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5242  航空エンジンのカーブレターレイアウトについてお尋ねします。
 基本設計からスーパーチャージャーが組み込まれた航空エンジンは、一般的にカーブレターで混合気を作った後、過給されます。二段階で過給する場合は、一段目の前か後か異なる手法がありますが、いずれにしても終段過給前には混合気となっているのは共通しています。
 これに対し、12X/Y、VK−100系、Jumo210/211、DB600などは過給した後、カーブレターで混合気を作り燃焼室へ送っています。
 この、カーブレターをスーパーチャージャーの前か、燃焼室の前かの異なるレイアウトのメリット、デメリットをご教授願いたく存じます。
DDかず

  1.  過給器の後に気化器を置く場合、加圧されて温度の高くなった吸入空気に気化器がさらされるので気化器凍結が避けやすく、また各気筒もしくはバンクおよび気筒群単位等に気化器を配置するという手段がとれますので混合気分配不均衡を避け易く、高度補正もいらないといった具合で、非常に有利な方式です。
     気化器を過給器の前に置く場合は、大柄で高機能な気化器を配置しやすくなります。また構造的に整備や調整がしやすいという利点があります。そして過給器に入る空気が既に混合気であることから、ガソリンの気化潜熱による冷却が始まってるので圧力比と吸気温度で有利になるとされています。ただし過給器の吸入口に邪魔があるので、それらと差し引くと、圧力の優位は大過給圧を用いた場合にのみあるとみなせるかと。
     つまり、大過給圧で大馬力を発揮させるなら、気化器は過給器の前にあったほうが、大型で高機能な単気化器を使いやすく、また調整しやすく、そして吸気圧と吸気温度でも有利になります。
     また気化器を過給器の後ろに置くと、吸気圧等が変化した場合、気化器の追随が遅れやすい問題があります。過給器から出る空気は脈動もあったりするので、それらに対する調整が難しくなるのと、また優位点である各気筒に気化器を置ける=多数の気化器というのが、この調整の難易と相俟って、整備性の足かせになることがあり、どちらが良いとは一概には言えないようです。
    SUDO

  2.  ああ、忘れてた。
     一般的に、列型及びV型の発動機の場合は、レイアウト的に過給器の後ろというかシリンダ直前に気化器を置くのが容易ですが、星型の場合ですと一箇所に固めた気化器群ないし大型気化器一基にまとめるほうが、吸気レイアウトのみならず、排気管や冷却空気の取り回しの面でも優位になります。
     そして構造的に、クランク軸になるべく近接した位置に過給器を置くのが、過給器の駆動力の取り出しの面で有利です。
     この結果として、特に空冷星型の場合は、気化器を置きやすい場所が、過給器の手前側になるのです。
     いわゆる2段過給器式でも、原型のレイアウトを引きずっている場合が多いので、星型ですと過給器→気化器→過給器→発動機になるのが自然だったともいえるでしょう。
    SUDO

  3.  ありがとうございました。
    DDかず

  4. 星形の場合クランク軸直下に過給器がクランクの構造に固定される形で付いていますが、この過給器はレイアウト上吸気が気筒に入る直ぐ前に成り、この過給器で加熱された吸気はそのまま気筒に入り望ましく無い場合が有ると思います。クランク固定の過給器の弊害にはどう対処したのでしょうか
    にも。

  5. 星形の場合クランク軸直後にクランクケースに作り込まれた過給器が付いています。この過給器は、吸気を放射状に配置された気筒に分配する位置、吸気の経路では気筒の直前に在り、加熱された吸気がそのまま気筒に入り望ましく無い場合が有ると思います。クランクの構造に固定された過給器の弊害にはどう対処したのでしょうか
    にも@訂正。

  6.  1段過給機でクーラーを付けているのは殆ど無いです
     1段過給機なら、別に問題にはならないのではないでしょうか
    セミララ

  7. ですから、排気駆動であれ機械駆動であれ、クーラーを付け得る過給器でせっかく冷たい吸気を作ったのに、クーラーを付けようも無い作り付けの過給器で加熱されては元も子も無いと思うのです。最大限に圧縮され且つ最大限に冷却された吸気が性能向上には必要だと思います
    にも。

  8. >7
     混合機を圧縮するのであれば、1で述べられているとおり気化潜熱による冷却でしょう。それでも不足なら混合気を濃くするなどではないでしょうか。
    DDかず

  9. クーラーで冷やしたままの吸気を気筒に入れたいので、作り付けの過給器は邪魔では無いか、その場合どう処理するべきかと云う事
    にも。

  10. >9
     ですから気化潜熱で処理しているんでしょう。
    DDかず

  11. だから気化潜熱でせっかく冷えた混合気が、作り付けの過給器の圧縮で加熱されたまま気筒に入るのは良く無いと思います、もっと云えば気化潜熱による冷却は、吸気が気筒内で圧縮される将にその時に働かせるのが最も効果的です。混合気を濃くするのは巡航時には使えませんよ。
    にも。

