383 |
皆様、明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 さっそくですが、2011年元旦の初質問です。 以前から抱いていた疑問ですが、九九式二号20ミリ銃の弾道特性=弾丸の直進性は、 何故三式13ミリ銃に劣るのでしょうか? 手元にある「歴史群像 決定版零式艦上戦闘機」のP27の図表によると二号20ミリ弾は、 距離300mで13ミリ弾に対し7cm、同1000mでは169cm、つまり大人一人分の背丈ほども も垂れ下がってしまっています。 しかしスペックで見ると、二号銃は初速でこそ13ミリに劣る(750m/s対790m/s)ものの、 その差は5%に過ぎず、逆に弾頭重量は2倍半近く(123g対52g)もあることを考えると、 遠距離での垂下量の大きさは納得できません。 私がこのように考えるのは、ゼロが三つ異なりますが、艦砲で類似の関係があるからです。 最上型の15.5cm砲は、55.8kgの砲弾を初速900m/sで撃ち出して、射程27500mを 得ています。対して高尾型重巡の20.3cm砲は、初速で840m/s と6%強劣るものの 弾量は125kgと2倍以上上回り、15.5cm砲を凌駕する29000mの射程を得ています。 それとの対比で考えても、ほぼ同等の初速で撃ち出した2倍も重い弾丸が先に垂れ落ちる というのは合点がいかないのです。これは一体いかなる理由によるものでしょうか? 11.1.01.元旦 23:40記 NG151/20@謹賀新年 |
- 弾道特性と射程という異なる要因で比較するので混乱するのではないでしょうか。
有効射程で見た場合、九九式二号20o機銃は800〜1,000m、三式13o機銃は900mとされていますので、九九式は三式と同等以上の数値になっています。
T216
- 弾丸形状の違いでは?
http://www.quarry.nildram.co.uk/tankammo1.htm
この写真からは、13.2mmはいわゆる先鋭弾風の頭部ですが、20mmは普通というかそれほど尖ってません。
比較するなら野砲等の先鋭弾と従来型の通常の弾の違いが有ると考えれば宜しいかと。13.2mm弾は空力がよく、速度低下が少なめなのでしょう。
SUDO
- 空気中での話ですから、単純に重いものが速く落ちたのでは?
SUDOさんの説が正解かもしれませんが、
まぁ参考程度にお読みください。
質問者さんの例示にあわせて話をしますと、
艦砲弾の場合は
飛翔方向に対して、サイズの3乗に比例する(質量)運動エネルギーがあり、
逆方向に、サイズの自乗に比例する空気抵抗がじゃまをするかたちで飛距離がきまるわけですよね。
当然ながらサイズが大きくなるほど飛距離は延びます。
同様に、力の働く方向を下に向けて考えることもできるのではないでしょうか。
機銃弾の下向きにかかる力は質量(サイズの3乗)に比例し、
逆方向には、サイズの自乗に比例した抵抗力がかかるわけです。
当然ながらサイズが大きいほど下への移動量はおおきくなるでしょう。
自然現象では、雲のなかの水滴が、サイズが大きくなると上昇気流に逆らって、雨になって降ってくるのと似ています。
太助
- 素人考えですが…主に口径長(銃身長÷口径)と空気抵抗の違いではないのでしょうか?
一般的に同一口径であれば口径長が長いほど、弾は低伸弾道を描く事になります。
質問に上がっている機銃の詳細なスペックは分かりませんので、三式十三粍機銃のモデルとなったブローニングM2を参考にして計算しますと…
銃身長は1143mmで、口径は12.7o。
口径長は90となります。
(おそらく三式十三粍機銃も同程度だと考えられます)
対して口径20oで口径長90を得ようとすれば、銃身長だけで1800oとなってしまいます。
九九式二〇粍二号機銃は全長1885o。おそらく半分近い長さを機関部が占めていると思われます。仮に銃身長1000oだとしても口径長50となります。
口径、弾頭重量・形状が違うので比較しにくいのですが、やはりこれだけ口径長が違うと三式十三粍機銃の方が低伸性が良好だったと考えられるのですが。
それと
>逆に弾頭重量は2倍半近く(123g対52g)もあることを考えると、遠距離での垂下量の大きさは納得できません。
確かに弾頭重量が大きい方が初速からの速度の落ちが小さいのですが、空気抵抗でかなり相殺されるのではないのでしょうか?
