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架空戦記もので大和が敵戦艦と交戦した時に、大和の砲弾を受けた敵艦の艦長が「これは16インチ砲の衝撃じゃない」とか叫んで大和が18インチ砲を搭載していることに気付いたりします。また、ガダルカナルの飛行場砲撃に大和が参加して、その砲撃にアメリカ軍の将校が16インチ砲の砲撃よりも威力が大きいことに気付いたりします。 自分達の戦艦の主砲の射程距離圏外から砲弾が発射されて、敵の戦艦の主砲の射程距離は自分達のよりも長大である=自分達の主砲よりも口径が大きい主砲を搭載している。自分達は16インチ砲だから敵はそれ以上である。ってなことで大和が18インチ砲を搭載していることに気付くならまだわかります。 でも、砲弾が命中した際の衝撃でそれに気付くのは無理があると思います。だって、誰も18インチはおろか16インチ砲の砲弾の衝撃さえ経験したことがないだろうと思うからです。世界で最初に16インチ砲の攻撃を受けたのはドイツの戦艦ビスマルクで、連合国側ではサマール沖海戦の護衛空母と駆逐艦でアメリカ戦艦は一度も16インチ以上の艦砲の攻撃を受けていません。それどころか、アメリカ戦艦が敵戦艦と撃ちあったのはジャン・バールと交戦したマサチューセッツと霧島と交戦したサウスダコタとワシントンだけです。ほとんど経験が無いのに衝撃の大小で敵戦艦の主砲の大きさがわかったりできるんでしょうか? ロボット上等兵 |
- 賢しらに答えるべきではないでしょうが、想像できることはあります。
ある意味簡単なことではないでしょうか?
当然、艦長なら乗っている戦艦の主砲の発射を経験している可能性は高いでしょう。
あとは数学の問題です。
自分の打つ大砲の口径が16インチなら、その弾丸を0速度から主砲の初速まで加速して打ち出す衝撃を知っているはず。
命中するときはそれより遅くなっているでしょうが、貫通もしくは、跳ね返した場合、弾のその速度は、0になっているわけでしょう。
その衝撃は、その弾を命中速度で打ち出す衝撃と近いはず。(爆風などの分小さくなるはずですが)
なら、発射の衝撃に近いかそれ以上であれば、当然の持つ大砲以上の大砲に撃たれていることになるでしょうね。
そんなことではないかと、想像はできますが、他の方々の意見はいかがでしょうかね?
青江
- 架空戦記の記述にどうこう言っても仕方ありませんが、演習時において、実弾射撃が行われることはありますし、その場合に「〜mの水柱が立った」のように記録されることもあるようです。
そうした観点から言えば「16インチ砲の水柱にしては大きすぎる」という感想を抱くことが「あり得ない」とまで言えるかはわかりません。
またビスマルクの砲撃を見て「巡洋艦の砲撃にしては、発砲の閃光などが大きすぎる」と判断されたという記述を見たこともあります。口径に大きな違いがあれば、わかることもあるということではないでしょうか。
ちなみに艦型が視認して確認できるなら、大まかな要目も判明するでしょうけど、大和に撃たれたら16インチ砲だと判断するように思いますし、そういう記述を見たこともありますね。
なお砲撃がアウトレンジされても、装薬を多くして撃っているのかもしれませんし、長砲身なのかもしれませんし、砲身の最大仰角を改装で大きくしたのかもしれません。またレーダーなど、効果的な観測手段の導入により、実質的な主砲射程距離を延伸しているのかもしれません。
現実に長門型の41センチ45口径砲(改装後)は、コロラド級やノースカロライナ級の40.6センチ45口径砲を上回っています(命中するかは別として)。
従って、アウトレンジされたから大口径と確信したりはしないと思います。撃たれても修理時に調査しなければ、わからないと思います(ただし、日本重巡洋艦の8インチ砲弾貫徹力に対する米側の分析などを見る限り、修理時にはある程度わかるようですね)。
高村 駿明
- ありがとうございます。戦艦に関しては大和の主砲が18インチであることがわかることもあるということで理解しました。
では、地上への艦砲射撃の場合はどうなんでしょう? 昔買った仮想戦記物に大和が金剛・榛名と一緒にヘンダーソン飛行場を砲撃して、その威力に海兵隊の指揮官が敵は16インチ以上の主砲で砲撃していると気付く場面があります。その場合はどうなんでしょう?
