984 WW2期アメリカの空冷単発機は、スピナーを装備しない例が多いようです(日本機と比べて)。
これはどうしてなのでしょうか?
satoski

  1. 日本軍機の大半が使用していたハミルトン油圧/重錘式の可変ピッチ機構はプロペラハブに露出したバランスウェイトが空気抵抗になっていたためスピナーが必要でした。疾風のラチエ式、紫電・紫電改の住友/VDMもプロペラハブからかなり大きく張り出した機構を覆うためのスピナーは必須でした。
    一方米軍機の使用したハミルトン・フェザリングプロペラやカーチス電動式などの可変ピッチ機構は上記の日本軍機のそれより進歩した物でハブまわりがすっきりしており、ハブ先端に突き出した油圧筒を覆うハブキャップさえあればスピナー無しでも抵抗増はごくわずかで済みます。それでもスピナーは有ったほうが空気抵抗は少ないのは間違いありませんが。
    スピナーが無いのはエンジン冷却に有利だからですが他の理由としては、スピナーという物は回転バランスを取るために意外に精密に作られた高価な部品で、その割に地上・艦上で接触して凹んでしまうなど消耗しやすいため、始めから無いほうが運用が楽ということもあります。
    米軍の空冷機は試作時や初期型を除きスピナー無しで一貫しているように思われていますが、SBDは-3までは同じ型でスピナー有り無しが混在していたり、SB2Cは-3でスピナー廃止、-4で復活、-5でまた廃止するなど、迷走している機種もあったりします。
    超音速

  2. >超音速様
    なるほど、そういった事情があったのですね。
    ありがとうございました。
    satoski


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