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BUN(98/10/7 23:50)
「戦争論」についての論議が盛んですが、話題があまりにも広く、 つかみどころがありません。本来、特攻隊についての話題だったと 思いますので、日頃思っていたところを少し、書きたく思います。
特攻隊については、今まで概ね次のような通説があったように思います。 1無益な狂気の戦術である。 2日本独特(独自)の現象である。 3前近代的精神の産物である。
1については、更に詳しい方もいると思いますが、日本の航空攻撃で 最も戦果を挙げた攻撃方法だったことは否定できません。 そして、冷酷な計算の上に実行された戦術であり、情熱の産物では無かったことも ご存知の通りです。
2についてはあまり触れられることが無いのですが、最大規模の特攻出撃が 行われた菊水一号作戦とほぼ同日に、ドイツではより多くの機数の自殺攻撃機が エルベゾンダーコマンドとして米爆撃機群に向かって出撃しています。 組織的な自殺攻撃は、その後の朝鮮戦争の中国軍、ベトコン、パレスチナと 後を絶ちません。特攻は日本独特の現象では無いのです。
3についてですが、この欄で戦国時代の戦について議論されたことがありましたが 一兵卒に自発的な死を強制するような戦いは中世には不可能でした。 なのに近代の戦争は特権階級の武士でも貴族でもない人々の自発的な死に満ちています。 民主主義に基づく「兵役義務を有する市民」を生み出した近代の社会こそが特攻の母胎なのではと 考えてしまいますが、それは、言い過ぎでしょう。 でも近代戦はやけに自発的自殺攻撃の多い戦争なのです。組織的虐殺も。 日本とか朝日じゃない問題だと考えていますが・・・。
BUN
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