胴体中央部に空冷エンジンを装備し機首のプロペラを駆動して高性能を達成 しようと目されて開発された機体。 ピアッジオ社では1938年から胴体の重心位置付近にエンジンを積み機首の プロペラを延長軸で駆動する方式を研究していましたが、1941年に実機の 開発を開始し、1942年12月に初飛行させました。 この機体がP119で、エンジンを胴体中央部に装備しているにもかかわらず、 そのエンジンに空冷エンジンを選択、冷却空気は機首下面に開口した大型の空気 取り入れ口から導入するようになっていました。搭載エンジンが空冷であったため 胴体中央部のエンジン直後にカウルフラップも装備ししていました。また、武装は 機首にエンジンのない利点を生かしてプロペラ中央から20o機銃、その上部に 12.7o機銃を4丁装備していました。 ところが、予想される通り、完成した機体はこの配置であることにまつわる トラブルが続出、特にエンジンの冷却不足は深刻で、度重なる改修が行われたにも かかわらず、ついにイタリア降伏の日までに実用化にこぎつけることはできません でした。 |
諸元 | |
全幅(m) | 13.0 |
全長(m) | 9.7 |
翼面積(u) | 27.9 |
自重(s) | 2,438 |
全備重量(s) | 4,091 |
エンジン | P15RC60/2V 空冷星型18気筒 1650馬力 |
最大速度 | 640q/h(6,000m) |
上昇時間 | 6,000mまで7分12秒) |
実用上昇限度 | 12,900m |
航続距離 | 1,510q |
武装 | 20o×1,12.7o×4 |