20o弾は13.2o弾に対し、断面積で約2.3倍もありますので。
トゥルビーネ
- 弾頭重量を考えた場合、13ミリと20ミリでは単純には3.5倍以上の差があるはずです。(口径比の3乗)
それが2.5倍程という事は20ミリは相対的に「軽い」弾頭でないのでしょうか。
口径面積比で2.25倍ですから重量はこちらに近い位です。
仮に両者のcd値を同じにすると空気抵抗による減速も同程度になります。
SUDO氏が例示されている様に弾頭形状は20ミリの方がなだらかですし、信管の先頭は平面だったと思います。
総合的に弾頭の減速度は13ミリより20ミリの方が大きく、結果として弾道が垂れるのでしょう。
ただ、速度は落ちても重い弾頭で炸薬の効果もあり破壊力は大きくなるので、有効射程で言えば20ミリが有利という事でしょう。
わんける
- 皆様、ご回答ありがとうございます。
>T216様
>有効射程で見た場合、九九式二号20o機銃は800〜1,000m、三式13o機銃は900m
愚考するに、炸裂弾たる20mm弾は、信管が作動できる存速と旋転(横転・転倒弾にならずに信管のある先端から着弾する)が残っていれば有効なのに対し、ムクの実体弾の13mm弾は、存速が
一定値以下になれば有効な威力が得られないことによる差ではないでしょうか?
この点は、ションベン弾と酷評される20mm一号銃でも「命中さえすれば」の有効射程は相応にあるはずです。今回の拙問は、
>大威力の20mm弾だが、弾道特性が悪くて必中を期せる距離が短いとされ、例えば米重爆との
>交戦では、防御砲火の12.7mm弾にアウトレンジされていたのは何故だろう
という幼い頃からの疑問というよりも不満から生じたものなのです(三式13.2mmの弾道特性が
M2系12.7mmに劣ることも承知していたので尚更)。
>SUDO様
> 弾丸形状の違いでは?
>http://www.quarry.nildram.co.uk/tankammo1.htm
やっぱりこれですか…。実は拙問の前掲書に各弾薬包のイラストも載っていて、ドングリのように
尖った13ミリ弾とまるでPETボトルみたいな鈍い頭の20ミリ弾を見比べて「空気抵抗の差かなあ」
と思っていました。
そして昨日、書店に行って立ち読み(コラッ)した「GUN」誌11.2月号に偶然にも関連する特集
があって「弾道係数」という数値がありました。弾頭の形状によって存速や垂下量に大きな影響が
出るというもので、13ミリ対20ミリにもこれが影響しているのかなと感じています。
それともう一つ、SUDO様ご掲示の写真を見てハタと気付いたことがあります。
炸裂弾ながら重量が34gしかないMG131の弾頭が、ムクの金属の固まりで46g〜52gもある
M2や三式の弾頭と同サイズかむしろ大きいくらいなのです。炸薬と信管を入れる空洞を彫ると
このサイズが必要になるのでしょうが、20ミリ弾も同様に重量あたりの容積=空気抵抗で、13ミリ
に対して不利になるはずで、この影響も大きいと思います。
またこの点は、太助様への回答にもなりますが、艦砲の場合は15.5cmにしろ20.3cmでも弾体と
炸薬の比率は、徹甲弾、通常弾ともほぼ同一と思われ、実体弾と炸裂弾の対比としてはやや不適切な
対照だったかもしれません。
>トゥルビーネ様
