112 いつも参考にさせていただいております
空母海鷹について質問です
海鷹は海軍関係の搭載機資料だと他の商船改造小型空母と異なり艦攻でなく九九艦爆が搭載機として設定されています
これは飛行甲板が短いため艦攻が積めず九九艦爆となっているのでしょうか?
それとも何か別の原因があるのでしょうか?
ふあはん

  1.  学研「日本の航空母艦PG」や川崎まなぶ氏の「マリアナ沖海戦」によると、海鷹は九七艦攻を搭載したとされていますし、海鷹に搭載機を派遣していた九三一空も艦攻部隊です。
     昭和17年9月〜11月の間、大鷹の搭載機が艦爆5と設定されていたこととの混同等ではないでしょうか。
    T216

  2. T216様、調べていただいたようですみません。ありがとうございます
    現実にどのような機種を搭載したのかではなく、何故海鷹だけが九九艦爆搭載設定されたかがよく解らないのです。具体的には
    「特設航空母艦要目表」昭和十七年七月十八日付
    では「戦闘機18 艦攻6」なのですが
    「同時発艦可能機数調」昭和十八年六月十一日付
    「空母及搭載関係報告資料」昭和十九年十月十六日付
    の二つの資料では「零戦18 九九艦爆24」となっているのです
    (他の商船改造小型空母は全て艦攻なんですよね)
    また海鷹の公式図にも九九艦爆が格納庫に描かれており
    なぜ、海鷹には艦攻より九九艦爆を指定してようとしていたのかが疑問に思えたのです

    ふあはん

  3. 海鷹はミッドウェー後に着手された艦です。
    19ノットの低速と小型であることから、同時発艦機数は雷装艦攻の場合、1機でしかなく、戦闘機主体の直衛空母案等が検討されています。
    主機換装で高速化した後に、艦爆の搭載が意識されるのはもともと艦攻に適さない小型艦であることと、ミッドウェー後の対空母攻撃任務の補強を意識した点にあるのかもしれません。

    ただ、公式図に描かれている機種と、実際の搭載計画とは必ずしもイコールではありませんからそこも承知しておく必要があると思います。公式図に描かれている意外な機種ということなら他の有名搭載艦にも例があります。
    BUN

  4. BUNさん回答ありがとうございます。大変参考になりました。
    >19ノットの低速と小型であることから、同時発艦機数は雷装艦攻の場合、1機でしかなく、戦闘機主体の直衛空母案等が検討されています。
    これは昭和十七年六月十一日付の「アルゼンチナ丸級調査」のお話ですね(違ったらごめんなさい)
    なるほど資料をよく見ると「九九艦爆7機」の記述がありました
    やはり発艦能力に懸念があった可能性がありますね
    あと直衛空母案ですが、おそらく最後の一行のことを指していると思われますが、
    「上空直?母艦」となっていて?が判読できないのですが、これって衛なのですかね?
    また、これ以外の資料で直衛母艦案を示すものは存在するのでしょうか?
    >公式図に描かれている意外な機種ということなら他の有名搭載艦にも例があります。
    なるほど勉強になります。浅学のため資料に振り回されております。お許しを。

    ※すみません。回答欄間違いました
    管理人様お手数ですが削除していただければ幸いです
    ふあはん

  5. よく調べられていらっしゃると思います。
    「直衛」と私は読んでいますが「直掩」では意味が通りませんし、問題は無いと思っています。
    直衛空母案はGF司令部が唱和15年に要求した主力部隊随伴用空母に選ばれた瑞鳳、龍鳳などの方がより具体的です。艦攻混載案なので目立ちませんが、十三試艦爆案などはまさに空戦可能な機体として選定されています。

    図面上に描かれた機種からは当時の様々な検討の過程を覗うことができるので興味深いですよね。大和には九四水偵が描かれていますし、(そして実際に大和搭載用として配備され九五水偵と共に訓練が行われているようです。)他の航空に縁の深い艦にも面白い情報があります。



    BUN

  6. >よく調べられていらっしゃると思います。
    恐縮です。しかし、資料を見ても素人の悲しさで解釈が追いつきません。
    貴重な時間を割いていただいてのご教示、誠にありがとうございます。
    >「直衛」と私は読んでいますが
    確かに、この文字はギョウニンベンに見えますよね。
    略字かなとも思いますが、想像力の無い私には手書きの資料は悪筆なのか達筆なのか判読が大変です。
    >主力部隊随伴用空母に選ばれた瑞鳳、龍鳳〜、十三試艦爆案などはまさに空戦可能
    昭和十五年八月九日付の「高崎、剣崎、大鯨改装の件」の関連ではと推察いたしますが如何でしょう
    この資料では艦戦+艦爆と艦戦+艦攻案が掲示され「十三試艦爆搭載を希望す」とありますが
    十三試艦爆が直衛の任務も見込まれていた、というのは何か別の資料があるのでしょうか
    >大和には九四水偵が描かれていますし
    確かに、図面を描いてる時と実戦配備をした時では新機種も出てきたりするので
    むしろ図面通りの機体を搭載することの方が少ないのかもしれませんね
    ふあはん

  7. 十三試艦爆は砲戦観測機としての位置づけがあります。
    開戦前の二座機には我々の一般的な印象よりも遥かに強い戦闘機的色彩があります。観測機とはそうした機種なのです。
    そして直衛空母とは別にオールファイター空母のことではありません。


    BUN

  8. 示唆に富んだご回答ありがとうございます
    >砲戦観測機
    「主力部隊配属航空母艦に関する意見」(昭和14年頃?日付が有りません)には水上機はアテにならないので
    龍驤 鳳翔、大鯨に艦戦と艦爆を積んで防空戦闘機と観測機にしようみたいな記述がありますね
    (艦爆は空戦能力も要求されてますが、敵戦闘機の妨害を排除して観測するためでしょうか)
    この後に主力艦随伴空母が高崎、剣崎、大鯨に変更され、十三試艦爆も観測機の任務を引き継いでいるということでしょうか
    そして、同じく直衛空母の系譜である海鷹にも艦爆が採用された、というような筋書きは考えすぎでしょうか
    ふあはん

  9. 15年度のGF司令部と17年度のGF司令部は違いますから。
    まずはそこに御注目を。
    BUN

  10. なる程。色々と勉強になりました。
    もう少し調べて精進しようと思います。
    今回はありがとうございました
    ふあはん


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