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中島九一式戦闘機一型(ジュ式発動機装備)についての質問です。 現在一般的に見られる九一式戦闘機の図では機首下部に張り出した整流覆(正式名称不明)は、左右に少し離れて並んだ2つの大きな突起として表現されています。(図A参照) 確かに、気化器空気取入口に取り付けられたエアスクープは一見左右に分離されているように見えます。 しかし、気化器本体の空気取入口は機首より下に結構突出していて、底部は左右水平で、中央が窪んでいるわけではありません。 したがって、あの位置で機首下部整流覆を左右に振り分けることはできません。 このことから、図Bのようになっているのではないかと私は考えています。 同エンジンで機首がほぼ同じ形状のBristol Bulldog MkII も、そのようになっています 。 https://c7.alamy.com/comp/2BW3NA5/a-bristol-bulldog-mk-ii-a-of-no-17-squadron-royal-air-force-at-royal-air-force-station-kenley-surrey-registration-k2216-following-its-accident-left-in-which-on-landing-while-braking-the-plane-overturned-the-pilot-was-left-the-crash-alive-however-the-airplane-damage-was-beyond-repair-the-crash-happened-during-rehearsals-for-empire-air-day-which-is-to-be-held-this-month-on-this-day-raf-aerodromes-will-be-thrown-open-for-public-inspection-photo-shows-s-the-bristol-bulldog-being-righted-by-ground-personal-post-accident-7-may-1936-2BW3NA5.jpg ただ、機首下面を明瞭に確認できる写真をいまだ見つけられずにいます。 九一式戦闘機一型の機首の下から撮られた写真をご存知の方はおられませんでしょうか。 画像掲示板に図をアップしました ROM |
エンジンを支えている柱の、左右のシリンダーの隣のパイプが吸気管ではないでしょうか。
http://www.enginehistory.org/Museums/RAFLondon/BristolJupiter.jpg
下記の一番下にエンジンの図、推測ですが気化器は左右に空気取り入れ口が有るのではないでしょうか、寿エンジンについては、まだ調べていませんが。
http://coah.pro.tok2.com/AvnHistory/article/KF_2008-02.pdf
下記2枚の写真では左右に空気取り入れ口が有ると思います。
https://karopka.ru/upload/resize_cache/iblock/23c/900_600_1/photo_5_1348165755.JPG
https://karopka.ru/upload/resize_cache/iblock/069/900_600_1/photo_3_1348165755.JPG
Nakajima type 91 四面図
http://target4today.com/Simple-Multi-View-Plans/N-images/nakajima91_3v.jpg
下記から図面をダウンロード出来ます、参考になるのではと思いますが。
http://www.airwar.ru/other/draw2/type91avions.html
下記の中に写真も幾つか見れます、下から見たのはありませんが。
Nakajima TYPE 91 Истребитель(中島91式戦闘機)
http://www.airwar.ru/enc/fww1/type91.html
百九
- 百九さま、数々の資料を提示くださいまして、どうもありがとうございます。
type91avions.html の図はとても参考になりますね。
確かにBristolJupiter.jpg を見ますとパイプ形状の吸気口があるようですが、
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a0/Bristol_Jupiter_VIIIF_2.jpg