>一般的に同一口径であれば口径長が長いほど、弾は低伸弾道を描く事になります。
銃/砲身長は、あくまで弾丸に前進エネルギーを与えるための手段の一つであって、装薬の量=
薬室の容積≒薬莢長(ストレートケースか、肩をいからせ、太くして装薬量を増やすかの違いもある)
とも関連します。
例えば九九式一号銃を弾薬包はそのままに銃身だけ延ばすか、二号銃で薬莢だけ長くして銃身長は
そのままにという選択は行われず、銃身延長とともに弾薬の互換性の喪失を忍んで新たな弾薬包が
導入されています。
今回、改めて勉強になりました。(まだ終りではありませんが)皆様ありがとうございます。
11.1.03.17:15記
慌てて追記
わんける様、レスありがとうございます。
返信は少々お待ちください。
NG151/20@謹賀新年
- わんける様
改めてレスありがとうございます。
遅レスにならないよう何とか返事をまとめて投稿しようとして、貴稿に気付きました。
>弾頭重量を考えた場合、13ミリと20ミリでは単純には3.5倍以上の差があるはずです。
>(口径比の3乗)それが2.5倍程という事は20ミリは相対的に「軽い」弾頭でないのでしょうか。
九九式=エリコン系は、イスパノ系と共に第二次世界大戦当時の航空機用20ミリとしては、
重量弾に属するはずです(ホ5、MG151/20、ShVAK等いずれも90g台なので)。それでもM2、
ホチキス系の13ミリ弾に対して二乗三乗の法則が当てはまらないのは、拙稿でも挙げた炸裂弾と
実体弾(正確な用語ではないかもしれません)の関係があるからだと思います(炸裂弾のMG131とは
ちょうど符合する)。
そういえば、同じ炸裂弾同士でも二式30ミリは、弾量265gで九九式20ミリの2倍余止まり、
初速も715m/sで「有意な威力差がない」として不採用になり、五式30ミリでは同350g、750m/s の
達成が課せられています。
今回の論考に当てはめると、二式の30ミリ弾は口径に比してかなりの短小弾となるはずで、
弾道特性も既に登場していた二号20ミリ銃と比べても相応に悪くなると思われ、不採用も止むなし、
と思い至りました。もっとも、もっと弾道特性の悪いMK108を敢えて採用して米重爆に大出血を
強いたドイツ空軍と比べてどうか、さらに短小軽量弾の戦後のADEN/DEFA砲の活躍を思うと、適切な
判断だったのかどうか迷うところです。
>速度は落ちても重い弾頭で炸薬の効果もあり破壊力は大きくなるので、
>有効射程で言えば20ミリが有利という事でしょう。
拙論とほぼ同じ見解で意を強くしました。
だんだんAnsQではなくて私見の垂れ流しになりつつありますが、皆様ご容赦ください。
今年も一年よろしくお願いします。
11.1.03.21:45記
NG151/20@謹賀新年
- >単純に重いものが速く落ち
ガリレオが怒ります。
じゃま
- 怒らないよ。ファルコンの羽とハンマーを落としてごらんなさい。
ガリレオ
- >>9
空気抵抗って知ってる?
ハンマーとハンマーの形に成形した発砲スチロールを落としてごらん。
ガリレオ(泣)
- 怒らないよ。ファルコンの羽とハンマーを落としてごらんなさい。
ガリレオ
- 都会なら科学館とかで空気抵抗のない場合の
ものの落ち方とか見れるんだけど田舎の子?