  12. >11
     最も効果的な使用方法がどうあれ、それ以外の使用方法でも効果があるのであれば、それでいいのでは。過給器に入る時でも。
     巡航出力程度のブースト圧で混合気を濃くする必要はないと思いますよ。
    DDかず

  13. >9他
     えっと、まず、どうしてたかでいうなら、物理構造的には冷やしてなかったというのが答えになります。
     また気化潜熱の件ですが、冷却による効果は2点、一つは冷える事で異常爆発等を回避させるということ。つまりは点火直前の温度が低いという事で、これは燃料を多めに出す等で過給圧が高い時等に使ってます。これだけの効果ならば圧縮工程中に気化してくれて構いません。そしてもう一つは、冷えた空気は体積が小さいので充填効率が良くなるという点。言うまでも無くこれは気筒内の圧縮行程で起きても、なんの有り難味もないですね。吸入行程のときに起きてないと効果がありません。つまり吸気バルブより手前で気化して潜熱による冷却が始まってる事が望ましいのです。
     以上から判るように、#11で主張されてるような「吸気が気筒内で圧縮される将にその時に働かせるのが最も効果的」ということは全く以って勘違いです。吸入行程で気化潜熱を活用するというのが狙いなんです。
     また同様に、#11で記してるような「気化潜熱でせっかく冷えた混合気」はも考え方として逆なんです。気化潜熱による冷却は混合気が気化していく過程で得られる効果なのですから、混合気の生成から吸気バルブまでの距離と時間が長いほうが、気化する時間を稼げ、また途中で攪拌されることで余計により効果的に効果が発揮されるのですから、どうせ過給器を使うのであるならば、気化器を通った空気が過給器を通るほうが、気化潜熱の活用という点では、逆の場合よりも有利なのです。
     また、より以上に吸気を冷やしたいというのであるならば、ガソリンを大目に吹き込むか、水メタノールを噴射する等を用います。これは大馬力発動機で良く用いている手段です。また巡航ならば、二段過給器ならば一段止めてしまう、一段過給器でも2速に入れず1速のままにする等で、過給器の圧力比を落とせば吸気温度の上昇を避けることが可能です。
     当然これらは気化器の位置に関わらず得られる効果なので、後方冷却器を装着するのが困難という構造上の不利からは逃れられませんが。中間冷却器や後方冷却器による過給圧の低下は、低ブーストの時ほど率的に響きますので、巡航性能に関して言うならば、さほど大きな違いにはなりません。
    SUDO

  14. >#4,5,7,9,11 にも。さん

     まずは、中間冷却器装備の2段過給機エンジン(V-1710、R-1820、R-2600、R-3350、R-1830、R-2800、R-4360等)と、後方冷却器装備のエンジン(V-1650、マーリン)とで、シリンダ直前での吸気温度を比較してはどうでしょうか?

    >星形の場合(中略)過給器は、(中略)加熱された吸気がそのまま気筒に入り望ましく無い場合が有ると思います。クランクの構造に固定された過給器の弊害にはどう対処したのでしょうか
    >最大限に圧縮され且つ最大限に冷却された吸気が性能向上には必要だと思います

     列型エンジン(V型等)でも、1段過給機装備のエンジンでは吸気冷却を行っていない事から判る通り、通常は問題無い
     問題が生じる場合(離陸時、全開時等)は、混合気を濃くする・水噴射で対応(列型でも同様)


    >クーラーで冷やしたままの吸気を気筒に入れたいので、作り付けの過給器は邪魔では無いか、その場合どう処理するべきか

     どうしてもそれをやりたい場合は、過給機無しの星型エンジンに、過給機・吸気冷却器を装備した形になります
     その分大きく重くなりますから、反って機体性能が低下するかもしれません


    >気化潜熱による冷却は、吸気が気筒内で圧縮される将にその時に働かせるのが最も効果的です

     内燃機関の圧縮行程って、吸気(作動気体)の温度を上げる為にやっているのに...
     そこで気化潜熱による冷却が起こっちゃ駄目でしょ
    セミララ

  15. ディーゼルと違い、ガソリンエンジンの燃料筒内噴射は吸入行程のとき行っていたんですね、すみません
    にも。

  16. >14
    圧縮工程で温度が上がるのは結果的にそうなっているだけで意図的にやっているわけではありません。既にSUDO氏も言及していますが温度の上昇を抑えることができればノッキングの発生を抑えることができ、より圧縮比やブースとを高くして高出力を得ることができます。
    abc


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