
- 皆さんご丁寧な回答ありがとうございます
下の質問にあるように赤城の改装費用が高額なのも手間のかかる木甲板部分が多かったから余計にかかった可能性もありますね
飛行甲板の木・鉄甲板の比率も艦橋の左右と同じように試行錯誤の最中だったのかも
タイヨウ