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いつもお世話になっております。 学研の「世界の戦艦」119ページに、3年艦隊計画案のサウスダコタ級戦艦(23ノット)とクィーンエリザベス級戦艦(25ノット)を比較した下りがあり「英米の公試条件が異なるため、QE級を米国式の公試状態で計測したなら、実際の速度差は0.5ノット程度に過ぎない」とありますが、米英の速力計測方法にはどのような違いがあるのでしょうか。 本来2ノット差あるはずが、実際は0.5ノットというのであれば、誤差というレベルではなく違うように思います。 WW2時のノースカロライナ級とキングジョージV世級を比較しても(一応下記に載せます)、基準排水量で約3,000トン軽く、機関出力10/10の状態では21,000馬力も前者が多いのに、後者が0.5ノット速いというのは、L/B比でややKGVが優位とはいえ、妙に感じます。 ■ノースカロライナ級 基準排水量:35,000(1945年38,400)トン 全長:222,12m(水線長217,78m) 最大幅:33,025m(水線幅31.85m。L/B比6.83) 機関出力:121,000馬力 最大速力:27,5(26,8)ノット 燃料搭載量:7,554トン ■キングジョージV世級 基準排水量:38,031(1945年39,100)トン 全長:227,1m(水線長225,6m) 最大幅:34,1m(水線幅31.5m。L/B比7.16) 機関出力:100,000馬力(過負荷113,000馬力) 最高速力:28ノット 燃料搭載量:3,730トン 高村 駿明 |
- QEは機関に過負荷かけていて25ノットを達成していますが、余力がないので戦闘状態での長時間の連続運転だと24ノット程度からそれ以下に落ちます。SDは戦闘時排水量で機関出力10/10の条件で23ノット達成予定だから、実際の差は0.5ノットぐらいしか差はないよ、というのが当時の米側の主張です。
ノースカロライナ級の基準排水量は37,485トン(1941年/ワシントン:約35,000トンは軽荷の計画値)で、公試排水量42,000トン前後での計画速力が27.5ノットです。KGV級の28ノット若しくはそれ以上、という数値はほぼ満載状態(約42,000トン)で機関に過負荷をかけて達成した数値です。KGVが満載状態で10/10出力でで走ると27ノット台に落ちます。てなわけでこの両者では同一排水量の状態であれば特に速度性能に大きな差異はありません。
大塚好古
- 片や実測値、こなた計画値の比較ってのは、あまりイミが無いのでは?
比較するんなら実測値同士でナイト
駄レス国務長官
- それもそうだと言うことで実測データを出しますと、NC級は排水量43,000トン前後での10/10状態で27ノット台を記録しており、初期の戦時満載排水量である約45,000トンで約26.5〜27ノットを出した記録があります。
大塚好古
- 大塚好古さま、駄レス国務長官さま、どうもありがとうございます。
排水量が約1,000トンノースカロライナ級が大きい状態の10/10でほぼ同等ですか。機関出力がノースカロライナ級の83%しかないのに、ほぼ同等の速力とは、船体形状に見るべきところがあるのかもしれませんね(旋回半径はノースカロライナ級の方が優れていますが)。キングジョージV世級の過負荷時でも、ノースカロライナ級の10/10状態のほうが機関出力が高いわけですが、速力で上回るわけですから(29ノットという数値も見たことがありますし)。
燃料搭載量がキングジョージV世級3,730トンに対し、ノースカロライナ級7,554トンとか、主砲が大きいとか、そういう部分が船体設計に影響しているのかもしれませんね。
高村 駿明
- KGV(新)級とノースカ級とで最も顕著な違いは、前者が単舵で後者が双舵であるコトです
模型実験で舵無しのトキをプラマイ0%としますと、単舵では+1%、直列2枚舵では+2%、双舵では+7%の抵抗増大になるというデータが有ります
ノースカ級は内軸推進器の直後に舵が有りますので、旋回半径が小さくなるのはむしろ当然です
駄レス国務長官
- ご教授ありがとうございます。
舵の違いでそこまで差が付くとは考えが及びませんでした。
旋回半径が小さいことは、単純に船体設計がいいと解釈すべきことではなく、用途が違うということなのですね。全てに言えることですが、奥が深いです。
直列2枚舵というのは、大和やフッドのようなスタイルのことでしょうか?
高村 駿明
- > 直列2枚舵というのは、大和やフッドのようなスタイルのことでしょうか?
大和は直列2枚舵ですケド、フッドは単舵です
英はドレッドノォトからQEまでが双舵、リベンヂが直列2枚舵、リナウン以降が単舵です
米は逆にダニエルダコタ、レキシントンまでが単舵で、ノースカ以降アラスカ、モンタナまで双舵です
他の国は自分で調べてチョ
駄レス国務長官
- ご教授ありがとうございます。私の勘違いでしたね。
高村 駿明