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こんばんは。度々お世話になっております。 ドイツ戦艦ビスマルクの区画独立式水中防御とはどのような防御構造なのでしょうか? いったい何が独立しているのかさっぱりわかりません。 因幡 |
- >区画独立式水中防御
検索したり、ビスマルク級について書かれた書籍を数冊参照してみましたが、この単語自体見つかりませんでした。
できればどういった文献にあったのか、前後も含めて紹介いただけると皆さんも答えやすいのではないかと思います。
ペドロ
- >ペドロ様
これは申し訳ありません。言葉足らずでありました。
"区画独立式水中防御"という言葉は、世界の艦船2006年2月号(654集)の103ページに、
「独創的な区画独立式水中防御が、防御区画の幅不足のため結果的には有効に働かなかった事実は(略)」との記述があります。
ネット上では、ここ(http://www.din.or.jp/~yamapan/html/military/russianships/tsesarevich.html)のロシア戦艦ツェザレヴィチの戦歴の説明のところに、
「青島における戦艦ツェザレヴィチの調査と黄海海戦の戦訓は、後にイギリスではド級戦艦を生み出し、ドイツでは防御、特に水中防御の発展の教訓となりました。」との記述があるのが、やや関係していると考えられます。
しかし上記リンク先にあるツェザレヴィチの中央断面図、及び艦内配置図を見ましても、ここ(http://www.kbismarck.com/propulsioni.html)にあるビスマルクの機関配置図に描かれている防御構造と似ているといえば似ていますが、特に"独創的"と言えるような構造には私には思えません。
ここで"独創的な"と枕詞を置かれるような"区画独立式水中防御"とはなんぞや? という疑問が湧いてきて、解決できずに質問するに至っています。
因幡
- 時分のHPを引用されましたので、簡略に御説明いたします。
ツェザレヴィチの水中防御の特徴は、以下の通りです。
・舷側部の細分化した水防区画を舷側装甲上端まで適用したこと。
・その背後に炭庫を設けたこと。
・その背後に縦通した水雷防護縦壁を設けたこと。
舷側部に外から空層。第二層に炭庫or重油庫、その背後に水雷防御縦壁というWW1以降のドイツ艦の水雷防御構造は、これに影響を受けています。
特徴的なのは、ヴァイタルパート全域に縦通した水中防御縦壁を持った水雷防御構造を設けた点です。
一次大戦期の英戦艦の英戦艦の水雷防御縦壁は、弾火薬庫に限定されていたり、区画配置により屈折しており、クイーン・エリザベス級以降にて、ようやく縦通した水雷防御縦壁をヴァイタルパートに持ちます。
舷側区画の細分化は、水雷威力の向上により、爆発ガス、衝撃の吸収のために過度に細分化されないようになりますが、基本理念は、変わっていません。
区画独立式水中防御という言葉は存じ上げません。執筆者に直接ご質問下さい。
後は、ドイツ艦の区画配置などは、Naval Institute pressのBattleship枢軸国版にシャルンホルスト級、ビスマルク級の区画配置図が載っていますので、それを御覧になることをお勧めします。
イギリスの戦艦の水雷防御縦壁の設置状況は、WW1を含めると、オスカー・パークスのBritish Battleshipsに記載があります。
以上、まず資料、区画配置図を読まれることをお勧めします。
それが前提にないと、皆様説明が難しいと思います。
引用元
- >2.
出版元(海人社)には問い合わせなさったんでしょうか?
駄レス国務長官
- >引用元様
解説をいただきありがとうございます。勝手に引用して申し訳ありませんでした。
ということは、区画独立式水中防御というのは筆者(編集部とあるので誰なのかはっきりしません)の造語であるようですね。
>駄レス国務長官様
ああ、その手がありました(完全に発想の外にあり思いつきもしませんでした……)。手始めにメールを送ってみます。
因幡
- Underwater protection(水中防御)で、underwater subdivision(水密区画)の配置と補強の構造が、他国の戦艦と違っていること言っているようです。
Wikipedia
the ships' wide beam would allow the class to have underwater subdivision unrivaled by any other battleship.
及び
http://www.kbismarck.com/proteccioni.html
区画配置と補強法については
・区画の細分化はかえって爆発圧を逃がさず被害範囲を広げる。(どう補強するか)
・センターラインから遠い大区画の浸水は横転を促進する。(水密区画の大小と縦横長さをどうするか)
という相反する傾向があって、設計の考えどころだったようです。
大和型では、缶室を3列の縦通隔壁で区切って間の横隔壁を水平桁で補強していたところ、雷撃の横衝撃で内側の縦通隔壁を水平桁が突き破って水密が破れ、片舷浸水で横転した、という例があります。
IWA
- >5
世界の艦船編集部も随分いい加減な事書くもんですね。
老舗艦船雑誌も地に堕ちたとしか言い様が無いですね。
情けない話です。
機関車トーマス
- >7
情けないのは貴方のほうでしょう、どこまで情報を確認して言っているのか。
世界の艦船は依然として国内唯一のまともな専門誌です。
マンクスマン