74 |
海軍艦艇での一日の摂取カロリーの目安や内容といったものは、法律や内務規定として成文化されていたのでしょうか。 また、それは海軍予備学生や海軍予備生徒にも適用されていたのでしょうか? くま |
- まず、呼び水程度に・・・
かなり厳格に決められていたようですね。軍いうのは予算で動くものだし、海軍の場合は特にフネの積載量という制約がありますから。
また、海軍予科練の朝飯は、食パンと味噌汁だったことも良く知られています。
一次資料ではないですが、それにかなり近いものとして、下記二冊が読みやすく、また、楽しいです。
1)写真で見る海軍糧食史(藤田昌雄 著):当時の写真や、規程の文章・一覧表等が多く載っています。航空糧食にも詳細な記述があります。
2)海軍食グルメ物語(高森直司 著):こちらは具体的なレシピや、海上自衛隊に至るまでのエピソードも満載です。
どちらも、一次資料をしっかり参考文献に載せているので、そこから辿れるでしょう。
(例:海軍厨業管理教科書(海軍経理学校)昭和一七年版 等 ⇒ 2)の参考文献筆頭)
TOSHI!!
- 海軍における食事については、「海軍給与令」及び「同 施行細則」により規定されています。
もう少しお話ししますと、准士官以上は食費については現金支給ですが、下士官兵及び生徒については「海軍兵食」として現物支給され、これは「基本食」とそれ以外のものに別れます。
「基本食」と言うのはその名の通りの通常の食事の事で、これは「日額」のものと「旬額」のものとに分けてその量が規定されています。
「日額」というのは1日に支給される量で、米、麦などの「主食品」及び肉や野菜などの「副食品」です。 例えば白米360グラム、割麦120グラムというように具体的に決められています。
「旬額」というのは10日当たりで与えられるもので、これは調味料や飲料品(お茶など)などです。
もちろんこれら全てを規定通りに調達出来ない場合や献立などの都合がありますので、他のものをもって相互に替えることが出来るようになっています。 これを「換給食」といい、例えば米麦何グラムの替わりに麺類何グラムというように細かく決められています。
以上のように、旧海軍における海軍兵食は食物等の“量”で決められていますが、これをカロリー換算にすると1日3546カロリーになります。
この基本食以外には、新兵増加食、生徒増加食、夜食、非常労働食や、航空機搭乗員に対する常時増加食、航空時増加食など、色々細かい規定があります。
なお、予備生徒は生徒に準じて海軍兵食が現物支給されますが、予備学生は少尉候補生と同じく俸給の中に含まれて現金支給されます。
艦船ファン
- ちょっと訂正。
×:海軍予科練の朝飯は、食パンと味噌汁だった
○:海軍兵学校の朝飯は、食パンと味噌汁だった
あとは、艦船ファンさんの仰るとおり。歴史的変遷と同時に、細則も含めて
1)の文献に写真入りで詳しく記載があります。
ちなみに、阿川弘之の「軍艦長門の一生」で、この兵学校の朝飯を毎日食べ
てた艦長サンの逸話が出てきます。給糧食鑑「間宮」のエピソードも豊富です。
TOSHI!!
- >3.
>あとは、艦船ファンさんの仰るとおり。
それはどうも、わざわざご確認いただきましてありがとうございました。
艦船ファン
- TOSHI!!様、艦船ファン様
海軍給与令を確認できました。大変有難う御座います
くま