>>9&11
- 空気抵抗のせいにしておしまいですね。
空気抵抗はどういうわけで生じるのでしょうね。
どのような次元をもつ物理量なのでしょうね。
どれほど現象に影響するのでしょうね。
ほかにかんがえることはないでしょうか。
じゃま
- >>13
本筋からはずれてるような気がするので
もう少し具体的にお願いします。
ガリレオ2
- 小生の方から、もう少しだけ具体的にお話しましょう。
機銃弾の質量をm、
機銃弾の下向きの加速度を a、
重力加速度を g、
上向きの空気抵抗を f とすると、
物体の上下方向の運動方程式は次のようにたてられます。
m・a = m・g − f
ここで f は
f = 1/2 ・空気抵抗係数・断面積・速度の自乗
で表現され、質量 m を含まない式になります。
よって、最初にたてた運動方程式の両辺を質量 m で割ると、
a = g − f / m
となり、同じ形状ならば、質量が小さいほど落下する加速度が小さくなる、
つまり落下速度が遅くなるのがわかります。
例えば、>>10の方が提案された実験を行うと、ハンマーよりも発泡スチロールの方がゆっくりと落ちる結果になります。
あくまで空気中での話ですが。
最後に少しじゃまさんをフォローすると、
>>13で「どれほど現象に影響するのか」と書き込んでおられますが、
こういう視点は大事だと思います。
今回のお題では、比較物の質量比 対 断面積比がわりと1に近いため、
「重いほうが速く落ちる」のは確かなのですが、どれだけ速く落ちるのかは、計算なり実験をしてみないと分かりません。
物理・数学というより
科学・算数といったレベルの書き込みですが、
参考にして頂けたら幸いです。
太助
- ありがとうございます。口径長他いろいろ参考にないます。
色々な例が出ていますが、よくわからないと云うのが感想ですね。
エリコンは、銃弾の形状に問題があり抵抗で失速しやすいと云うのは、ある本で読んだ話です。
別の例ですが、有名な88mmFlak-18でしたっけ、56口径長日本やイギリスで云う54口径長だそうですが、初速820m/sで最大射程、14800mだそうです。
それで、日本の12Cm高角砲45口径で20Kgの砲弾を初速840m/sで打ち出し、最大約15000mのだそうです。
別の12Cm高射砲ですが850m/s、860だったか?で砲弾重量は殆ど同じで約20000mの射程だそうです。
尖頭弾だからという事らしいんですが、これだけ違います。
口径長でも最上型の15.5Cmは60口径で約初速1000mだったか?10Cm高角砲は、65口径で1000m、精度は良くなるのでしょうが、初速は?
12.7Cmが50口径で900mの初速ですので口径は目安かなとしか思えないようです。
ホッチキス25mmは銃身長2mと言いますから、75口径のはずですが、初速はご存じのとおり900mと謂う具合ですしね。
銃弾の形状での弾速度の影響は、ガーランドライフルは、初速800m以上と謂うのに、400mを超えると初速750mだったかな?の38式と威力は変わらないといわれるほどになってしまうし、
38式は、600mでの銃弾速度が500mだと云います。
これほど形状は影響するようです。
色々要素が絡み合っていんでしょうね。
青江
- >「重いほうが速く落ちる」のは確かなのですが、どれだけ速く落ちるのかは、計算なり実験をしてみないと分かりません。
1000mに到達するまでの時間は約1.5秒前後、その時点での垂直方向速は15m/s程度です。これと水平方向速度の700m/s以上を比べると、垂直方向速度に対する空気抵抗は無視できるレベルと思いますけど。
くさの
- >>17
どういう計算をされたか興味がありますが、
この設問は弾道低下量のわずかな差が
存在することを問題にされているのです。
それと弾道低下を招く要因は重力です。
垂直方向の空気抵抗は、むしろ弾道低下を阻害する方向に働きます。
太助
- >どういう計算をされたか興味がありますが、
>この設問は弾道低下量のわずかな差が
>存在することを問題にされているのです。
1000mで169cmの落下量の差がでるのが、水平方向速度低下による(すなわち到達時間が長くなる)ことに起因するか、あるいは鉛直方向速度に起因するか計算してみれば明らかだと思いますけど。
くさの
- ちょっと計算してみました。
二号20ミリの空気抵抗による初期加速度を-300m/s2、空気抵抗は速度の二乗に比例するとすると、1000m到達に要する時間は1.54秒、残速は558m/s、落下距離は11.62m(速度が遅いので空気抵抗は無視)となります。
三式13ミリの落下距離がこれより1.69m少なくなるためには、1000m到達時間は1.42秒、残速度665m/sになります。初期加速は-76m/s2。
このくらい空気抵抗が違うと、発射後0.2秒程度で速度が逆転(概ね735m/s)します。逆に言えば、このくらい違わないと1000mで1.68mという差は出てこないです。
くさの
- >15.
