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部隊統制上の全滅(判定)、壊滅(判定)、殲滅(判定) などの定義が書いてある本はどんなものがありますでしょうか? あるいは信用のあるサイトはありますか? 久兵衛 |
- まずは辞書を引いて国語としての意味を確かめましょう。
BUN
- それはもう済んでいます。
辞書には「一般に部隊は損耗3割で全滅(判定)、5割で壊滅で、10割で殲滅(玉砕)」なんて書いてないのです。
そういうを書いてある本をご存知の方がおられないものでしょうか
久兵衛
- 全滅、壊滅はそれを自らが蒙ることですが、殲滅はそれを相手に施すことです。
いくら軍隊でもその辺りを混同することはありません。
BUN
- 横から質問ですみません。
他の軍事趣味の掲示板等で「損耗3割で全滅(判定)、5割で壊滅」は見かけたことがあるのですが、
これには特に根拠がないのでしょうか?
gk
- 全滅という言葉は数えられるものに対して使われる事が多く、兵器、兵員等に使われます。10あるものが10失われれば「全滅」です。
壊滅という言葉は多くの場合、機能など数えられないものに対して使われます。「基地機能ヲ壊滅セシムル」といった使い方です。
全滅と壊滅は程度の違いではなく使う対象に違いがあります。
殲滅は「皆殺しにする」「全滅させる」という意味で使われますが、100%の損害をきっちりと与えることは実際の戦闘でそれほど重要な意味を持ちませんし、そのために使われ方は限定されやすく、主たる戦闘が終了した後の掃討戦などで「残ル拠点ヲ殲滅」と使われます。
用語としては「撃滅」で十分なのですけれども、戦ってみた結果、相手をほぼ100%撃滅出来た場合にも「殲滅」の出番があります。
その例は日本海開戦後に明治天皇の勅語に「連合艦隊ハ敵艦隊ヲ朝鮮海峡ニ邀撃シ奮戦数日遂ニ之ヲ『殲滅』シテ空前ノ偉効ヲ奏シタリ」とあるように「撃滅セントス」と出撃した連合艦隊が戦闘の結果、敵艦隊を全滅させることができたので「殲滅」が使われたのです。最初から「殲滅セヨ」と命じられていた訳でもなく命じる意味も無かったのです。
こうした言葉は結局、純粋な軍事面での用語としてより、飾り立てた報道、宣伝用の言葉として使われる事が多く、多分にアジテーション的な色彩を帯びます。
ということで、全滅、壊滅、殲滅が綺麗に並んでいる訳ではありません。
まして「損耗三割で全滅判定」には普遍的な意味はありません。
BUN
- なるほど、「損耗三割で全滅判定」には根拠がなかったのですね。
「殲滅」の用語もアジビラか、某アニメぐらいでしかあまり見ない表現だったので納得です。
ありがとうございました。
gk
- 内部で使われているような定義ではないのですね。ありがとうございました。
久兵衛
- ちょっと面白いページが。
http://www.google.co.jp/#hl=ja&source=hp&biw=912&bih=586&q=%E6%90%8D%E8%80%97%E7%8E%873%E5%89%B2%E3%81%A7%E5%85%A8%E6%BB%85%E5%88%A4%E5%AE%9A&aq=f&aqi=&aql=&oq=&fp=98fef743cd437f02
通行人