266 上海陸戦隊が上海事変で使用した火砲に正体の判らないものがあります。

http://forum.axishistory.com/download/file.php?id=135858
上海事変の写真にしばしば登場する火砲で、当時の記録には5センチ野砲と書かれています。しかし、日本軍の火砲に5センチ野砲などというものはありません。日露戦争でロシア軍から捕獲した47mm速射砲に似ていますが、あちらは艦載砲の固定式で、これは車輪の付いた野砲です。

http://forum.axishistory.com/download/file.php?id=236941
一見、四一山砲に見えますが、脚が違います。四一山砲の脚は二股になってますが、これは一本足です。また、照準器が高い位置に付いているなど、細かな違いがあります。これは、四一山砲なのでしょうか。それとも、別の砲なのでしょうか。

前から気になっているのですが、答えが見つかりません。判る方がいらっしゃいましたら教えてください。


Taki

  1. 陸戦隊が装備した、山内(式)短五糎砲ではないでしょうか。
    アジ歴(レファレンスコードC05021707800)には、昭和六年に特別陸戦隊用として呉海兵団に「山内式短五糎砲」を「 陸用砲架共(附属具補用品共)」で貸与するとの記事があります。
     詳しい事は私もご教示をいたきたいと思います。

    カンタニャック

  2. (1)上の写真
     >1. カンタニャックさんのレスが付きましたので、流石にいい加減なことは書けませんが、少し補足を。
     ご指摘のとおり、上の写真のものは確かに「山内短五糎砲」です。 この砲は元々は「四十七密米保式軽速射砲」として明治期の日本海軍艦艇に広く搭載されたもので、これの尾栓を一挙動式(自働式閉鎖機)の「山内式」としたものです。
     名称は「四十七密米山内軽速射砲」→「山内二听半砲」→「山内短五糎砲」と変わりました。
     砲架については、元々これを装備する艦艇には陸戦用の陸用(野砲)砲架が常備されておりましたので、陸戦隊編成時にはいつでも使用することができましたし、汽艇(艦載水雷艇)などにも搭載(短艇軍装)するための艇用砲架も搭載していました。
     大正期以降は段々と搭載する艦艇が少なくなりましたが、在庫は豊富にありましたので、海兵団や特別陸戦隊などでは昭和期まで広く使われています。

    (2)下の写真
     「短八糎砲」で、これを同砲用の野砲砲架に載せたものですね。 この砲の砲身自体は戦艦の主砲用の外筒砲としても使われておりますので、お馴染みのものと思います。 要目等のデータは省略しますが、「短」が付くだけあってたったの25口径(正確には24.56口径)です。
     ただし、この砲には砲身型と尾栓型式により「一号」「一号改」「四一式」がありますが、この内のどれなのかは写真ではよく判りません。 また、この砲も「一号式十二斤速射砲」→「一号短三吋砲」→「一号短八糎砲」というように名称が変わっています。

    艦船ファン

  3. > 艦船ファンさん
    いつもながらありがとうございます。
    カンタニャック

  4. カンタニャックさん、艦船ファンさん、レスありがとうございます。

    「山内短五糎砲」と「短八糎砲」ですか。小生、海軍砲は専門ではないのですが、これらの砲について写真とか図面とかの資料はあるのでしょうか。あれば、自分でも調べてみたいと思うのですが。
    Taki

  5. >4.
     “纏まったもの”ということでは私の知る限でりは無いのではと思いますが、例えば写真ですと海兵団関係のものを探していただくとチョコチョコありますし、艦載のものでしたら結構古い写真集の中にあります。 図面やデータ類も色々な史料・資料の中に少しずつバラバラですがあることはあります。
     ということで、頼りないレスで申し訳ありませんが、それらのもの一つ一つを総て列挙する訳にもいきませんので、もし関心がおありでしたら海軍関係のものを丹念にお調べいただいて纏めて行かれるしかないのではと思います。
     あるいは、この方面の専門家である国本康文氏に直接ご相談されてみるのも一つの手ではありますが・・・・

    艦船ファン

  6. そうですか。では国本さんに聞いてみます。
    Taki

  7. とりあえず我がミクシに判る事を書いておきました。

    国本

  8. 艦船ファンさん
    艦船ファンさんの持っている資料でそれらのものを含んでいるものがありませんか?い1,2枚でいいのですが?
    国本

  9. >7, 8
    >とりあえず我がミクシに判る事を書いておきました。
     早速のご対応感謝いたします。
     折角ですから、私も一つ。 山内式ではありませんが元の保式を搭載した野砲砲架の図面が「近代ディジタルライブラリー」で公開されている『掌砲必携図解第1編』(海軍砲術練習所編、明治32年)の41頁目にあります。 写真のものは尾栓のみならず砲鞍も山内式ですのでちょっと異なりますがご参考までに。
    http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/845214

    >資料でそれらのものを含んでいるもの
     どの様なものをご要望なのか、別途ご相談させていただきます。 本Ans.Qは画像が使えませんので、取り敢えずここではこれまでと言うことで。

    艦船ファン


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