ロボット上等兵
- 架空戦記の記述は基本的に「読者にどうすごいのか説明するためのもの」ですから、真に受けても仕方ありませんよね。
海兵隊が16インチ砲の艦砲射撃を実見・体験する機会がどの程度あるのかは、私にはわかりませんけど、ぶっちゃけ「撃たれている側が何インチかなんてわかるわけがない」としか言いようがないと思います。地震の時にマグニチュードいくつかを、揺れだけで見抜くというようなものかと。
夜間で飛行場に火柱みたいのが上がっているのを遠くから守備兵が見たとして、一際大きな火柱が上がっているのはわかるかもしれませんが、撃たれている側はそれどころじゃないでしょうし「一つだけ大きな火柱は18インチ砲に違いない」などと思うことはないものと思います。戦艦に撃たれているということはわかるものと思いますが、金剛型と長門型かもしれませんし、16インチ砲搭載の日本新型戦艦(1942年の米側認識はこうですから)だろうと考えるかもしれませんが、確認方法はないものかと。
ただし、ガ島砲撃は土壌条件の関係で、やたら不発弾を出していますから、もし大和を投入したなら、後日の不発弾調査で46センチ砲(18インチ=45.7センチではありません)だと判明する可能性はかなりありますね。
高村 駿明
- >では、地上への艦砲射撃の場合はどうなんでしょう?
8インチ以上であることはその場で認識すると思いますよ。
陸上部隊でも、最大で6インチから8インチの砲は、8は少ないでしょうが、普通に使ってますからね。
乱暴なところなら、安全な壕に避難させといて、少なくとも6インチクラスの砲撃は訓練として体験させることもあると考えてもおかしくないでしょうし
そのくらいの訓練をされていれば、すぐ衝撃の大きさで気づくでしょう
青江
- >5
それは「訓練で体験した6インチ弾と同じぐらいの距離で敵弾が炸裂した場合」という前提がつきます。つまり全然当てにできません。
また弾丸は型式や射撃条件等で炸薬量も炸裂景況も千差万別です。同じぐらいの炸薬量なら、ある程度離れてたら、まず判別は無理でしょう。
陸戦でも海戦でも戦闘後の報告等に、敵に打ち込まれた砲弾が何であるかを記したものは多数残ってますが、それらは必ずしも正確ではありません。打ち込まれた全体の中で大中小どの範囲だろうという憶測にはなっても、精密さを期待できるものではないのです。それは例えばジュトランドの英独両軍の報告でも判ります。15インチと12インチですら混同する例は多々あるのですから、14と16/18を見分けるのも容易なことではありません。
SUDO
- 私も判別は極めて困難だと思いますが、砲弾の威力について超人的な判断力を持つ艦長なり砲術長なりが、第二次世界大戦当時の米海軍にいたと仮定しても、「なんと、日本海軍のSHS(Super Heavy Shell)は、我が軍より強力だ!」と叫ぶのではないでしょうか。
カンタニャック
- 相手の搭載砲を見抜くには、敵砲の着弾衝撃とか水柱から推定するより、艦型を見分けるほうが、効果的で現実的だと思います。
艦上の観測か弾着観測機を飛ばして、例えば日本戦艦が長門型だと判明すれば「今の弾着は16インチ砲だろう」というような話ですが。
質問文のように相手が「未知の新型戦艦」である場合は、米側がどう判断するかわかりませんが、大和型が見た目多少大きいと言っても、ぱっと見て46センチ砲搭載艦かわかるとは思えません。
無論、昼間で視界がいいなら新型戦艦であることはわかると思います。
その場合は16インチ砲戦艦だと判断されると思いますし、超人的な砲術長が米側にいたとしても、カンタニャック様の言われる通り「日本海軍も16インチSHSを実用化していたのか」としか認識されないものと思います。
ただ、米側の航空偵察では「18インチ砲戦艦で、8インチの副砲を持っていると考えられる」という報告や、沖縄特攻の前に「ヤマトが18インチ砲を備えているなら、アウトレンジを受ける危険性がある」という報告もあります。戦闘前に疑わしい情報が多ければ「すごいSHS」ではなくて、「これが話にあった18インチ砲搭載戦艦か」と判断することもあるでしょう。
とはいえ、実際敵戦艦の搭載砲判断が「16インチSHS搭載艦」であろうと「18インチ砲搭載艦」であろうと、米側の戦闘指揮にほとんど影響を与えないでしょうけど(ああ、すごくヤバい戦艦なのね、というくらいで。強いて言えばSHSなら射程が短いと判断するかとしれませんけど)。
高村 駿明
- 回答ありがとうございました。大変参考になりました。
ロボット上等兵