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長距離砲は棒状の装薬で砲弾を発射するとのことですが、そうしますと戦艦の主砲も薬嚢に棒状の装薬が充填されているのですか? 参考URL↓ http://nekobako.sh4.jp/kikaku/aww/canon/02.html また、戦艦の主砲の薬嚢は絹製だそうですが何故、絹なのですか? ご存知の方おられましたらお願いします。 返信お待ちしております。 NEC |
- >戦艦の主砲も薬嚢に棒状の装薬が充填されているのですか?
あまり細長いと狭い艦内での取り回しが不便なので、だいたい口径の1.5倍くらいの長さの円筒状に分け、それを複数個縦に並べて棒状と同じ働きをさせます
>何故、絹なのですか?
すぐに燃えきるか、または燃えきらないまでも火がすぐ消えるからです
いつまでも燃え続けてると尾栓開けたトキに砲手が火傷したり、次の装薬装填したトキに火が付いちゃうでしょ
駄レス国務長官
- 装薬の形状は絶えず工夫が重ねられた歴史があり、国や時代によって違いがあります。
木綿や麻、スフ、レーヨンなど植物由来の繊維では、その主成分はセルロースですが、装薬として普通使われているニトロセルロース(綿火薬・コルダイト)に長時間触れていると、同じくニトロセルロースに変質し爆薬になってしまう可能性が少なからず存在します。
薬嚢自体が爆薬になってしまうのでは、キケンが危なくてしょーがないわけで。
ニトロセルロースに触れていても爆薬にはならないで、手に入りやすく比較的安価、しかも燃えカスが残りにくい(燃えカスが残ると砲塔内でひじょーにキケンが危ない)として、シルクが使われています。
まなかじ
- 補足。
触れているセルロースをニトロ化するほどの硝酸が残っているなら、保存中に変質して自爆したり不発になったりするような不良品なのですが、しかしそうした事故が実際に少なくないように、草創期〜20世紀初め頃のシングルベースは品質不安定なものでありました。
まなかじ
- 薬嚢円筒を複数個並べるのは知っていましたが、棒状装薬の効果をもたせることが出来るとは知りませんでした。
植物由来の繊維が爆薬に変質してしまう危険ありとは驚きました。
駄レス国務長官さん、まなかじさん。
回答いただきありがとうございます。
NEC
- 質問者が聞いているのは、薬嚢の中のペレットの形状のような気がするのですが。以下のページの真ん中たりに、カートリッジ式ではありますが、ペレット形状が分かる図があります。
http://www.navweaps.com/Weapons/Gun_Data_fixed_pic.jpg
くさの
- 戦艦や重巡クラスですと、管状のほか、紐や帯状のものを用いることで、コンパクトにまとめた薬嚢や薬莢に詰め込みます。長いと1mを超える長さのものもあります。
SUDO
- こちら↓ページに米海軍の16インチ/50口径砲の薬嚢の構造が示されています。
http://www.eugeneleesl
over.com/AMMUNITION/POWDER-INDEX.html
装薬自体は円筒形で、薬嚢内に規則正しくつめられています。
規則正しく積める理由については、説明文中に書かれています。
その装薬の実物は、こちら↓の写真の黒い円筒形のもの様です。
http://oldguns.net/pix/17064.jpg
あちらではミリタリーグッズ屋さんで販売されているようです。
http://oldguns.net/catho.htm
以上は米国の例ですが、泉江三著「軍艦メカニズム図鑑 日本の戦艦(下)」内の46センチ砲の薬嚢の説明によると"鉛筆のような形をした紐状無煙火薬を束にして積めてある"とのこと。また、薬嚢の材質については米海軍の絹に対し、日英海軍は純毛を用いたそうです。
れん太
- >薬嚢の中のペレットの形状のような気がするのですが。
>長いと1mを超える長さのものもあります。
戦艦の主砲にもペレット状の装薬が使用されている。その一方で棒状のものもある。まなかじさんが言ったように国や時代によって違うのですね。
>日英海軍は純毛を用いたそうです。
なるほど動物の毛なら爆薬に変質する恐れがないのですね。
装薬の実物の写真は初めて見ました。(練炭みたい…)
くさのさん、SUDOさん、れん太さん
回答いただきありがとうございます。
NEC
- http://en.wikipedia.org/wiki/File:BL12inchCorditeCartridge63.5lbsDiagram.jpg
紐状火薬ですとこんな風になります。
SUDO
- SUDOさん、紐状火薬のイラストを紹介いただきありがとうございます。
NEC
- ご参考までに。
装薬の形状について、それぞれの形状による特性については、例えば次のURLにある「砲内諸現象概説」の記事などをご覧いただくのがよろしいかと。
http://navgunschl.sakura.ne.jp/koudou/riron/shokyu/dandou/dandou_frame.html
なお、使用する火薬の種類による利害に加えて、形状の違いによっても利害得失が生じてきます。
紐状のものは製造が容易で、かつ初速800m/秒までは精度良好ですが、それ以上を要求するものではやや精度不良となります。
管状のものは最大とう圧を増すことなく初速を増やすことができますし、同一初速を得るのに薬量が少なくてすみますが、製造がやや難しくなります。またロゼット(蓮根状)は燃焼面積が大きいためN/C系(綿火薬)のもの適し、かつ精度良好ですが、砲熕炎や振動波を生じやすい問題があり、かつ製造が最も難しくなります。
因みに、日・英海軍は紐状、独海軍は管状、米海軍はロゼットを多く使用しました。
艦船ファン
- 装薬の形状・漸増燃焼・最大とう圧など様々な要因が重なって砲の威力が発揮されること深く感じ入りました。
艦船ファンさん、詳細な説明をしていただきありがとございます。
NEC