大助さん、フォローありがとうございます。
つらいのですが、やはり言わねばなりません。
>「重いほうが速く落ちる」のは確か
これは誤りでして、密度が似たような物体ではこのようなことは起こりません。
提示された式は間違っていまして、左右両辺の次元が合っていないのです。
>17.〜20.
弾丸が水平方向と垂直方向の二次元の運動をしていることで、みなさんの意見が一致してきたようですね。
弾道の問題が面白いのは、この二方向の運動が相互に関わりあうところにあります。
なぜかというと、抗力係数drag coefficientがレイノルズ数の関数になるからです。
じゃま
- こんにちは。初めて意見を述べさせていただきます。
>密度が似たような物体ではこのようなことは起こりません。
密度が同じような、ということは同じ形であれば同じような重量になるということですよね?
ですから重量の差による落下速度の違いという設問には答えられていないように思います。
当初の設問に戻れば、
水平速度の違いはある水平方向の定点(300mとか1000mなど)で比較する場合、到達時間が異なってきます。
とすれば当然、自然落下としても落下距離は異なります。
つまり速度の遅いほうが到達時間が長くその分たくさん落ちる、ということです。
空気抵抗がないとして計算しても1000m地点での高さの差(つまり落下距離)は86cmほどとなります。
これは単純に初速の差です。
これに空気抵抗が作用してさらに速度の差が広がればある水平定点での落差はもっと広がることになります。
詳しい計算はお得意な方にお任せしますが、水平方向1000m地点で1.68mの落差は十分ありうるのではないでしょうか。
魔笛
- 両辺の単位があわないですか、、、困ったものです。
では f を力の単位をもつものとして、次のように再定義してみましょう。
f = CD値・断面積・(1/2)・空気密度・速度の自乗
CD値は無次元数です。
じゃまさんでは、たぶん理解できないだろうと危惧しますが、
他に理解できる方もいらっしゃるでしょうから、とりあえず書き込ませて頂きます。
太助
- 現状、わたしは、理科と算数程度の解析しかなしえませんが。
見解を述べさせていただきます。
太助さんが述べられている上下方向の運動方程式
a = g − f / m
をベースに論じるのがスジだと、私も思います。
CD値のレイノルズ数依存性は、上下(鉛直方向)では、
ほとんど問題にならないのでは、とも思います。
要は、垂れ量はaに垂れ時間の二条を掛けた値に比例すると
いうことです。
即ち、当該目標に達するまでに要した時間が問題であって、
初速だけにとらわれてはならないと言うことではないでしょうか。
まあ、弾は、軸を中心に回転してますし、
物理・数学的には、それを考慮して、レイノルズ数の変化も考慮して
厳密には、オイラーの運動方程式から計算して、たれ量を決定するのでしょうが。
太助さんの式の右辺第一項が支配的と考えて、よろしいのではないでしょうか。
即ち、到達時間が、支配的だと。
ちょん太
- みなさま、たいへん失礼しました。
ガリレオがピサの斜塔から大小二個の鉄球を落として、という話は弟子の創作らしいです。
じゃま
- >23.
さあ、太助さんの式が正しくなってきましたね!
ここまで独力でこれたのですから、立派なものです。
もう少し式を変形していくと、太助さんなら落下速度は物体および空気の密度と大きさと抗力係数の関数であり、質量mは任意であることにお気づきになると思います。
このときの落下速度は終末速度terminal velocityと呼ばれるものです。
じゃま
- >24.
いいえ、ここで議論しているのは固体の運動であって流体の運動ではないので、オイラーの式は関係ないと思いますよ。
じゃま
- >24.
