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P-51マスタングに関してですが、マスタングを設計する際にノースアメリカン社の設計陣は、どうして燃料搭載量が多くなるような設計をしたのでしょうか? 確かマスタングが作られる背景は、英国に送るP-40より高性能の戦闘機が作れる←という事は近接支援が主任務で航続性能はそんなに望まれていなさそうですし 米陸軍航空隊の塩対応を鑑みると 米軍は戦闘機はP-47やP-38で充分、長距離爆撃の防御は爆撃機の自衛火器とコンバットボックスで対応 だと思うので航続性能は望まれてなかったと思うのですが… まさのり |
- 初期のP51の航続距離は長くないです。ただ、当時のアメリカの飛行機には珍しく翼内タンクを採用しており、その翼が層流翼になって厚みが増し、エンジンの変更により主翼が前進し、できた間隙部に胴体内タンクを設置し、さらに増加タンクを設置したことにより長距離飛行が可能になった。そのように理解しておりますが、専門外ですので、違っていたら御免なさい。
hush
- 世傑によれば、カーチスXP-40の燃料容量は標準379L・最大598L。
P-40B以降は標準454L・最大590Lぐらい。
ノースアメリカンNA-73Xは標準265L・最大397L。
ムスタングII(P-51A)は標準681L・最大1249L。
P-51B/CからDまで標準1018L・最大1834L。
超音速
- スピットファイアMk.Iは387L。Mk.IIIは452L。Mk.IVは592L。以降はおおむね同等。
超音速
- hushさん、超音速さんありがとうございます。
B型へのモデルチェンジの際に、爆撃機の被害増大による
長距離護衛戦闘機のニーズに対応した
という事ですかね?
まさのり
- ・初期のアリソン装備マスタングの航続力は当時の標準的戦闘機と比べて長いといえます。
・マスタングの燃料搭載量は当時としてはかなりり大きなものです。
マスタングの試作は勝手に行われた訳ではありません。
単純に飛行性能を稼ぐためなら燃料タンク容量は許される範囲で小さくすれば良いのですが、
イギリス側からの要求を満たすためにわざわざ重量が嵩む機内燃料タンクを大きくとっているのです。
要求された航続力は「燃料満載状態で巡航1022マイル(1645q)」です。
この要求を満たすために機内燃料を防弾装備無しで680リットルと大きく取っているのです。
マスタングの発注時のイギリスは一般的な印象とは異なり、
本土防空よりも大陸への反攻作戦のために軍備を増強していましたから、
新規設計の単発単座戦闘機にもこうした航続力が要求されるようになっています。
BUN
- BUNさん、なるほどです。
詳しい解説ありがとうございました。
まさのり
- 注釈追加。2.の「最大」の表記は増槽付きの容量です。
B/C型は当初はA型と同じ容量でしたが、途中から胴体後部タンクが増設されてこの容量になりました。
B型の開発は1942年7月に始まっているんですが、ドイツ本土への戦略爆撃が本格化するのは1943年初めから。なので開発が「爆撃機の被害増大による長距離護衛戦闘機のニーズに対応した」というのはちょっと違うと思います。
もともと戦闘機によるドーバー海峡越えの沿岸部攻撃は行なわれてますし、対日戦も始まったし、全般的な戦況を考えて航続距離延伸が行なわれたと考えます。
超音速
- ドーバー海峡沿岸部での航空優勢獲得はドイツ本土爆撃の一つの焦点でもあります。
戦闘機隊は単に沿岸部を攻撃しただけではありません。
ドイツ本土へ向かう爆撃機編隊が必ず通る空域での航空優勢確保は重要な課題となっています。
BUN