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いつもお世話になっております。 ドイツ戦艦の主砲口径を調べていて、疑問に思うことがあり、質問させて頂きます。 ドイツ戦艦は330ミリ(ビスマルク級検討時)、350ミリ(マッケンゼン級やビスマルク級検討時)、380ミリ(バイエルン級、ビスマルク級)、420ミリ(1918年巡洋戦艦試案、H41級)とメートル法でキリのいい主砲口径を採用しています。 その一方で、283ミリ(正11インチ。ただ、280ミリという説も多く見られますが)や305ミリ(正12インチ)、406ミリ(正16インチ、H39級)、508ミリ(正20インチ、H44級)といった、インチでキリのいい主砲口径も採用しています。 時系列からして、日本のように途中からメートル法に切り替わったというわけでもないようですし、軍縮条約なども関係ないようです。 色々調べてみたのですが、正直わからず、不思議に感じております。砲の制作会社の関係などでしょうか。 ご多忙のところ、お手数をおかけ致しますが、ご教授頂ければ幸いです。 高村 駿明 |
- 283mmは11ドイムですね(11インチ≒279.4mmではない)
SUDO
- ドイムですか。全く考えが及びませんでした。
ご教授ありがとうございます。確かに283ミリは11インチじゃないですが、11ドイムですね。1ドイム=2.57393636センチで、オランダ固有の長さの単位で、オランダでは1870年に廃止された単位と調べましたが、ドイツでは使われていたのでしょうか。時代と共に長さが変化し、幕末の日本でも、1ドイム=1センチとなっていたとのことですが。
高村 駿明
- ドイムはヨーロッパで広く使われていた呼称であって、オランダ限定ではありません。もっとも、その大きさは24.3〜30.7mmまで幅があるようです。
またドイムがセンチと同じ単位になったのはオランダの勝手であってドイツが同じように対応したとは思いがたいですし、メートル制定の立役者であるフランスでも293mm、274mm、194.4mm、164.7mm、138.6mm等のへんてこな口径を第一次大戦時でも使ってますから、メートル法条約以前から存在した口径は、製造者か発注者の独自規格であったと考えるのが宜しいかと。
SUDO
- どうもありがとうございます。
欧州工業製品の複雑さと歴史をかいま見るような印象を受けますね。
尺貫法を日本軍艦で使うような感じですね。
高村 駿明
- インチはローマのウンキア起源の長さの単位で、多くのヨーロッパ諸国にはインチに対応する長さの単位があります。
ドイツですとツォル(Zoll)という用語が一般的ですが、当然のことながら、時期、地域によってツォルの長さにはかなりの幅があります。
http://de.wikipedia.org/wiki/Zoll_(Einheit)
(ドイツ語が苦手な方は、最後の表をご覧下さい)http://de.wikipedia.org/wiki/Alte_Ma%C3%9Fe_und_Gewichte
(こちらもドイツ語ですが、 Langenmasse のZollの表を参照)
オランダドイムってのが釈然としなかったので、ざっと検索したのですが、検索に引っかかった範囲内で、28.3cm÷11=2.5727…cmに一番近いのは、SUDOさんのおっしゃるように、2.573936…cm のアムステルダム・ドイム(Amsterdamse duim)でした。ううむ。
http://nl.wikipedia.org/wiki/Duim_(lengtemaat)
カンタニャック
- 大砲の大きさは昔はタマの重さで呼んでおり、独海軍の初期装甲艦も36ポンド砲や72ポンド砲などを載せてました
メートル条約(1875)以降に就役の装甲艦だと、口径は26cm, 24cm, 21cm, 17cm, 8.7cmなどと記されてますが、旧来のポンド表記を近似のcm表記に読み替えたものと思われます
28cm砲は1894年就役のブランデンブルク級、また15cm砲は1898年就役のカイザー級に初めて搭載され、実口径はそれぞれ28.3cmと14.91cmです
また上記24cm砲が上記カイザー級、上記17cm砲が1904年就役のブラウンシュヴァイク級に搭載されたものと同一口径とすれば、実口径はそれぞれ23.8cmと17.26cmです
なので時期と実口径から見てドイムなど古典的長さ単位由来とするには疑問があります
>砲の制作会社の関係などでしょうか。
当時の独にクルップ社以外の有力な大砲製造所って有りましたか?
1913年2月にクルップ社よりブラッセー年鑑編集者に対して提出された艦砲一覧表には、大口径砲として21cm, 24cm, 28cm, 30.5cm, 35.56cm, 38.1cm, 40.64cmがリストアップされてます(28cm以上はインチ由来)
33cm, 35cm, 38cm, 42cmの各口径は、独海軍より特に指定があったモノではないでしょうか
駄レス国務長官
- カンタニャック様、駄レス国務長官様、どうもありがとうございます。
>カンタニャック様
ドイムについては、単にドイムをグーグル検索したところ、ウィキペディアに出てきたということで、あのように書きました。
>駄レス国務長官様
英軍の戦車砲は第二次世界大戦でも、ポンド表記されているようですね。 ビスマルクの副砲は14.91センチ砲のようですし、これも関連があるのかもしれません。
>33cm, 35cm, 38cm, 42cmの各口径は、独海軍より特に指定があったモノではないでしょうか
33センチは13インチ(330.2ミリ)と同じと考えてもいいでしょうけど、クルップ社がそのようにインチを基にした開発を行っているなら、35.56センチ(14インチ)、38.1センチ(15インチ)、41.91センチ(16.5インチ)にしたほうが、開発に余計な手間がかからないと思うのですが。
もっともこの程度なら内筒などでも対応できるように思いますので、手間は変わらないということでしょうか。
主砲や装甲厚はキリがいいセンチで、魚雷発射官は正21インチだったりもするので、当時のドイツではヤード・ポンド法とメートル法が混在して使われていると考えたほうが、実態に合っているのかもしれないと思いました。
高村 駿明
- マッケンゼン試案は仏の340o砲搭載艦、日英の343o/356o砲搭載大巡洋艦対抗として、巡洋艦局から搭載砲に340o、350o、355mm(355.56mm)の各砲を指定の上で設計検討が開始されています。またバイエルン級は計画当初350mm(後に347mm)、380mm、406mm砲の搭載を考慮して設計の検討が実施されています(途中で355mm砲も加わる)。故に長官殿が言われる様に、350mm/380mm砲共に海軍側より砲口径が指定されて開発が進められた砲と見て良いと思います。
ビスマルクの時の330mm砲も計画検討開始時には実物が無く、計画決定次第試作に掛かる様な話で進んでますから、これも海軍側の意向でしょうね。
大塚好古
- 大塚好古様、どうもありがとうございます。
マッケンゼン級は、14インチも考慮した上で、最終的に35センチ砲になっているというわけですね。必ずしも、最大口径が採用されない辺り、興味深いです。本当にインチとセンチが混在しているんですね。
高村 駿明
- >6
明治7年(1874年)のクルップ社から日本への文書に、14.91cm砲がありますね。弾60斤(英斤ではなく0.6kgx60)ですから、80ポンド砲なのかもしれません。
SUDO
- >10.
手元の資料では、英4in, 4.7in, 6in各砲の弾量はそれぞれ25ポンド、45ポンド、100ポンドとなってました
おおむね口径の3乗に比例してます
駄レス国務長官