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駆逐艦と護衛艦の違いを教えてください。 仏像返せ! |
- 大まかに言って、駆逐艦は敵の大型の水上艦を魚雷で攻撃したり、見方の大型の軍艦等を5インチ程度の砲で守ったりする1000〜2500トン程度の高速発揮が可能な軍艦であり、主に第2次世界大戦まで用いられた(軍艦の種別に関する)概念です。護衛艦は、我国の自衛隊が保有する1000トン以上かつ船団護衛を主目的とする軍艦です。詳細は、世界の艦船等の雑誌を、古いものから最近のものまで数十年分の内適当な間隔で順に何十冊か読んで下さい。幾何学のみならず、何事も王道はありません。
UK
- 両者は異なる分類法による呼び方なので、両者は重複する場合(つまり護衛艦であり駆逐艦でもある軍艦)もあります。というか、駆逐艦とはもともと護衛艦の一種のことなのです。
護衛艦とは文字通り、ほかの船を敵から守りながら航行する…つまり護衛するための軍艦です。
したがって、駆逐艦だろうが巡洋艦だろうが護衛の任務についていれば「護衛艦」と称します。
駆逐艦とは敵(主に水雷艇)を駆逐するための軍艦です。
20世紀初頭ぐらいまでは軍艦といえば大きな艦に大きな大砲を搭載したものでした。当然、建造費も維持費も高く、小さい国では強力な軍艦をそろえることができませんでした。
そんな中で、魚雷が実用化され、一発で船体の水面下に穴をあけて巨大な軍艦でも致命傷を与えることができるようになりました。そして魚雷は小さい艦艇でも運用できたので、安価で軽快な小型艦に魚雷を搭載して敵の大型艦を攻撃しようという「水雷艇(魚雷艇ともいう)」が普及するようになりました。
せっかく多くの予算と人員を投じて整備した大型艦を安っぽい水雷艇にむざむざ沈められては割に合いません。
そこで、水雷艇から大型艦を守るための専門の小型軍艦が整備されるようになりました。水雷艇より一回り大きいその護衛専門艦は、水雷艇を蹴散らすための艦…つまり水雷艇を駆逐する艦なので「水雷駆逐艦」と呼ばれ、のちに「水雷」が省略され「駆逐艦」と呼ばれるようになります。
どの国でも大型艦に駆逐艦が随伴するようになると、水雷艇は安くて小さい艦艇で大型艦を撃沈するという戦果を見込めなくなり、やがて衰退していきました。
駆逐艦は水雷艇よりも大型(小型だったら水雷艇に勝てない)なので、当然魚雷だって積むことができます。そこで、駆逐艦に魚雷を積み、大型艦同士が打ち合っているときには水雷艇の代わりに敵の大型艦に向けて突撃し、魚雷で攻撃する任務も付与されるようになりました。このため、駆逐艦は水雷艇が衰退した後も生き残り、汎用性の高い小型戦闘艦として使われ続けます。
現在では外洋で作戦行動を行う比較的小型の戦闘艦を「駆逐艦」と称するようになっていますが、「駆逐艦」とはもともと護衛艦(それこそ護衛のためだけに作られた小型軍艦)の一種を指す言葉だったのです。
日本の海上自衛隊の場合は、自衛隊の成立経緯と日本の外交的立場の都合から専守防衛に努め、他国を攻撃するための手段ではないこと…そして日本は「軍隊を持っていない(当然、軍艦なんか持っていない)」という立場を名目的に堅持しなければならないため、このフネは専守防衛の手段であることの根拠の一つとして、保有する戦闘艦すべてを「護衛艦」と称しています。
おうる
- その艦を所有する組織が駆逐艦と定義すれば駆逐艦であり、護衛艦と定義すれば護衛艦です。
世界共通の定義はありません。
時代と国を指定しなければ、答えの出ない質問と存じます。
条約時代の駆逐艦、あるいは海上自衛隊の護衛艦については、UK様の仰る通り世界の艦船やJ-SHIPSなど市販の雑誌・書籍で回答が得られるかと思います。
YK
- >2
その話は主に「自衛艦」の情緒的な説明だと我慢して聞いても不適当ですし、潜水艦等を含まない「護衛艦」の説明としても間違っていますよね。
軍艦ではないと正当に主張するのであれば、自衛艦旗を降ろして士官が指揮を執っていない状態で民間人によって航海すればよいのです。これなら認めて貰いたくても認めて貰えません。
軍艦の定義は以下のようなものです。「護衛艦」は軍艦である「自衛艦」の分類の中にあるひとつの艦種に過ぎません。
海洋法に関する国際連合条約
第29条 軍艦の定義
この条約の適用上、「軍艦」とは、一の国の軍隊に属する船舶であって、当該国の国籍を有するそのような船舶であることを示す外部標識を掲げ、当該国の政府によって正式に任命されてその氏名が軍務に従事する者の適当な名簿又はこれに相当するものに記載されている士官の指揮の下にあり、かつ、正規の軍隊の規律に服する乗組員が配置されているものをいう。
BUN
- 護衛艦は海外では駆逐艦として扱われ、そのように呼ばれていることはネットでも見れば直ぐに解ると思いますが、それでは日本国内の世論に配慮して「護衛艦」と呼ばれているのか、というと、これもまた間違いなんですね。
ひとつの例として、こんなものがあります。
もうたっぷり半世紀も昔の昭和37年1月31日防衛庁一号館朝雲編集室発行の「日本の防衛」という自衛隊の広報宣伝を目的とした、かなり立派な出版物があります。
一般国民向けの平易な解説書兼写真集ですが、海上自衛隊の章では堂々と「護衛艦(駆逐艦)」と解説されています。
この時期はまだ戦車を特車と呼んでいた頃で、同書では「中型特車」といった国内に配慮した名称がまだ使われていますが、「護衛艦」は「駆逐艦」である、とちゃんと書かれているのです。
これは当時の国民に「駆逐艦」という用語の方が艦の性格や任務、機能を想起させやすいとの判断なのだろうと推測できますが、「護衛艦」という名称に「軍隊の船ではない」という配慮はまったく存在しないことがわかります。
「護衛艦は旧軍でいう駆逐艦なんだよ」と言っているのですから。
BUN
- >>4-5
ご指摘ありがとうございます。
確かに伝聞で聞きかじったことで話の根拠を確認もせずにそうなんだろうなぁと思い込んでいた話でした。
>>2の「日本の…」の件以前の部分では間違いはありますでしょうか?
おうる
- >>2 これは100%間違いです。
とんでもない話です。
BUN
- 護衛艦の位置づけはこちらをご参照ください。
http://www1.cts.ne.jp/fleet7/Museum/Muse008.html
BUN