931 大戦中の航空機についてなのですが日本機に比べて欧米機とりわけp51やp47、fw190 f4uなどの機体は馬力に対して機体がとてもおもいように感じるのですが、なぜあんなに早く飛べたのでしょうか?翼面馬力の表も見ましたがとりわけp47とf4uの速度が納得出来ません。あと、fw190の上昇力への評価も馬力荷重だけで上昇力が決まるわけではないのはわかっておりますが零戦や隼にも劣るのではないかと思ってしまいます。あちらはブーストを多用して居たからなのでしょうか?
ぶらん

  1. この場合、視点を移して、どうして一部の日本機は欧米の同級発動機搭載機より速力で劣るのか、を考えた方が良いですよ。

    BUN

  2. >BUNさま ありがとうございます。その視点は今まであまり考えていませんでした。出きれば参考となる文献かサイトをお教えいただけないでしょうか?
    ぶらん

  3. ぶらん様
    一見、機体が重いことが、最高速度にもっとも効いてくるように思えるのですが、そうでもないようです。
    機体を重力に逆らって浮かせることは、戦闘機にとってそれほど問題にならないんです。


    「戦闘機としての空力的効率をあらわす方法として機体の相当抵抗面積CD・S/ηを用いれば優劣が直ちに比較できる。」そうです。(*1)
        CD:水平最大速度における機体の抵抗係数
         S:主翼面積
        η:プロペラの推進効率

    「一般に戦闘機の水平最大速度における主翼の揚力係数CLの値は0.1〜0.2程度なので誘導抗力は極めて小さくなる。」そうです。(*1)

    つまり、同じエンジンパワーなら、機体の抵抗の大小が最高速度を左右するということです。

    翼面積が小さくてグライダーのように細長いつばさなら最高速度をあげられるということでしょう。

    離陸距離が長くて、着陸速度が大きければ、より有利に最高速度を高められるということです。

    同じエンジンパワーで、戦闘機して最高速度をどのようにとらえるかの問題なんだとおもいます。

    (*1)丸メカニック,三式戦飛燕&五式戦、「三式戦/五式戦の設計と開発」土井武夫、1982.

    同じエンジンパワーなら、
    ちょん太

  4. >3.
    >グライダーのように細長いつばさなら最高速度をあげられる

    それは違いますよ。

    >離陸距離が長くて、着陸速度が大きければ、より有利に最高速度を高められる

    一概にそうとも言えないと思います。
    じゃま

  5. 日本軍機の性能計測は定格出力で行なわれ諸外国のような戦闘緊急出力での数値は性能表に書かれません。
    また誉エンジンは諸々のトラブルから運転制限が課され、搭載する航空機もその条件下で性能計測されました。一般に知られている性能はこの数値ですが、戦争末期にはトラブルはほぼ解消し運転制限はなくなります。
    巷間出回っている資料の、離昇出力しか書いてなかったり制限なしの誉の出力が書いてある情報だけを見ていると出力に対して速度が遅く見えます。

    こういった話はいくつもの過去ログのなかで何度も書かれているのです。
    超音速

  6. >ちょん太さま ありがとうございます。そのような式があるとは全く知りませんでした。機体の抵抗やプロペラ効率でほぼ決まるのならば腑に落ちます。追加で申し訳ないのですが上昇力もやはり馬力荷重はそこまで重要ではないというこてでしょうか?

    >じゃまさま 巷で言われるように高アスペクト比が高空を高速で巡航するのに有利というのも実は安直には当てはまらないのでしょうか?

    >超音速さま あちらは戦闘用緊急出力を使っていることは知っていましたが詳しい計測条件やそのときの出力などは知りませんでした。過去ログをもっと勉強します。
    ぶらん

  7. 「性能」として一般的に知られている数値は往々にして計画値であったり、条件や仕様の異なる試作機のものであったり、極端な場合は他の機種の数値を流用していたり、と基本的な部分で足もとが危うい場合があります。日本陸海軍も最大速度という項目についてはかなり適当に済ませています。
    つまり、それをベースに理屈で考えても無駄な場合があるということです。
    よく調べるしかありません。
    BUN

  8. ぶらんさま

    上昇力に対して馬力荷重は重要です。(単純に反比例するわけではありませんが。)

    水平飛行では、エンジンパワー(P0)は空気を後ろ下方に押し流すこと(P1)に使われます。上昇飛行では、それに加えて位置エネルギー獲得のため(P0−P1)にも使われます。位置エネルギーの獲得は、もろ、機体の重さにきいてきます。式での説明は次のようになります。

    水平より角度θで上昇飛行を続けている場合は次式が成立します。(単に力の釣り合いの式です。)
       T=D+Wsinθ
         T:推力
         D:機体の抗力 
         W:機体重量
    機軸方向の速度をVとしますと、上昇速度はVsinθです。上の式からsinθが得られますので、
    Vsinθ=V(T−D)/W=(P0−P1)/W=P0/W−P1/W
    となります。馬力荷重が同じ(最右辺第一項)が同じでも、上昇速度はVsinθは最右辺第二項で変わるということです。

    余剰馬力(P0−P1)が大きくて重量Wが小さいと、上昇速度はVsinθは大きくなります。

    水平速度とは異なり、上昇速度はもろに重量にきいてきます。


    ちょん太

  9. 戦闘機の主翼は空力的な計算だけでは設計できません。
    特に問題となるのは翼内機銃です。
    個人的な心象としてはキ六十一はモーターカノンをかなり意識して設計された機体であるようで、そういうこともあってか、翼弦長を小さめに設計できているのであり、しかしながら、キ六十一は重戦として完成させなければならいものになってしまっており、20ミリ砲を搭載するために主翼の再設計が必要になってしまっています。
    結果的にこの新設計主翼は採用されずに終わりますが、そのため、四式戦が20ミリ4門化を図っている時点で、三式戦は翼内20ミリ無しで進まなければならなくなってしまっています。
    戦闘機の主翼としては、キ六十一の主翼は一定の運用条件下でのみ成立しえたものであって、諸手を上げてバンザイ出来るものではなかったように思います。



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