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すみません。質問お願いします。 学研の歴史群像「アメリカの戦艦」において、デラウェア級が、三番砲塔が缶室と機械室の間に挟まって三番砲塔弾薬庫が高温になって、弾薬が変質したりなど不自由を生じたとあるのですが、これは同様に砲塔が缶室と機械室で挟まれている金剛級や扶桑級では問題にならなかったのですか? あと、「日本の戦艦パーフェクトガイド」では、大和級の砲塔は不具合を生じなかったとしていますが、「アメリカの戦艦」では、不具合に悩まされたとあるのですが、どっちが正しいのでしょうか。お願いします。 月読 |
- 金剛型・扶桑型を含む英式設計では火薬庫と缶室・機械室との境界に2枚の横隔壁にて間隔1フィート以上の空所を設けて断熱を図ります
その他については著者より回答が有るかと存じます
駄レス国務長官
- 大和の砲塔と言うか主砲になりますが、公式文書等からは其れなりに不具合というか故障していた事が伺えます。
例えば、捷一号作戦の大和の戦闘詳報の戦訓には九四式四十糎砲機構の所に以下の様な一文があります。
『平素一門四、五発の教練射撃に於いてさへ故障絶無なるは稀なるを常とするに、今回は右期間中一件の小故障も生起せず順調に経過せり』
捷一号作戦中の無故障は『訓練及び整備』に関連していると書いているので、平素の訓練での故障多発については、乗員が不慣れな所為だと戦闘詳報では暗に結論付けている様です。
機構そのもについては、捷一号作戦中の無故障の戦例を受けて『九四式四十糎の機構が充分信頼するものなるを証するものと認む』とあります。
ただ、バグ出しが終わって居ない兵器という感は否めない様で、上述の様に“充分信頼”と結論付けながらも、『故障を生起し機構取扱に特に注意を要する点』として問題点を列記し『此の点に関しては速やかに改善を施し完璧を期するの要あり』と締め括っています。
訓練と整備をちゃんと行い人が努力する事でちゃんとは動くが、問題点がそれなりにある(発火装置誘導装置とか揚薬筐前扉開閉装置とか揚薬筐防火環開閉装置とか、かなり不穏当な問題点が15程列記されている)と言う事で、その辺を如何評価するかで、不具合があった/無かったという評価が分かれるかと思います。
伸
- 2番目についてですが、「日本の戦艦パーフェクトガイド」執筆後に担当した学研の「戦艦大和(歴群太平洋シリーズ50)」の原稿執筆時に、比島作戦時の戦闘詳報等等の一次資料を含めた資料を改めて参照したところ、「大和」型の主砲塔機構に問題が生じていたことを伺わせるものがありました。
このため、同著で「以前機構的な不具合がなかった旨申し上げたことがある」ことを記載した上で、問題点と思われた点について本文に書き記しました。また以後の著作で「大和」型の訪島に触れる際には、同著の内容に沿う形で内容を記しています。
大塚好古
- 了解いたしました。
皆様、丁寧なご回答どうもありがとうございました。
月読