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操縦・安定性に問題があり実用に向かないとの判定から不採用となった、 E12A用に設計した機体を、3座に改修し若干大型となった機体のがE13Aだ、 という話を聞いたことがあります。 これを踏まえ質問です。 ■E13Aで25番を積んで爆撃した場合、どれくらいの角度で降下できたのでしょうか? ■E13Aの母体となったE12Aは元々急降下爆撃ができる水偵というコンセプトでした。 昭和14年11月には制式採用が内定してたE13Aを再改造した急降下爆撃水偵を開発するのと、新たに十四試特殊水偵をイチから設計して量産するのと、実用化までの時間差はどれだけ発生する、と見込むべきでしょうか? 瑞雲のような金星搭載・急降下爆撃可能な水偵は、もう1〜2年早く開発できたのではないか、という仮説から生まれた質問でした。 E12A |
- 瑞雲の場合ダイブブレーキは有していますが、爆弾投下腕は装備していません、降下角度は胴体下に爆弾搭載時には60度未満となります。
わんために
- > 1.
便乗で申し訳ありません。
「瑞雲に爆弾投下誘導枠がない」という話の出典を教えていただけると嬉しいのですが(以前、組立中の機体に爆弾投下誘導枠らしいものが付いているのを写っているのを見つけたことがあるもので)。
T216
- 十二試二座水偵の審査と十四試二座水偵の設計作業はほぼ連続しています。
間に三座水偵がはさまったりしますが、十四試二座を遅らせた要因は十二試三座ではなく、十六試艦攻の設計や十三試艦爆の転換生産だったりします。
十六試艦攻が無ければ、確かに瑞雲は早まっていたでしょう。「優先順位が低く意図的に遅らせている」という意識が愛知の設計陣にあることが当時のメモからわかります。
ですから強度類別三類で最大降下角度40度以下、制限速度245ノット 制限gが指示速度245ノット時で2.9という機体をベースに新たな水上爆撃機を設計するような余裕は、当時の愛知にはとても無かったと思います。
BUN
- >BUNさん
最大降下角度40度以下、というのがE13Aの実力だったのですね。
ありがとうございました。
十四試二座の要求性能が十二試二座よりも高まった分、(零式水偵+九九艦爆)÷2のようなお手軽開発というワケにはいかなかった、ということですね?
E12A
- 十二試二座のお蔭で十二試三座の設計が遅れ、そのために一旦、失格を宣言されたけれども海軍航空本部の指示でそのまま試作と審査が継続された、というのが昭和14年度初めの状況です。
そこに十四試水偵の試作が入ってくるので「十二試二座水偵と十四試水偵の設計作業はほぼ連続している」ということなんです。
さらに十三試艦爆の転換生産(改設計作業)と十六試艦攻の試作が命じられるので「瑞雲」の完成が遅れた(後回しにされた)のです。
そして十二試三座水偵は海軍機の中では異例なほど審査が順調に進んだ機体ですが、採用後に判明した強度不足問題は昭和十六年一杯解決せず、設計陣はそのために余計な出張を繰り返しています。
だから強度類別が根本的に異なる三座水偵を基礎に新しい二座水偵をわざわざ設計するという不合理な仕事をする必要はまったくありませんし、スケジュール的にも、十二試二座と十四試は陸軍ならば屠龍のようにキ番号をそのまま受け継いだかもしれないような連続した関係にあります。
BUN