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日本陸軍機の緑色斑迷彩について質問します。 日本陸軍航空隊においては戦闘機、爆撃機を問わず緑色斑もしくは波型迷彩が広く採用されています。 一方日本海軍航空隊においては(南太平洋開戦時の隼鷹零戦隊のような例外はあるにせよ)緑色迷彩の場合はベタ塗りが基本になっているように思えます。 この違いはどこから来るのでしょうか? 陸軍の方が緑色塗料の需要が逼迫して、迷彩効果を上げるギリギリまで塗料を節約したという俗説?があるいは正しいのでしょうか? 備後ピート |
- 開戦時に準備された陸軍機の南方作戦用の迷彩は濃緑色のベタ塗です。
これは侵攻作戦時の洋上迷彩としての効果を狙ったものです。
陸軍機はその機体の要目を示す構造要領に基本塗装が含まれている場合が多く、そこには灰緑色や無塗装が指定されいて、適宜迷彩を施すとあります。陸軍機は開戦時から昭和十八年前半頃のベタ塗洋上迷彩から、地上での迷彩効果を意識した斑点や縞状の迷彩を施すようになり、比島決戦を控えて再び、洋上迷彩を意識したベタ塗迷彩が今度は工場完成時に施されるようになります。
また、自分でもよくわからないものごとに対しては俗説と言った刺激的な言葉は控えた方が良いでしょう。
BUN
- 部隊での迷彩が行われていることは当時の記録からわかります。
これも、斑点、縞模様一辺倒ではなく、ベタ塗も行われていて、しかも緑色だけでなく、緑色、褐色混合の斑点状、縞状迷彩も白黒写真では判別しにくいものの、存在していたことが推定できる資料もあります。
塗料の不足は実態としてあったこととは推定できますが、塗料の不足が斑点、縞状迷彩の唯一の原因ではなく、迷彩の効果や、迷彩自体が昭和十九年半ばまで基本塗装(または無塗装)の上に施される臨時のものだったという点も大きく影響しているようですね。
BUN