1645 |
素人質問ですが WW2の薄翼機を見ていて、ふと思ったので翼厚比について以下質問させて下さい。 (今回例) 一式陸上攻撃機 翼根12.5% 翼端10% スピットファイア 翼根13.5% 翼端6% (一般的な例として)F4F 翼根15% 翼端9% ・一式陸攻は翼根は非常に薄翼で全体的に薄い翼といえますが、失速特性が悪いという話は聞きません。翼端失速であれば、翼端が一般的な翼厚比である限り薄翼は失速特性に悪影響を与えないですか?それともスピットファイア同様に戦闘機では問題になる主翼断面構成ですか?(強度面は除く) ・そもそも空力的な意味合いで翼厚比を翼端で小さくする理由は何ですか?(強度面は除く) 豚の知る模型飛行機では全部一貫して薄翼ですが。 もっと重量のある飛行機で、薄翼で翼端失速に強い飛行機というのは実現難しいのでしょうか。 豚 |
- 過去ログ1579番でひととおり回答しました。
長文なので再掲はしませんが、ご一読ください。
翼端失速が深刻な問題になるのは高いGをかける戦闘機や急降下爆撃機の場合です。大型機や爆撃機ではあまり問題になりません。
翼端失速対策としてはスラット・スロット・空戦フラップ等々いろいろありますね。
超音速
- https://chubu-jihan.com/subaru/images/subarizmi_36th_3.jpg
最大揚力係数に近い大迎角の時、主翼上/下面への分流点は下面側の5%翼弦付近となり、上面へは前縁を回り込んで流れます
一般に前縁半径が翼弦比1%を切ると失速が早まり最大揚力係数の低い翼型になります
上記分流点に流路を開く前縁スラットはこれを改善します
翼厚は12%程度が空力的に有利で10%以下にすると前縁半径1%以下になり易いと内藤子生さんは書いており
この点、最大翼厚位置が前寄りか後寄りかで差が出ます(疾風8%/P51D11.4%)
http://soyuyo.main.jp/ki84/ki84114.png
http://airfoiltools.com/airfoil/details?airfoil=p51dtip-il
翼端捩じり下げには取付角を変える幾何学的捩じり下げと、キャンバーなど翼型を変化させる空力的捩じり下げがあり
両者を組み合わせる事が空気抵抗の低減につながります
翼端翼厚を小さくするのもその一環だと思われます
ナセルストールの影響を避けがたい多発機は相対的に翼端失速の欠点が薄まり、単発機に比べて先細比を強くできます
翼根翼弦が大きければ翼厚%を薄くしても桁高さ(曲げ強度)を稼げるわけですね
この点に着目したのが一式陸攻初期型と言えます
ガス欠
- テーパー翼の翼端はCL値が高いのですね。知りませんでした。
納得できました。ありがとうございます。
豚