を見ていただくと良く分かるのですが(これ以上の写真は見つけられませんでした)、エアスクープの側面形状が九一戦そのものなのです。
そして、中央にも空気取り入れ口が伸びているのが分かります。
エアスクープの左右と中央とのつながりは
https://www.flickr.com/photos/publicresourceorg/494012693
が良く分かると思います。
ジュ式エンジンの写真としては"中島 91式戦闘機の調査(その2)"
https://www.cit.nihon-u.ac.jp/laboratorydata/kenkyu/publication/journal_a/a39.1.8.pdf
を参考にさせていただきましたが、空気の取入れは前方のみであることが分かります。
(photo_*_1348165755.JPG はjupiterVIですが、このタイプの気化器では確かに横にエアスクープを取り付けた写真もあります。)
KF_2008-02.pdf の図は九一式二型のものでエンジンが違い、吸気口も一型より上部についていて、一型のような大きな下部整流覆はありません。
ポイントとしては、気化器本体空気取り入れ口が機首下部に突き出してる以上、あの位置で整流覆を左右に振り分けることは出来ないということなのです。
ROM
寿エンジンについて、推測ですが。
https://www.reddit.com/r/Warthunder/comments/lowzbh/nakajima_army_type_91_fighter/
上記の写真を見ますと、下二つのシリンダーを除いて後ろに整流覆い?とでもいえる物がついています。
下二つのシリンダーの後ろにある膨らみはシリンダーを冷却して熱くなった空気を気化器に送るための取り入れ口ではないでしょうか。
気化器自体の取り入れ口は、下二つのシリンダーの間の一か所ではないでしょうか。
百九
追加です。
ジュピター発動機についてのまとめ
http://coah.pro.tok2.com/AvnHistory/article/KF_2006-11.pdf
3頁の、(ジュ式450馬力発動機の前面)を見て下さい。
百九
- KF_2006-11.pdf の写真は"中島 91式戦闘機の調査(その2)"の写真と同一で、元々白飛びを起こしているためか中央から左右に続く箇所がわかりませんが(スクープ側面の補強リブも消えてしまっています)
http://coah.pro.tok2.com/AvnHistory/AinPSB/Photos/Unknown/IJA_Type91Model1_Fighter_Noxx9.jpg
だとはっきりしています。
私も最初は下二つのシリンダーの後ろにそれぞれ単独の空気取り入れ口の膨らみがあるものと思っていたのです。
ただ、その前端に突き出ている舌状の妙な物体の正体がとても気になりました。
九一戦自体の写真は限られた状態のものしか見つからないので、ジュピターエンジン及びBristol_Bulldog の写真を探しました。
その中で
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a0/Bristol_Jupiter_VIIIF_2.jpg
を見つけたことで、その舌状のものがエアスクープそのものであることが分かり、左右と中央とのつながりも良く分かったのです。
その後、九一戦一型取説の機首断面図やエンジン側面写真を調べていると気化器本体の最下部(=空気取り入れ口)が機首の下に結構突き出していることに気づきました。
もちろんその中央も空気取り入れ口なので左から右に連続で突出するわけです。
したがって中央部分が場所をとるので機首の下に左右それぞれ単独で大きな膨らみを一つづつ作ることは出来ないのです。
ROM
https://www.cit.nihon-u.ac.jp/laboratorydata/kenkyu/publication/journal_a/a40.1.7.pdf
上記の(図4)を見ますと、
気化器のところに饅頭を逆さにした形のものが見えます。
これが吸気管だとしましたら、投稿図の様に二つの膨らみではなく大きな一つの膨らみになると思います。
しかしそうしますと一つの疑問は、気化器はシリンダーを冷却して熱くなった空気を吸い込むことになります、これでは出力低下するのではないでしょうか?
それから確認したいことは、
(中島 ジュピター)と(中島 寿)は別物と考えて良いでしょうか?
「九一戦、その変遷」
http://coah.pro.tok2.com/AvnHistory/article/KF_2008-02.pdf
上記の表1において、
一型はジュピターVII.Fのライセンス品で、二型は九四式450馬力(寿五型)と言う事でよいのでしょうか?
