16 最近、日本海軍の人事や組織について興味を持っている∞と申します。

今、疑問に思っているのは開戦時の第1航空艦隊のことです。
当時の他の艦隊などは一つの艦隊だけで任務をこなせる編成ですが、
1航艦だけはとんぼ釣り用の旧式駆逐艦数隻しかいません。

もし戦争になればどこかの艦隊と合同することになると思いますが、
1航艦は戦時には他艦隊との合同が前提の、多数空母による訓練を行う為の
艦隊にすぎなかったのでしょうか。それとも後の第3艦隊などのように、
重巡などの護衛艦艇を組み込んだ艦隊編成を目指していたものの、
護衛艦艇が揃うまでの間、やむを得ず空母のみの編成としたのでしょうか。

よろしくご教示のほど、お願い致します。

  1. 「後の第3艦隊などのように、重巡などの護衛艦艇を組み込んだ艦隊編成を目指し」たかったものの、諸方面との綱引きの上で妥協され、「多数空母による訓練を行う為の艦隊」として生まれた、というあたりでしょうか。第一艦隊、第二艦隊付属の各航空戦隊が別々の方針下で訓練することのまずさは認められながらも、ただでさえ第二艦隊から空母を取り上げることさえ声高に反対されていた中にあっては、本来欲しかった重巡もくれとまではなかなかいいにくい環境だったようです。

    付属する旧式駆逐艦群については、のちに乙型駆逐艦が逐次完成ののちにはこれと差し替えてゆく方針だった、といわれています。


  2. なるほど、そういう綱引きがあったんですね。
    戦争がなくても将来的にはある程度の護衛艦艇が加わっていた可能性は十分にあるわけですね。
    (それがいつになるかはわかりませんけど…阿賀野型の就役以後っぽいですね)

    ところで
    >乙型駆逐艦が逐次完成ののちにはこれと差し替えてゆく方針だった
    とのことですが、これは各航空戦隊に配属されていた駆逐隊の中身を
    旧式駆逐艦から乙型駆逐艦に改編していく、ということでしょうか?
    だとすると、護衛艦艇は各航空戦隊ごとに配属される予定だったんでしょうか?


  3. そのとおりです。
    各航空戦隊内に、空母一隻辺り乙型駆逐艦二隻の割合で配置する案が一般的だったはずです。


  4. 将来的には1個航空戦隊は空母2+乙型駆逐艦4で構成の予定だったんですね。

    1航艦の編成経緯から航空戦隊の編成を将来的にどのようにしていくかまで、
    知らないことを色々教えていただいて本当にありがとうございました。


  5. 将来的な艦隊の編成案には種々のものが存在していて、例えば16年初頭にはマル五、マル六計画の重空母が完成した暁に第二航空艦隊まで編成する案なども存在しています。
    また、航空艦隊を編成せず各航空戦隊を第一、第二艦隊に分散させる少し古い案の場合でも、空母1と乙型駆逐艦2がセットになっています。いずれにしても、乙型駆逐艦の予定建造隻数は、空母の予定保有数のちょうど2倍となるよう計画されているようです。(この場合、特空母には旧型駆逐艦があてがわれます)


  6. しかし、その16年初頭の「昭和25年度戦時編成案」においても航空艦隊は空母と防空艦だけで巡洋艦以上の護衛艦艇は所属していませんので、海軍は少なくとも戦前では建制の護衛艦艇をもつ機動部隊を作るつもりはなく、軍隊区分で対応することとしていたのではないかと思うのですが・・・
    もつ

  7. ええ、ですが、建制の空母艦隊を作りたかったという意図も航空側の一部には存在してはいたが、しかし、昭和16年の段階では第二艦隊その他との関係上、現実化は無理だった、ということなのです。



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