もし、物体が落下するときのまわりの流体のようすを見たいというなら、オイラーの式ではなく、ナビエ・ストークスの式を使わなければなりません。
しかも条件は乱流域を含みますから、なんらかの乱流モデルを導入する必要があります。
オイラーの式は流体の粘性を無視できるときの近似式です。
粘性が無いなら流体の抵抗は存在しません。
ダランベールのパラドックスとして知られています。
じゃま
- >>26
最初に挙げた式が間違っているように言われるのは心外ですね。
「空気抵抗係数」を「CD値・空気密度」(ただしCD値は無次元数)と、単位がわかるように表記を変えただけですよ?
それから終末速度ですか、
それは小生が提示した式において a = 0 となったときの速度のことですね。
sqrt( m ) に比例した値になるかと思いますが。
太助
- 一応くぎをさしておきますが、
「落下速度は質量とは無関係だが、“密度・大きさ”の関数ではある。」とかいう詭弁はなしですよ。
太助
- もう一本くぎをさしておきますが。
オイラーの運動方程式というのは、
剛体の運動を解析するものです。
機銃弾は、質点ではありませんので。
「オイラー方程式」ではなくて、
「オイラーの運動方程式」で検索してみてください。
ちょん太
- >>29.
もう一息ですので、怒らないで辛抱して!
質量m=体積・密度
であることに気がつかれましたね。
これでもう一度、式を書き換えてみてください。
じゃま
- だから、ガリレオの実験の話は創作ですが、
重いものでも軽いものでも同じ速度で落下するのは間違いないのです。
じゃま
- 太助さんに悪意があるわけではありません。
真面目で頭の良い方だと思っています。
ただ、
>「重いほうが速く落ちる」のは確か
ということはないです。
じゃま
- 詭弁はなしとくぎをさしておいたはずですが、
どうやら“ぬかにくぎ”だったようですね。
とりあえず、終端速度が質量の関数になることを導出しましょう。
終端速度は、物体の落下加速度 a = 0 になったときの速度ですから、
0 = m・g − CD値・断面積・(1/2)・空気密度・終端速度の自乗
という式が成立します。
よって
終端速度 = sqrt〔m・g / (CD値・断面積・(1/2)・空気密度)〕
となり、終端速度も質量 m の関数であることがわかります。
この関数式の形をみると、賢明な諸氏には、同じ形状ならば質量が大きいほど終端速度も大きくなることが読みとれるでしょう、あくまで空気中での話ですが。
太助
- >35
式はその通りだから自分で計算してみれば良いのですよ。どっちが早く落ちるか。弾丸を円形状と仮定すれば、CD値は1前後。空気密度は1.25kg/m3、断面積は口径X弾丸長で代用、すなわち20x101と13.2x96、重量は123gと52g。
これで計算すると、落下速度10m/s時に受ける空気抵抗は、加速度換算でそれぞれ1.03および1.43m/s2。やはり20mmの方が早く落ちますね。ちなみに1.5秒後(約1000m飛翔時)の垂直落下距離は、それぞれ9.39mと8.94mと計算されますので、無視できないですね。20の垂直方向の空気抵抗は無視というのは訂正します。
で、この仮定に基づいた結論は、両者の1000mでの落下量の差は、1/4程度が垂直落下の抗力の差で生じ、3/4程度が水平方向抗力の差(弾丸形状差)による速度低下による飛翔時間の延長に起因する、となります。
くさの
- >20
と同様の計算ですが、
両者の初速、重量より軌道を見積もってみました。
参考にした資料は、
「各種戦闘機兵装概要」(ネットから孫引きですので数値が怪しいです、正しい数値をお持ちの方がおられましたらご教示いただけると有難いです。)
横須賀海軍航空隊『戦闘機隊長必携』ヨリ抜粋(?印ハ調査中又ハ今後ノ実験ニ依リ決定スベキモノ) 19.12.15現在 
『各種固定機銃弾道低下量ナラビニ弾丸飛行秒時表』(気速ヲ加味セルモノ)(高度5000m・300kt) 
