同時代の機体は?[単座戦闘機編]


 第二次大戦中には、初期から末期まで世界中で色々な機体が活躍しました。それを 年代順に並べて比較してみると、あれっ、こいつとこいつが同じころに開発された機 体なんだ・・・、なんて、結構、新発見があったりします。たとえば、「96艦戦」 と「Bf109」は、原型機の初飛行が、およそ4ヶ月しか違いません。ということ は、「97戦」は「Bf109」よりあとの機体ということになるわけです。
 てなことで、それをちょっとまとめてみましたのでご覧ください。今回は単座戦闘 機に限定しました。それでも、ちょっと大きくなり過ぎたような気がしますが・・・

単座戦闘機・原型1号機初飛行年月
飛行年月 日本 ドイツ アメリカ イギリス ソ連 イタリア フランス
1933/12 I−16
1935/1 96艦戦
1935/5 Bf109
1935/10 ハリケーン
1936/3 スピットファイア
1936/5 P−36
1936/7 CR714
1936/11 97戦
1937/2 G.50
1937/9 F4F
1937/12 F2A MC200
1938/5 CR.42
1938/6 MS406
1938/10 P−40 ホワールウィンド D520
1938/12
1939/1 P−38
1939/春 Yak−1 VG33
1939/3 LaGG−1
1939/4 零戦
1939/5 Re2000
1939/6 Fw190
1940/2 タイフーン
1940/4 Mig−1
1940/5 F4U
1940/7 Re2001
1940/8 鍾馗 Mig−3 MC202
1940/9 P−39
1940/10 P−51
1940/11 LaGG−3
1940/ Yak−7
1941/5 P−47
1941/7 Me163
1941/12 2式水戦
1941/12 飛燕
1941/ Yak−9
1942/4 G.55
1942/4 MC205
1942/春 La−5
1942/5 強風
1942/6 F6F
1942/7 Me262
1942/9 テンペストX
1942/10 雷電 P−59
1942/12 紫電
1942/ Yak−3
1943/1 P−63
1943/3 疾風 ミーティア
1943/9 Do335
1943/12 紫電改
1943/ La−7
1944/1 P−80
1944/4 烈風
1944/7 Ta152
1944/8 F8F
1944/12 He162
1945/2 五式戦
 飛行年月は黄色になっているところで年が変わっていることを表しています。
 申し訳ありませんが、ソ連機に関しては詳しいことが解らない機体が多かったので、 いくつかはそれぞれその年の最後に入れてあります。
 それから、ジェット機やロケット機は本来の動力装置を使って初飛行した月にして あります。「Me262」なんかは前年の4月にプロペラをつけて飛んでいますね。
 これを見ていて一番驚くのは、同じフィアットでありながら、複葉の「CR42」 が単葉の「G.50」より1年も後に初飛行しているということですね。まあ、「C R42」自体が「CR32」からの発展型ですから、実戦化が早くできそうではあり ますが、そんなヒマがあったらG.50の開発を急いだ方がよかったんじゃないのか なぁと思います。
 それから「P−59」が「ミーティア」よりも先に初飛行していたというのも以外 でした。「P−59」のエンジンはイギリス製をライセンス生産したものなのに・・。
 あと、「97戦」が「Bf109」や「スピットファイア」よりもあとに初飛行し ているというのも結構驚きです!この中で性能的に出色なのは、何といっても「ス ピットファイア」ですね。で、残りの2機種を比べると、性能的にはおおむね97戦 のほうが勝ってるようです・・・。何だって?逆じゃないの?と、思われたかた、逆 じゃありません。最初に実戦配備された型同士(甲とB−1)で比較すると、最大速 度は「97戦」の468qに対し「Bf109」は460qと若干ながら「97戦」 の勝ち。運動性、上昇力は圧倒的に「97戦」。航続距離も「97戦」が上。と、こ の後の日本機対ドイツ機の性能差のほぼ逆をいっているのです。これは非常に興味深 い事実です。また、97戦は太平洋戦争開戦当時すでに旧式化していたのに、他の2 機種は終戦、または終戦後まで使われました。それぞれの機体設計の優秀さが見うけ られます。

 これを見て、みなさんはどう感じましたか?今度は爆撃機編をやってみたい思いま す。