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    ボブ・ポンド・ハンガー(南ハンガー)の様子

    南ハンガーはすべて飛行可能な機体で、ほとんどが米軍機で占められていました。右の機首は F4U コルセア、中央の機体は TBM アヴェンジャー雷撃機。

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    TBM-3 の折り畳み翼・脚収納部拡大

    TBM はグラマン TBF アヴェンジャーのゼネラル・モータース生産型です。重量5トン、広げた翼のさしわたし16メートルもある単発艦載機としては異例の巨大な飛行機で、見上げると二階建ての家のよう。ハンガー内では十分に下がれず全景が撮れませんでした。斜め後方に折りたたむ翼のヒンジ、いかにも頑丈そうな主脚がわかります。

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    F4U-1A のカウルフラップ裏側拡大

    チャンス・ボート F4U コルセアは逆ガル翼が特徴で、第二次大戦中最速の艦上戦闘機です。写真ではコンパクトに見える F4U ですが実機は意外に巨大で、長い翼を上方に折りたたんだ姿は威圧的にすら感じました。アヴェンジャーが邪魔で十分後ろに下がれなかったので、逆に思い切り近づいて撮ったのがこれ。初期型特有の単排気管、ワイヤーで操作されるカウルフラップの作動原理がよくわかります。この機体は複座に改造されているようでしたが、現在のところ体験飛行の機会は提供されていません。

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    F4U-1A 正面(QV10画像)

    夕刻になってハンガーの扉を開く機会がありましたが、フィルムの残りが心細く QV10 の画像になりました(F4U さんごめんなさい…)。夕陽の入射で少々カブッていますが、力強い大直径の三翅プロペラが印象的です。

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    F6F-5 ヘルキャット

    グラマン F6F 戦闘機は零戦のライバルでしたが、1000 馬力の零戦に対し 2000 馬力のエンジンを搭載しています。TBM より一回り小さいながらも、その重量感はやはり圧倒的でした。鳥のように後方に折りたたむ翼の構造は F4F, TBF などグラマン社のお家芸で、今でもグラマン E-2C「ホークアイ」電子偵察/管制機に引き継がれています。右奥に見えるのはカーチス P-40N、複座に改造されており後部風防の形状がオリジナルと少し異なっています。この P-40 は体験飛行可能です。その後方の四翅プロペラは修復中のグラマン F8F「ベアキャット」のもの。

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    F6F 細部写真:折り畳み翼拡大

    TBM と同じく斜め後方に折りたたむ機構ですが、その駆動メカは機体が一回り小さいぶん比較的シンプルです。

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    F6F 細部写真:主脚基部拡大

    F6F の主脚は90度ひねって後方に引き込む凝った機構で、駆動ギアや油圧パイプが複雑にからみ合っています。

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    P-51D マスタング

    ノースアメリカン P-51D は「第二次大戦中最優秀戦闘機」の呼び声高い名機。これは私が体験飛行で乗った機体で、赤黄のチェッカー塗装が特徴です。「Wee Willy II」のノーズアートがありますが、これは時々化粧がえしているようです。右上方のプロペラは TBM、左の尾翼はヴァルティー L-5 連絡機。F4U, F6F, P-47 といった一連の巨大な重戦闘機の中で、精悍な P-51 のコンパクトさはひときわ目立っていました。

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    P-51D とマーリンエンジン

    上とは別の機体ですが、こちらも飛行可能です。エンジンカバーを外し、ピカピカに輝くエンジンを誇らしげに見せています。P-51D に搭載されたのはアメリカのライセンス生産品パッカード・マーリンだったと思うのですが、この機体のエンジンにはロールス・ロイスの刻印が認められます。赤やブルーに色分けされたパーツがまるでレーシングカーのようですが、戦時中は実用一点張りの無塗装だったのでしょうね。

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    ばっちり面倒見ちゃうわよ…

    "Intensive Care" を意訳したらこんなところでしょうか?患者輸送機の塗装を施されたヴァルティー L-5 連絡機のノーズアートで、いかにもアメリカンな感じですね。この機体はたった $60 で体験飛行可能です。

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    P-47D サンダーボルト

    リパブリック P-47 は第二次大戦中最大級の単発単座戦闘機で、この機体は風防後部が胴体と一体になった「レザーバック」と呼ばれる初期型です。プロペラ直径の大きなことはいかにも重戦闘機らしい風格ですが、全体については翼幅が比較的短いこともあり、F4U や F6F とくらべてさほど巨大とは感じませんでした。本機は胴体後部下面に排気ガスタービンを搭載したため胴体が縦長断面となっており、普段はカウリングに隠されている複雑な空気吸入経路の様子がわかります。後方の全翼グライダーはノースロップの実験機?と思われますが正体不明。

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    SBD-5 ドーントレス

    ダグラス SBD は奇才エド・ハイネマンの設計による傑作急降下爆撃機で、ミッドウェー海戦において日本軍空母五隻を葬った武功を誇ります。この日はどういう都合か、飛行予定にない筈の SBD が外に引き出されていました。エンジンの下には、滴ったオイルを受けるオイルパンが置いてあります。この SBD も体験飛行可能な機体です。

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    SBD 細部写真:胴体下面拡大

    急降下爆撃時にプロペラ回転圏外に爆弾を投射するための「スィングアーム」式爆弾投下器や、主脚収納部の構造が詳しくわかります。プラモを組む方は参考にどうぞ。

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    FM-2 ワイルドキャット

    ワイルドキャットは大戦前半アメリカ海軍の主力戦闘機で、劣勢ながらもその頑丈さを活かして零戦と渡り合いました。FM-2 はグラマン F4F のゼネラルモータース生産型で、エンジンや尾翼が改良されています。これは北ハンガーに置いてあった飛行不能な展示機で、昇降舵面の張り替え中?で下地の羽布が見えています。

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    P-39Q エアラコブラ

    ベル P-39 は胴体後部にエンジンを搭載して延長軸でプロペラを駆動し、機首に 37 ミリ機関砲を積んだ変わり種の戦闘機です。高空性能が悪く対空戦闘には不向きでしたが、ロシアではドイツ戦車相手の低空攻撃で大活躍しました。これも北ハンガーに置いてあった機体、飛行不能な展示機であまり保存状態も良くなく、特にキャノピーの黄変が目立ちました。上方はブリストル F2B 複葉機のレプリカ。

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    もっと状態の悪い P-39 (QV10画像)

    これは屋外の展示です。ロシアで不時着した機体だそうですが、状態がどうこういう言う以前の問題のような気もします。だいいち、言われなきゃこれが飛行機であったことすらわかりません。