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5055 イタリアのDB605(ティフォーネ)エンジン搭載戦闘機群について質問させてください。
マッキ・レッジアーネ・フィアット・カプロニ・ヴィッツオーラなど、各社が製作した戦闘機のうち、イタリア空軍が「本命」と見なしていたのはどれだったのでしょうか?
量産能力と性能の点でカプロニ・ヴィッツオーラは一段落ちる印象がありますが、他三社の機体の実力はほぼ伯仲しているように思われます。
イタリア空軍がもっとも期待を寄せた機体がどれだったのか、教えていただけると幸いです。
諏拿糊麩津

  1. まず、MC.205Vは本質的に暫定型で、次期主力戦闘機を目指して作られたものではなく、単純なMC.202のエンジン換装に過ぎません。
    つまり、MC.205VはMC.202の生産設備をまるまるそのまま転用して全く即時に生産にかかれる機体として、一刻も早い新型戦闘機の戦線投入を実現すべく採用・量産に進んだものです。
    そのあたりの事情は、初期生産ロットからの主翼の変遷にも見ることができるでしょう。
    マッキが「セリエ・チンクェ」の競作に準備していたのはMC.205Nの方だったのですが、これはG.55よりも完成が遅れた上に失敗作でした。

    イタリア空軍が本命視していたのはG.55です。
    MC.205Vが後に主翼を大改造してMG151/20を積んだので、性能伯仲という印象になるのですが、試作機の段階ではMC.205Vに対しては圧倒的に重武装で且つ高高度性能で上回り、MC.205Nより全般的に高性能で、Re.2005よりずっと早く量産化できる機体でした。

    Re.2005は競作各機のうち最も高性能になることが確実視されていましたが、また同時に最も完成が遅れてしまうことも確実視されていました。
    平時、あるいは戦況に余裕があったなら、R計画でG.50とMC.200との間で見られたように、G.55をつなぎとしてRe.2005が本命ということになったのではないかと思われますが、事態はあまりに逼迫しており、なお時間がかかってしまうと見られたRe.2005に振り向けられたリソースはわずかなものです。

    カプロニ・ヴィッツォーラF.6はDB605搭載戦闘機としては早々に脱落していますが、イソッタ=フラスキーニ・ゼータ搭載の補助戦闘機としては開発が続行されています。
    まなかじ

  2. まなかじさん、回答ありがとうございました。
    試作段階ではMC205Vは火力が劣っていたのですか、知りませんでした。
    しかし……、R計画の時の推移や、今回のセリエ・チンクェ競作をみて思ったのですが、イタリアでは転換生産はあまり活発でなかったのでしょうか?
    どの機体もよほど酷くなければ少量でも量産させてるみたいですし。

    カプロニ・ヴィッツオーラF.6などは、補助戦闘機としてアンブローシニS.403あたりがあるのに、わざわざ続行する必要があったのでしょうか?
    デルタとゼータの違いとはいえ、イソッタもどちらか一方に集中して生産した方が数がこなせるんじゃないか、と思うのは穿ちすぎですかね?
    諏拿糊麩津

  3. どうもイタリアの生産現場の実態というのはよく見えてこないのですけれども、外から見る限りの印象では、「飛行機を手造りで作っている」という評は、日本以上にイタリアに当てはまっているように思います。
    要するに、イタリアで言う「量産」というのは試作機製作レベルの製造設備と工程のまま、その細いライン数を増やすことでマンアワーを増すということではなかったかと思います。
    同じ流量を得るのに太いパイプ1本ではなく、細いパイプを束ねてあったようなもので、品目を集中してもしなくてもあまり変わらなかったのでしょう。どこかで合流することなく、そのまま注がれるわけですから。
    また、その意味では完成機の転換生産もSM.79やCR.42、Ro.41、Z.506、G.50複座型などで行なわれてはいますし、また構成品レベル(例えば主翼だけとか)の下請けは中小航空機メーカに広く行なわれていますが、とにかくそのパイプそのものが細かったようです。
    またそれはエンジンから機体、武装に至る部品供給のシステム全体がそうなっていたので、絶対的な流量も増やせなかったし、また同時にどこかで太いパイプにつけ変えようにも変えられなかったのではなかったかと。

    ただ、ゼータはアッソの後継として、アッソのラインを敷き換えて作っています。
    デルタは別途に戦前から準備されているエンジンですね。
    ラインそのものの細さや効率の低さはともかくとして、あまり適切な例えではないかもしれませんが、アッソが寿、デルタが栄、そこで寿をやめてそのラインを誉に敷き変えたのがゼータということになり、デルタとゼータではどちらかをやめてしまってよいエンジンというわけでもないようです。
    まなかじ

  4. まなかじさん、再度の回答ありがとうございました。
    なるほど……フィアット辺りなら川崎レベルの量産能力は持っているのでは、と想像していましたが、試作機製作レベルのラインの本数を増やす、ですか……
    想像してたのとぜんぜん違いました。

    ゼータとデルタについてもありがとうございました。
    世代差とは考えてもみませんでした。
    出力も手頃なデルタと、それなりに大出力なゼータ、どちらも必要なエンジンみたいですね。


    諏拿糊麩津


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