100 200 300 400 500
三式  0.05 0.23 0.52 0.94 1.49
九九式二号 0.06 0.26 0.59 1.07 1.74
九九式一号 0.09 0.37 0.85 1.56 2.53
九七式 0.06 0.26 0.61 1.14 1.85
以上の条件から、弾丸の抵抗係数一定として軌道を計算し、両者の弾道低下量をほぼ再現できる抵抗係数を探してみました。
機速 [Kt] 300
[m/s] 154.3
大気密度 [kg/m^3] 0.736(高度5000m)
三式13mm 九九式二号
弾頭重量[g] 123 52
初速[m/s] 750 790
抵抗係数 0.18 0.38
距離 弾道低下量(m) (括弧内は資料中の数値)
300m 0.51 ’(0.52) 0.58 ’(0.59)
500m 1.49 ’(1.49) 1.75 ’(1.74)
1000m 6.54 8.42
三式13mmの形状が、尖頭かつ後部を絞った形状であるのに対し、九九式の方は鈍頭かつ後半部を絞り込んでいないので前者にくらべ後者はかなり抵抗が大きいのだと思います。この形状の違いで約2倍という差がつくというのが妥当な解釈かかどうかはわかりませんが、1000m地点での軌道の差は再現できているように思います。
(弾頭形状については http://cb1100f-integra.web.infoseek.co.jp/collection3_2.htm
い
- >35.
ここまで太助さんが来れたのだから、もうあまり言うことはないですね。
物体を仮に球として(なんでもよろしい、次元が長さの3乗になるのは自明です)、弾丸だから鉛として密度ρ1が11820kg/m3、空気密度ρを少し大きめに見て1.23kg/m3とすると、
終端速度 = sqrt〔m・g / (CD値・断面積・(1/2)・空気密度)〕
=sqrt〔3/4π(ρ/ρ1)・r・g/〔(CD値・πr**2・(1/2)・空気密度)〕
ここで密度の比ρ/ρ1=1.23/11820
=1.041e-4
この平方根をとると、0.0102
大きさ(=重量)rが変化しても、それはたかだか1.02%しか影響しないのです!
要するに、終末速度が10m/sであると、物体の寸法が変わっても10.01m/s
になる程度で、終末速度は寸法に対して極めて感度が鈍い、ほとんど変わらないのです
21.で言いたかったのは、つまりそういうことです。
じゃま
- >>38
水に落ちた犬をさらに叩くようで申し訳ないんですが、
質量 m を求める計算がめちゃくちゃにみえるのは気のせいでしょうか?
小生なら、球体の質量を求めるのに
質量 = 物体密度・(4/3)・π・半径の三乗
と計算します。
じゃまさんお得意の単位計算でもなさって、ご自分の式を検証なさるべきかと思いますが。
太助
- 先の書き込みから数日たちましたが、
じゃまさんからの持論訂正はまだありません。
仕方がありませんので、小生の見解を述べさせて頂きます。
前提:空気中での自由落下における終端速度の変化を計算します。
1)
>>35にあげた式より、
形状が同じでサイズも同じ物体は、密度が n_d 倍になると、
終端速度は sqrt( n_d ) 倍になります。
つまり、密度が2倍になると終端速度は sqrt(2) ≒ 約1.4倍になります。
2)形状が同じで物質の密度も同じ場合は、
サイズ(全長)が n_s 倍になると、
終端速度は sqrt( n_s ) 倍になります。
つまり、サイズ(全長)が2倍になると終端速度は sqrt(2) ≒ 約1.4倍になります。
3)上記の1)及び2)をまとめると、
形状が同じ物体を比較すると、密度が n_d 倍になり、サイズ(全長)が n_s 倍になると、
終端速度は sqrt( n_d・n_s )倍になります。
これはじゃまさんの持論とは全く異なる結論です。
信じる信じないは個人の自由です。
以上
太助