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ダイムラーベンツDB601の発熱はどの程度のものだったのでしょうか。 というのも、とあるフライトシミュレーションゲームでDB601系統のエンジンはすぐにオーバーヒートしてカタログスペック通りの性能が出せないのを疑問に思って質問させていただきました。 調べてみても「マニュアルでは1.4ataで発動機を回すのは1分に制限されてるからオーバーヒートしやすいエンジンだ」といった意見から 「摩耗を防ぐ為に1分にしてるだけでエンジンは問題ない」といったようなもの(英語力が残念なのでまちがってるかも)までまちまちで いまいち納得しかねます。 実際の所DB601はオーバーヒートしやすいのか 他の発動機と比べてどうなのか 教えて下さい。 質問者 |
(DB601)
https://ww2aircraft.net/forum/attachments/avialogs-1001578-pdf.240984/
(5分、30分、連続)の制限。
http://kurfurst.org/Engine/DB60x/DB601_datasheets_A1.html
(1分、5分、30分、連続)の制限。
上記の時間を超えて使用するとオーバーヒートする訳で、
それが取り入れられているのは良いゲームと言えないでしょうか。
ゲームをした事は無いのですが、
例えば、緊急出力で飛び続ける事が出来るとか、
弾丸切れを起こさない戦闘機が出て来るゲームが有ったとしたらどうでしょうか?
百九
- DB601のみならず、使用方法やラジエーターなどの補器類の性能や配置も関わるお話じゃないかなと思います。
まあ、フライトシムということで、おそらくはMe109と仮定してお話をすると、オーバーヒートはするが、カウルフラップはほとんど閉じたままで、速度のある状態で出力を落とせば温度はすぐ下がるという話は読んだことがあります。
他の液冷エンジンに比べてどの程度の過熱があったかは比較してないのでなんとも言えませんが、特筆すべき大問題というようなお話はあんまり聞きません。
Shusui
- 回答ありがとうございます。
なるほど、そのゲームではMC202や飛燕など
DB601系統のエンジンを積んだ機体が尽くオーバーヒートに悩まされるので
実際はどうだったのだろうと思っって質問させて頂きました。
一応マニュアルには1分と書かれていてWEPよりは短く感じますが
実際にエンジンのオーバーヒートの問題が取り沙汰された事は無かったようですね。
質問者
- 取り沙汰された事例が全く無いというのは早計かと思います。
オーバーヒートというトラブルは使い方によってどんなエンジンでも起こりうるものなので、どんなエンジンも多かれ少なかれ過熱対策と過熱の話はつきまといます。
そんな中で、例えばB-29のR-3350はカウルの形状の都合上、後列エンジンが常に冷却不足だったり、ネイピアのダガーやレイピアのようにH型配置の空冷エンジンなどのように、基礎設計上ほぼ確実に冷えないという代物もあるワケです。
私はDB601はそれらのような根本的に冷えないエンジンとは違い、ちゃんと冷やせる設計になっていますよ、という程度のことしか言えておりません。
なので、全く取り沙汰されたことはないとは言わなくとも、まあ普通のエンジンの範囲である、ということです。
余談ですが、飛燕の話であれば、暖機運転が長引いて冷却関係の配管の内圧が高まりすぎるのを防ぐために蒸気を逃す機構がついていたりするのですが、これをどう見るかというようなこともあると思います。
これはオーバーヒートしている状態ではあるのですが保護機構が正常に働いている状態でもあるわけで、これをどのように解釈してゲームとして表現するのかという点は、史実からの観点では計れない部分もあるのではないでしょうか。
Shusui
- そもそも過負荷運転時間の制限の理由はオーバーヒートじゃない、と思うのですが・・。
BUN
>2.
細かい事ですが(カウルフラップ→ラジエーターフラップ)では、
下記のFが、ラジエーターフラップ操作ハンドル。
https://ww2aircraft.net/forum/attachments/bf109-20starboard-jpg.146296/
>5.
制限時間を超え運転してもオーバーヒートしないと言う事でしょうか?
百九
- ご指摘の通り、カウルではなくラジエターフラップですね。
勢いで指が滑りました。
Shusui
- >制限時間を超え運転してもオーバーヒートしないと言う事でしょうか?
そうです。
BUN
>8.
http://kurfurst.org/Engine/Boostclearances/DB601_RPM_increase.html
制限時間以上に使うとエンジンが破損する可能性が大きいので、
使わない様にしようと言う事らしいですが。
少しの時間では、これ以外に良い所は見つかりませんでした。
何かヒントは有りませんでしょうか?
百九
- 高負荷の運転を行うと機械的消耗が大きく、そのエンジンに定められている耐用運転時間を全うできないから運転時間を制限します。
1分以内、といったオーバーヒートする間も無いような制限時間はそうして定められています。
もともとオーバーヒートは運転条件と運転時間ではなく計器を見た方が察知しやすいので運転時間制限でオーバーヒートを避けるというのはあまり合理的なやり方ではありませんね。
みなさんが上で話題に上げているWEPは平時に定められた耐用時間を全うすることを諦めて短時間でエンジン交換を行う戦争下での非常事態における運転条件のことです。だからWEP=戦時緊急出力なのです。これは同じアメリカ製エンジンでも時期によりアメリカ軍とイギリス軍では制限が異なります。
もしオーバーヒートによって運転時間が制限されているならば、同一のエンジンは戦時でも平時でも、そしてどこの国のどこの軍隊でも制限時間は同じになるはずですよね。
BUN
>10.
有難う御座います、そこらの事はあまり考えていなかったので思いもよりませんでした。
下記が近い話だと思いますが。
https://aviation.stackexchange.com/questions/25971/why-is-max-power-time-limited-for-jet-piston-engines
(摩耗と熱疲労が大きくなりオーバーホール間隔が短くなる。)と有ります。
戦闘中に時間を気にしてはいられないでしょうから、しばしば有った事かと思います。
Bf109では、可能であれば整備よりもエンジンを交換するという話が有ったと思いましたが
これはBf109に限った事では無いのでしょうね。
百九
- 読まれたサイトはこちらと同じようなネットの質問コーナーのようですが、十分な回答とはいえません。
過負荷運転時間の制限はあくまで機体に装備した状態でのもので、
エンジンそのものは耐久試験で遥かに長く過負荷運転を継続しますが、そこで停止したり、破損してはその型式は耐久試験に合格できません。
機体装備時の運転制限時間は大幅な安全係数をかけたものでその時間で何かが急に発生してはいけないのです。
これはDB601の時代から変わりません。
ただ、ゲームの上で戦史上の何らかの出来事を反映させるルールとして味付けに使うのでしたら、何でも自由でしょう。
BUN
重要な話を有難う御座います。
百九