百九
愛国第37号 91式戦闘機正面 小布施号
http://coah.pro.tok2.com/AvnHistory/AinPSB/Photos/Kurimoto/Kurimoto_109.jpg
百九
こちらと間違えました。
『われ等の空軍』(大場彌平、昭和12年6月)に、同写真掲載。
http://coah.pro.tok2.com/AvnHistory/AinPSB/Photos/Unknown/IJA_Type91Model1_Fighter_Noxx9.jpg
百九
- 『われ等の空軍』今ヤフオクに出ているのですね。
一型はジュピターVII.Fのライセンス品で間違いないようです。
寿や九四式450馬力については
http://hikokikumo.net/RC56-94sikiEG.htm
でBUNさんが詳しく説明されています。
a40.1.7.pdf の図4は全く違うエンジンですので形状も違うのかもしれません。
(ジュ式の後面写真は見つけられませんでしたが、jupiterVIII の図
https://www.picclickimg.com/00/s/MTEyNFgxNDA0/z/vtEAAOSwFN9d~1FD/$/Bristol-Jupiter-Engine-Maintenance-Manual-1930s-Ex-rare-_57.jpg
と見比べますと、これは2連のように見えますので小さいのかもしれません)
私はエンジンの機能については全く素人ですので良く分かりませんが、
ジュ式発動機の説明書
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8815769
付図第二十(P149)とBristol_Jupiter_VIIIF_2.jpg を見比べますと同系統の気化器であることが分かります。
そして九一戦のエアスクープ(普通の写真では前端部しか見えませんが)とBristol_Jupiter_VIIIF_2.jpg のエアスクープ側面は全く同一です。
左右はシリンダを包み込むような位置にありますがそのまま気化器につながっています。
"中島 91式戦闘機の調査(その2)"のエンジン側面写真でも全く同じ位置にあります。
エアスクープの下部は
https://www.flickr.com/photos/publicresourceorg/494012693
が分かりやすいです。
Kurimoto_109.jpg もそうなのですがタウネンドリングとシリンダが肝心の位置にあって、エアスクープが良く写った写真はBristol_Jupiter_VIIIF_2.jpg しか見つけられませんでした。(現存ジュピターエンジンではありますが)
ただ、今まで探した部分々の写真をつなげると間違いなくその形になります。
ROM
アラミイのブルドックはこれが確認しやすいです。
https://www.alamy.com/a-bristol-bulldog-mk-ii-a-of-no-17-squadron-royal-air-force-at-royal-air-force-station-kenley-surrey-registration-k2216-following-its-accident-left-in-which-on-landing-while-braking-the-plane-overturned-the-pilot-was-left-the-crash-alive-however-the-airplane-damage-was-beyond-repair-the-crash-happened-during-rehearsals-for-empire-air-day-which-is-to-be-held-this-month-on-this-day-raf-aerodromes-will-be-thrown-open-for-public-inspection-photo-shows-ground-personel-and-a-pilot-left-unknown-if-pilot-of-crash-inspecting-the-crashed-plane-7-may-1936-image359654265.html
Jupiter VIIF の側面図がありましたが、ご存じでしたらご容赦を。
https://fullfatthings-keyaero.b-cdn.net/sites/keyaero/files/comment_forum/2017/12/06/Jupiter%207%20p156.jpg
百九
これで終わりにします。
Bulldog Jupiter
https://media.gettyimages.com/photos/9th-january-1930-mechanics-at-the-bristol-aeroplane-company-works-in-picture-id3431769?s=2048x2048
https://www.gettyimages.no/detail/news-photo/mechanics-at-the-bristol-aeroplane-company-works-in-filton-news-photo/3431769
エンジン無しの胴体側面
https://previews.agefotostock.com/previewimage/medibigoff/faa10021c938aaddd16bf4952a91294a/mev-11953663.jpg
百九
- 10. の側面図は初見です。"中島 91式戦闘機の調査(その2)"のエンジン側面写真は近くから撮影していて少し歪んでいますので、正確な側面が分かり私にとってとても貴重なものです。
大変ありがとうございました。感謝しております。
10, の写真と私の質問時の写真はシリーズで全5枚あります。
しかし見るに人によってわかりやすいと思う写真が違うというのは深いですね。
私は周りに同好の人がいなかったのでずっと一人で活動してきましたが、限界を痛感しています。
既存の図面と違って九一戦一型の機首下部覆が2つの突起ではなく一つの膨らみであることが分かる写真は、少し不明瞭なもの(写角がとても浅いものとピントが甘いもの)であれば存在します。
しかし、九一戦に興味を持つ人はそこそこいても大まかなイメージか性能、運用等に興味を持つ人が大部分で、細部形状に特に興味を持つ人はほとんどいないようです(このAnsqでも百九さまお一人のようです)ので、プラモのある程度のスケールの新製品でも出ない限り、これからも既存の図で続くのでしょうね。
ROM
- 12. の書き込みの「分かる写真.....存在します」という表現では誤解されそうなので訂正します。
一つの膨らみであると考えた方が妥当では無いか、と見られる写真が存在するということです。
ROM