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http://www.warbirds.jp/truth/zeke.html 上記リンク先と、「十四試局地戦闘機計画要求書」の要求値と言われる「最高速度:高度6,000mにおいて325ノット以上/上昇力:高度6,000mまで5分30秒以内/航続力:最高速(高度6,000m)で0.7時間以上(正規)/武装:20mm機銃2挺、7.7mm機銃2挺/操縦席背面に防弾板を装備」を見直して気づいたことがあります。 仮称零式二号艦戦(A6M3)において、全力正規1.08時間/6000m最高速291.5ノット/上昇力6000mで6分47秒と、最高速度を除けば十四試局戦の要求水準にかなり近づいていることです。 着艦フックを廃止したり、翼内の燃料タンクを小さくしたりすることで、荷重をソコソコ減らせる可能性はあります。更にノモンハンで対戦したI-16に既に搭載されていた推力式単排気管を史実(五二型)よりも数年早く採用するなどの工夫により、例えば三二型の試作が始まった昭和16年6月段階、時は正に雷電の(火星13型のままでは最高速度が届かないことから)水メタ火星に積み替えが決まる直前の迷走段階ですが、最高速330節/6000mの仮称零式二号艦戦(改)が「もしも」誕生可能であれば、それは十四試局戦の代替として、かなり有力な機体ではないでしょうか? 七氏野権兵衛 |
- 零戦の改造で330ノット可能とはなかなか思いづらいものがありますが、実現するならば素晴らしいところです。
しかしながら、16年6月といえば、下川事故の直後で、零戦そのものが浮沈の境にある時期でして、機体設計チームはその対策に忙殺されてしまっています。それでいて、二号零戦と十四試局戦まで並行してきてしまっています。ここでまた、正規の艦戦型二号零戦とは別に局戦型零戦の設計を割り込ませるとなると・・・・・・。
零戦に関してよくいわれることではありますが、人的リソースの不足という決定的な「壁」がここにはあってしまいます。そういう観点からも、この件は難しいです。
なお、排気ガスロケットのみについていえば、16年中期には空技廠で零戦への装備の研究が行われていますので、16年6月より数ヶ月遅らせればそれは可能だったかもしれません。
片
- 推力排気管を備えた2号零戦って、つまりは零戦52型ですから、最高速度は310ノット程度で、325ノットには足りません。当然ですが上昇性能も全然不足です。
燃料を減らすと言っても、0.7時間分だと削れるのは150Lぐらい(100kgちょっと)武装や装備や防弾の強化を全くしないとしても、数ノット稼げれば御の字で、310〜315ノットの機体で325〜340ノットを希望する次世代局戦の代替とするのは、かなり厳しいかと。
まあ、これで軽量52型みたいなのが登場してたら、かなり早期に金星装備とか水メタ装備の零戦強化型が出て来れたんではないかとは思いますが。
SUDO
- 片さん、SUDOさん、早速、回答ありがとうございます。
>片さん:人的リソースの不足
やはりこの手の妄想、三菱に期待するのではなく空技廠が研究した、という方が、まだ現実に近いのでしょうね。
>SUDOさん
昭和16年夏段階で、1300〜1500馬力級の手頃なエンジン(栄31とか金星6xとか)で量産のメドが立っているモノがあれば、妄想が更に膨らまし易いんでしょうが…
栄21の乾燥重量が590 kgで二速全開で980HP。
試作が昭和15年の金星51が、642kgで二速全開1,100HPあたりに積み替えるという前提でも、五二型に対して更なる10〜15節の速度上昇は叶いませんか?
七氏野権兵衛
- こうした場合における空技廠の任務とは、
・高速機試製への基礎データ整備
・敵空母攻撃主力である急降下爆撃機の開発
ということになります。
より本格的な高速戦闘機である三菱十七試局戦のための予備研究、十三試艦爆、十五試陸爆の試製。
空技廠飛行機部としても、やらなくちゃならないことはたくさんあったのです。
片
- >3
単純計算すれば馬力の三乗根に速度は比例しますから、980馬力が1100馬力になれば、10〜15kt稼げる可能性は十分にあります。
金星62を積んだ零戦54/64が310kt。ほぼ同仕様で栄21/31搭載の零戦52丙が290ktちょっと、馬力がこれだけ増えても+20ktですから、金星5Xでは栄21比で+15ktは難しそうですが+10は射程圏内でしょう。
つまり、14試局戦の初期要求値には若干足りないぐらいまでは追い込める可能性はあります。燃料搭載量は単に積まなければ良いだけですから、タンクはそれなりに大きくというか艦戦仕様のままでも構わないでしょうし、単純に金星5X搭載の零戦53ないし54型を2号零戦の次に出すぐらいの流れなら実現性はそれなりにあるでしょう。
SUDO
- ゴミレス。零戦(艦戦)の大きな翼で同世代の陸上機以上の速度性能を望むのはそもそも無理があり、速度を稼ぎたかったら、翼面積を思いっきり縮小して、二式単戦並の15m^2位にすればよかったのかも。
雷鳥
- 皆様、ありがとうございました。
纏めると
■16年6月より数ヶ月遅れなら、日本で推力排気管の実用化の可能性が出る
■金星5x(+推力排気管)で、零戦ベースの機体ながら、14試局戦の初期要求値に近い性能を出せる可能性がある
■ただし、三菱なり空技廠飛行機部なりにリソースに余裕があれば…(翼の形状の変更等まで踏み込めたかも ???)
追伸:そういえば、十四試局戦は「単発」指定があったのでしたっけ?
七氏野権兵衛
- 海軍機への要求の示し方は、陸軍の場合のように一定の幅のあるものではなく、かなり絞り込んだ形で行われます。
使用発動機に関しては事実上海軍側からの指定と思って間違いありません。
本庄技師が双発陸攻の計画に際し四発案を示めそうとして逆鱗に触れてしまったのと同様、融通の利かないところなのです。
片
- それから、金星五〇型装備の零戦は、実際に16年の後半には開発が予定されていたのですが、中止され、栄二一型に戻されて二号零戦が量産されるに至っています。
一号零戦が下川事故で躓かず、より期待度の大きな十四試局戦が実機完成前から性能不足という問題に陥っていなければ、あるいは、三菱の設計班が新規開発と改良設計をきちんと別部署に分ける構成になっていたならば、あるいはそれは実現していたのかもしれません。
片