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翼端渦について質問です。 複葉機の翼端渦は上下の主翼で一つの渦ができるのでしょうか?それとも個々の主翼ごとに渦ができるのでしょうか? 上下で主翼の長さが同じ場合と異なる場合でも渦の出来方は変わってくるのでしょうか? おうる |
- 正確には答えられないのですが、ご参考まで。
複葉機の場合、翼端渦は個々の主翼端ごとに発生するので、計4つの渦ができます。
上下で主翼の長さが同じ場合でも、異なる場合でも、やはり4つです。
翼端渦は、Streamwise Voltexという渦(日本では「縦渦」という妙な訳がついています)の一種です。
流れ方向と渦の回転軸が平行に近く、定常性が強くて、安定しているのが特徴です。
これと正反対なのが剥離渦です。
渦の回転軸と流れ方向は直角で、非定常性が強く、発生したり消失したりして不安定なものです。
急降下爆撃機のダイブ・ブレーキはたいてい振動問題を起こしていますが、あれは剥離渦が生じるためです。
面白いのは、いろいろなケースで、4つの渦が相互に干渉するか?という問題ですね。
渦は、まわりの物体を誘引する性質をもっているから、です。
むかし、四つの縦渦をつくって実験したことがありますが、そのときは干渉は観察できませんでした。
じゃま@出張中
- 上下の翼の同じ側(例えば、左の上と下)からの翼端渦は回転方向が同じなので下流で合流するのではないでしょうか。
左右の翼端からの渦は互いに逆回転なので合流することはありません。
渦の干渉は、ビオーサバールの法則(いまも高校の物理で習うのでしょうか?)で他方の渦に力を及ぼしていると考えれば渦の行方をトレースできます。
い
- >2. 回転方向が同じなので下流で合流するのではないでしょうか
わたしもそう思います。
ただ、回転方向が同じ渦のあいだでは、渦の周方向速度ベクトルが正対してしまうので、合流するまでにラグランジェ的に見た時間、オイラー的に見た距離は比較的長くなるのかな?と思います。
じゃま
- >距離は比較的長くなるのかな?
co-rotating vortexと呼ばれるもので、
二つの渦は同方向に互いに相手の回りを回るようにねじれつつ合流します。
アニメーションでみると、
http://www.cerfacs.fr/cfd/Gallery/gallery_mov_AAM.php
”LES of the unstable 3D merging between two co-rotating vortices at high Reynolds number via the elliptic instability”
http://www.cerfacs.fr/cfd/Gallery/movies/cerfacs-highre.mpg
い