italy

I.M.A.M(メリディオナリ) Ro.41

 Ro.41の原型機はニッコロ・ラーナの操縦により1934年6月16日に初飛行している。
 この機体は、ドイツの「ハイマートシュッツイェーガー」計画と似た思想のもとに開発された、第一線任務をも果たし得る戦闘/曲技練習機である。
 ジョバンニ・ガラッソ技師の設計による一葉半の複葉機で、単張間に胴体から支柱を出した、前から見るとV字をなす翼支柱を有し、上翼はI-15ほど顕著ではないがガル翼の構成で、上方視界に優れる。

 単座型と複座型があり、複座型は基本練習機としても使われた。
 1936年から1943年までに単座型は480機、複座型は230機が製作され、I.M.A.Mの他、アグスタ、AVISでも生産されている。
 練習機としての評判はよかったらしく、若干機が戦後しばらくも新生イタリア空軍でも使用され、更には1949年になってアグスタが複座型13機、単座型12機を再生産している。

 スペイン内乱でイタリア空軍は少なくない数のCR.32(当時の主力戦闘機)を消耗した結果、定数不足を補うため、飛行学校からかなりの単座型が第一線戦闘機隊に配備され、一部はCR.42の配備まで一線任務にとどまった。
 CR32に比べると、さすがに弱武装(7.7mmブレダSAFAT*2)で、急降下性能にも劣ったが、速力と運動性では劣らず、上昇力ではCR.32を上回るものを持っていた。

 1940年の開戦時には、再びそのほとんどは飛行学校にあり、1943年の休戦時にも単座と複座合わせてイタリア空軍に443機が就役中であった。

 輸出の実績もあり、スペインには、内戦中にフランコ軍が25機の単座型を供与され、戦闘練習機として使用した。また、ハンガリーにも9機が輸出され、練習機として使用されている。

(文章:ダリオ・マナカジーニ)


特徴的な翼間支柱と上翼の取付け方がよくわかります

スペイン空軍で使用中の機影

諸元(単座型)
全幅8.81m
全長6.90m
全高2.68m
翼面積19.50m2(19.15m2とする資料もあり)
自重1,010kg(装備込み乾燥重量)
離陸最大重量1,300kg
武装ブレダSAFAT 7.7mm機銃*2
発動機ピアッジョPVII RC45空冷星型9気筒 390馬力
最高速度320km/h(5,000m)
実用上昇限度7,000m
航続距離600km

[戻る]