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潜水艦の水中排水量について教えてください。 水上艦艇の排水量は喫水線以下の体積=重量(その時の状態での)と把握しています。 潜水艦の水中排水量は潜水艦全体の体積と考えて良いのでしょうか。または注水量を含めた重量でしょうか。 としろう |
- 紀元前3世紀にギリシャのアルキメデスが発見したという「アルキメデスの原理」です。潜水艦でも水上艦でも王冠でも、浮いていても全没していても、水面下の体積×水(液体)の比重=重量です。海水の比重は1.025ということにしていて、
潜水艦の水中排水量=潜水艦全体の体積×1.025=注水量を含めた重量
です。 ここで潜水艦の体積というのは、水の入ってこない囲われた部分=浮力のある部分の体積です。整流用の覆いの部分があって、潜水艦の体積は外形の寸法より小さいです。
IWA
- 一般的概念の話しと、各国海軍それぞれの定義のことがあるのでしょうが、後者については例えば旧海軍では
“水中排水量トハ常備標準状態排水量ニ「メーンバラストタンク」容量ヲ加ヘタルモノヲ指ス”
とされています。 この「標準状態」とは水中において補重調整及び釣合の修正を行った状態のことです。
なお、“上部構造物其他非水防ノ部分ノ容積ヲ加ヘタルモノヲ呼ブコトアリ 水中排水量ニ対シテハ非水防ノ部分ヲ含ムカ含マザルカハ記入シアルヲ常トス”とされています。 ご参考までに。
艦船ファン
- 非水防部を含めて、排水量と呼ぶというのは知りませんでした。現代の潜水艦も多分そうだろうと思います。(関係者にお聞きしたいです。)
潜水艦では、水中抵抗の大小や潜没秒時を定式化するときに使う排水量(船の大きさ)としてこのような定義が要るのでは、と思います。
商船でも、船種により総トン数(=貨物容積)と載貨重量(=貨物重量)を使い分けているようなものですか。
また、メーンバラストタンクの中の海水は、エンジンの推力で運ぶ「載貨重量」の一部=排水量に算入するのが適当、ということでしょう。
IWA
- 回答ありがとうございました。
同じ重量の艦が沈む(潜る)のだから排水量=重量=浮力なので水中排水量の方が小さくなるのでは?と思っていました。疑問が解けました。
としろう